イタリア在住児童文学作家佐藤まどかさんの新刊です。
大きな赤い傘の表紙が明るい本。
七海は、おかあさんと二人暮らしだったが、最近お母さんが再婚して新しい家族ができた。
おとうさんとお姉さんだ。ところがお姉さんは、生まれてからずっと体が弱くて、入院している。
これまでも、七海は帰りのお母さんを待って、二人分の夕飯の支度をしていたけど、今はお父さんの分まで作る。
ところが、家族団らんはほど遠い。お父さんは病気のお姉ちゃんがかわいそうでしかたがないからだ。お母さんまで、結婚してからはお姉さんの病院に行くようになり、七海は前より一人でいることが多くなった。お姉さんに会いたいといっても、「時期をみて」と言われてしまう。
いわゆるステップファミリーなのだが、そこに病気のお姉さんという要素が加わり、主人公の孤独度が増す。
世の中には、いろんな人がいる。ホントにホントにいろんな人がいる。
100人いれば100人の事情、100人の人生だ。だからこそ、いろんな物語も生まれる。
その関係がこじれると、悲劇になったりもする。
世の中ままならない。
七海は行動する。そして、自分の思いのたけをぶつける。がんばれ! と言いたくなる。
傷つきたくなくて、ここで自分の殻に閉じこもってしまう場合だってあるだろう。うん、がんばった!
まどかさんは、大きな賞も受賞し、超安定した作家さん。これからも人の心をゆさぶる作品を発表しつるけるでしょう。まぶしい存在の一人です。
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