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知り合いの作家さん達がやってらっしゃる「るびいの会」の句集をいただきました。
17人のメンバー全員が、児童文学作家か元編集者さんなど、児童文学にかかわっている方達です。メンバーを引っ張ってらっしゃる忍々さんが、俳人、坪内稔典さんの系列とのこと。読んでいて、俳句を楽しんでらっしゃるのが伝わってきます(何人かエッセイには、苦しんでと書いてますが)。
選りすぐりの中から、好きだった句をあげさせていただきます。
銀河より散らばり落ちる鼓笛隊
海底に放つたままの沖縄忌 忍々
サザエさんちもワニを一匹飼ってます てんまり
今宵雪は嘘をつきに舞い降りる 酔命酒
朝曇りお釜を背負った人がいた 案山子
青みかんドアの向こうで咳一つ
話したりない日胸の小人がラムネ飲む 純子
銀漢眺めカリツと金平糖 踊波
空蝉の中にかくれる夏の影
吾の中のずるさよ蜥蜴の丸い眼よ ふくね
泳いだか流されたのかここにいる 夢眠
棄てたこと棄てられぬこと秋の雲 酔牛
春の夜の睡れん鉢の底の泥 くるむ
終点は五月晴れだよいざさらば 萱
はぎしりし八月の底ゆききする 丹太
カーネーション涙もろくて骨もろい 満月
連結のはやぶさこまちねぷたまつ 朔
きっと句会後は、楽しく飲んでらっしゃることでしょう。句集には、児童文学者としてのペンネームも書かれてましたが、ここでは出さずにおきますね。
皆さん言葉のプロなので、5・7・5の定型に収まっていなくても、詩であることをきちんと意識してらっしゃる。定型を意識しつつそこからはみ出している句は、魅力的。これは今の私の心境ですし、今書いている物語でも書きながら考えていること。
よい刺激をいただきました。ありがとうございます。