写真、ヘタですみません。
「童子」でご一緒の石川妙さんの句集をご恵贈いただきました。
岡山在住で、「童子」誌上では何度も巻頭や主宰の珠玉に選ばれてらしてらっしゃる方です。私が幹事をしている多摩センター句会にも、東京の息子さんのお宅にいらしたときに、ご参加くださいました。静かに、でも強く俳句と向き合っていらっしゃる印象の方。
犬ほめて夫ほめられて五月くる
犬と夫という文字が似てることが、なんとも滑稽です。そう、俳句はもともと俳諧といって、滑稽なことをよしとする文学なのです。そこは抒情性の強い短歌との大きな違いです。かといって、これは川柳でもない(この川柳との違いは難しいところ)。
漢方のにごるスープや抱卵期
雪の朝帰つたはずの人がゐて
生家との行き来とだえて枝払ふ
ちよつとづつ傷ある雛飾りけり
生まれ育ちは名古屋で、ご結婚で岡山にいらしたという妙さん。生家との行き来とだえて~の句では、私もそうなるのだろうなとせつないというか、それが人生なんだなと思わされました。
うぐいす色のカバーに金押しの文様がなんとも上品な装丁です。