富山の北日本新聞で募集している北日本文学賞というのがあり、この賞は毎年元旦に受賞作が発表になります。今年は弘前在住の女性が受賞されました。
私は第42回で選奨をいただきました。その作品が『鞍骨坂』(筆名北柳あぶみ)。児童文学ではないもので唯一日の目を見たものです。ただこれはもう受賞してそれっきりなわけで、せっかくなので、もしもお読みになりたいという方がいらしたら、掲載された新聞のコピーをお送りしたいと思います。読んでくださる方、遠慮なく左のメッセージというところからか、あるいは直接ご連絡ください。
宮本輝さんの選評、http://webun.jp/pub/hensyu/bungaku/42_2008/result5.html で読むことができます。授賞式のとき、宮本輝さんに直接「あなたは書ける方だから大丈夫」と言っていただいたのが、書く上での支えになっています。(←これ、自慢です。きっぱり!笑。おとなりに座って食事もしたんですよー)41回のときは、最終選考に残ったものの受賞には至らず、よく年に受賞。宮本輝さんに2回続けて作品を読んでもらった人はこれまでいませんと地元の選考委員の先生にもおっしゃっていただきました。(今年選奨の方は、3回目だそうですが)41回で受賞を逃した作品に対しては「29枚目まではこれが一番かと思った。でも最後の一行で……」という大事なことを教わったものでもあります。いってみれば過去の栄光的なものですが、お正月になりちょっと思い出したので。
http://webun.jp/pub/hensyu/bungaku/41_2007/index.html では41回の選評などが読めます。宮本輝さんの選評はそれだけでも読む価値のあるものだと思います。一流の作家の言葉は、読むもの聞くものの心の奥のほうまで届くもの。さすがです。
地方新聞の賞ですが、30枚と枚数が手頃ということもあり、毎回1000人を越える応募があります。今その人数をかいくぐる作品を書けるかというと……。その時間があったら児童文学です。
今年の受賞作も、読むことができるようになっていました。これは今年が初めてです。早速読みました。12歳の女の子の視点で書かれ、五感を刺激する描写が巧みで臨場感があります。そして母の闘病という設定の中で主人公が成長し、向日性があり、方言の暖かみがあり、児童文学としても一級品だなと思いました。私的に、刺激を受けること大でした。