東京の西にある今の町に引っ越してきたのは7年前です。中央線で立川をすぎ多摩川を渡るといきなり高いビルが姿を消します。そんな町は、田畑があちこちに残るのどかなところでした。しかもうちは駅から徒歩25分と離れていて、今の時期などおそろしいほどの蛙の声に包まれたものです。
ところが数年前バイパスが開通してから、様相が一変。ここ一二年はバイパス沿いにファミレスや回転寿司や焼き肉のチェーン店など次々に建ち並び、近くの田んぼは宅地になっていっています。
散歩途中の浅川です。充分のどかな景色ではありますが、以前はこの川岸は胡桃(くるみ)の木があったり、秘密基地ができそうなほど草が伸び、いろいろな蔦が生い茂ったりしていたのです。それでも、
まだこのように矮鶏(ちゃぼ)を放し飼いにしている農家の庭などを眺めながら歩くことができます。でもこのお宅のすぐそばの田んぼは今年はもうありません。これ以上開発が進んでほしくないというのが願いですが、そうはいかないでしょう。