fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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若い俳人達(「むじな」と「てくり」)

2018年12月16日 | 日記
          
  
 先日「童子」の仲間、松本てふこさんから、「むじな」という俳句誌と「てくり」という文芸情報誌(という言い方でいいかな?)をいただきました。文フリで買ってきましたというお手紙つき。
 この「文フリ」もtwitterではよく流れてくる言葉ですが、私にとって未知の場。文学フリーマーケットの略なのでしょう。他によく耳にするのは、「コミケ」ですね。これは何の略だろう。どちらも、同人誌や個人で作っているものをブース代を払って、売る。そして交流する場なのかなと思っています。

 さて。

 「むじな」は、東北の若い俳人達が集まって立ち上げたものです。まずネーミングに拍手! いいですね。東北人らしさが漂っています(笑)。
 2017年が創刊、年に一度のペースで、今年2号が出ました。このペースもいい。この方達は、他にも地元の結社に入って句会をされているようなので。

 創刊号では、座談会「今、東北で俳句を詠むということ」が掲載され、若き俳人のトップランナーでもある神野紗希さんがスカイプで参加もされています。東北の俳句の特徴として好きな俳人の句を揚げ、震災俳句についてもかなり言及しています。
 この辺、とてもとても興味深かったです。特に震災については、私も俳句、そして児童文学の中での描き方に、非常に思う部分もあり、今も自分の中でもんもんとしているところなので。
 紗希さんのコメントは、さすがだなと感じ入りました。
 関西に「奎」という若手の雑誌があるとのことです。皆さん、頑張ってらっしゃる。

 2018年の号も、充実していました。正直言って、俳句自体はそんなにぎょっとするものはなく、まだ荒削りだったり大人しすぎたりですが、
 うにかわえりも さんが岩手の小学校で子ども達に俳句を教えるレポートが私的にはとてもよかったし、及川真梨子さんの総論「みちのくにいる」で、俳句甲子園において「高校生らしさ」ということについて書かれている文章もよかった。「高校生らしくていい」と思ったら、「今の気持ちがよく読めている」(ここは、「詠めて」にしてほしかったけど)と置き換えてほしい。というのも、なるほど! でした。

 他の評論も、私の頭ではきっちり理解できないほど(笑)、高度で、よく勉強されているなと感じ入りました。
 実は東京に引っ越してきて、「童子」に入った漣波瑠斗さんもこの「むじな」のメンバー。句を載せています。

 青林檎退屈を飼ひ慣らせない   岩瀬花恵
 辞令書をさくらつぽいきもちでもらう  うたがわえりも
 曖昧を溶かしに水母水槽へ   工藤凱門
 雪催本を一冊売りにゆく    佐々木萌
 不知火に匙のババロア揺れてをり 漣波瑠斗
 なめくぢの心を残しつつ進む  佐藤友望
 囀にくづさるる煙草の煙    佐藤里香
 寒月や人は足から死んでゆく  高橋 綾
 夕暮れの遠いところに生ビール 千倉由穂
 炎天に骨と銅貨を拾ひけり   天満森夫

「てくり」は、盛岡在住の工藤玲音さんが高校生と対談したり、芥川賞を受賞した盛岡の小説家沼田真佑さんと木村紅美さんの対談があったり、さわや書店(ユニークな本の売り方で全国的に有名な盛岡の書店)の皆さんの座談会があったり、多様で質の高い文芸情報誌でした。これは、たまたまこの号が文学を特集したってことなのか? ちょっとよくわかっていません。

 ただ、このように地方の頑張ってる文芸誌を読んで、寂しかったのは、秋田の人達がいないことでした。いないのかな、秋田の若い俳人。そんなことないですよね。あ、青森も入っていないか。
 ぜひ、参加していただきたい。
 
 ということも含めて、「むじな」の皆さん、全力で応援しておりますので! 

 追記 「てくり」は、調べたら、やはり盛岡の情報誌で、今号が文学の特集ということで、文芸情報誌ということではないようでした。

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