
◎2015年5月2日(土)
日足トンネル足尾側入口駐車場(7:18)……長手沢手焼沢合流点・取り付き(7:23)……1155m標高点(7:57)……本尾根合流(8:24)……1575m標高点(9:52)……ハイキング道合流(10:03)……茶ノ木平(10:19~10:33)……1617.8m三角点(10:53)……篭石の石仏(10:58)……細尾峠(11:48)……作業林道(12:00)……長手沢(12:18)……手焼沢合流(12:28~12:39)……駐車地(12:45)
昨夜までは小法師岳に行くつもりでいたが、朝起きたら、予定変更で、手焼沢と長手沢との中間尾根を登りたくなった。
この中間尾根、一昨年にハイトスさんと手焼沢、長手沢で水遊びをした際、その下調べの地形図で目に付いた尾根で、以来、課題というほどのたいしたものではないが、いずれ歩かねばなぁと思ってはいた。沢遊びの現地に行って確認すると、見た目、ゴツゴツとして険しそうで、無理かなと、その時は躊躇していたが、見てしまった以上、あきらめ切れずにいた。
今日、帰宅してからGPS軌跡を見ていると、手焼沢を遡行した際の沢筋は1130mあたりから北上している。狙い通りに歩いた尾根もまたこれに平行している。といったところから、この中間尾根は「手焼沢左岸尾根」と称してもいいのではないだろうか。長手沢と手焼沢合流点から1155m標高点、1575m標高点を経由して茶ノ木平に至る尾根である。
問題点が二つほどあった。一つは、この尾根、末端からストレートには入れず、1155mの先で小尾根を登って、本尾根に乗り換えなきゃならないこと。そこでまごつかなければいい。二つ目は、下りの細尾峠から日足トンネルに至るまで、まさか延々と車道歩きをするわけにもいくまい。以前、峠まで車が入れずに、トンネル前に駐車して歩いたことがあるが、細尾峠道路は下に来てしばらく105号線と平行し、国道に出てからかなり戻る。その間の神子内川は渡ることができない。これは現地の状況を確認しながらのショートカットをすることにしよう。
黒沢入口にも日足トンネル前にも車はなかった。帰りも同じ。ここのところ暑い日が続いているが、まだ沢歩きの時期は早いということだろうか。少なくとも、先日の畑の沢、今倉沢の水は冷たくはなかった。
出発前にカップラーメンを食べる。ポットの湯を誤って左太ももにかけてしまい、軽いやけどをしてしまった。ジャージのパンツの上からだったため、始末も悪かった。熱も逃げずにしばらくもがいた。これではどうも幸先がよろしくない。今日は注意しないといけないなぁ。
(日足トンネル)

(地蔵滝)

(ハイトスさんの沐浴場)

(手焼沢左岸尾根の突端)

トンネルの管理施設の脇には「関係者以外の立ち入り禁止」の看板があった。この場合、無視しないとその先に進めない。金属製の渡しを伝って、左に地蔵滝を見、堰堤を越えて沢に下りる。沢の水は少なく、石伝いに対岸に渡れた。渡ってすぐに取り付きの尾根が張り出している。近くには壊れた滑車がいまだに垂れ下がっている。
(取り付いて間もなく振り返る)

(上に鉄塔というか電柱というか)

早速、尾根に取り付く。見た目ほどの急さはなかったが、こんな状態がずっと続いたら、まいるなぁといった感じの印象のあまりよくない尾根で、ところどころヤセてもいる。そのうちに、踏み跡のようなものが右手の脇から入り込んだ。シカ道ではなく、確実に人間の道。やがて踏み跡は明瞭になる。枯れたササが刈り払われている。尾根も次第に普通の尾根の雰囲気に近づいてくる。
電線を引っ張った鉄塔が上に見えてきた。踏み跡もそこまでだろう。鉄塔に立つと、この電線は細尾峠の方から延び、国道に沿って下っているようだ。この電線、地図にはしっかりと出ていた。
(尾根筋は明瞭だが、以前はかなりのヤブ尾根だったのではなかろうか)

(右のピークをトラバースしている)

(1155m標高点付近)

尾根型明瞭、ツツジがちらほら。濃い系のツツジで、何とかツツジではないのかと、敢えて名前を出したら笑われそうで、ここでは控えておこう。よく見ると、しおれ加減で、もう終盤のようだ。さて、踏み跡は細くなったとはいえ、しっかりと上に続いていた。樹にペンキもつけられている。今でこそ歩く人はいないだろうが、以前はよく歩かれた尾根なのかもしれない。工事用なのかハイカーなのかは定かではない。まぁ、ハイカーは歩くまい。足尾の山の、こんな微末な尾根にこだわるのは、自分を含めて、全国に数人だろう。
水道管のパイプのようなものが埋め込まれていたり、たき火をした跡も見かける。周囲のササはかなり枯れていて、その間に踏み跡が続く。1155m標高点らしきところに到着。それにしても、このササの枯れは何だろう。これは後で知ることになる。
(一旦下って、沢に出る。正面に本尾根。右と左に派生尾根がある)

(右手の派生尾根に出る)

ササの間を下って行く。古い目印テープをいくつか見かけるようになる。うっとうしくはない。良識的な付け方だ。今度はピンクのツツジが出てくる。この尾根ではこの程度かもしれないなぁなんて思っている。左手の樹間越しに半月山の駐車場が見えてきた。
そろそろ尾根の乗り越えではないだろうか。正面に小尾根が見える。一旦、あれに乗ればいいのだろうが、鞍部に着くと、左手に向かって、沢筋に踏み跡が続いている。そして、その左上にも小尾根が出てくる。いずれの尾根を登っても、本尾根には合流するとは思うが、踏み跡を辿った方がむしろ楽かもしれない。
シカの墓場のような小沢で、いくつも骨が転がっていた。その沢、結局は先で行きづまり、踏み跡も消えた。少し戻って、右の小尾根に乗ることになった。最初から登っていた方が楽だったろう。
開けた小尾根だ。ドリンクのビンが転がり、ここのササもまた枯れていた。正面に本尾根が見える。この本尾根、地図を見る限りは出どころ不明のようなところがあり、起点から登るとなると、長手沢の方から迂回しないといけないようだ。
(そして本尾根に乗る)

(左に半月山の駐車場が見える)

本尾根に合流。ここにもパイプが埋められている。今度は頭が赤く塗られている。工事か作業の目印なのだろう。ようやく、期待はしていなかったが、気持ち良さげな、なだらかで広い尾根になった。それでいて、尾根型ははっきりして、迷いそうな感じもない。
先に行くと、白い杭に手書きの字が記されている。「除草剤区」とあった。そういうことか。この辺は、除草剤をヘリか人手で一斉に散布したのだろう。そのためにササも枯れたということか。勝手な想像かもしれないが、もしかすると、秩父のスズタケの絶滅もその口かもしれない。行政は随分と荒っぽいことをするものだ。ある意味、シカの被害がそこまで来ているということだろう。確かに、今回の歩き、珍しくも最後までシカを一頭もみることはなかったし、声を聞くこともなかった、サルは何頭も見たが。余談だが、「除草剤区」の字を見た瞬間、ベトナム戦争時の米軍の枯葉剤をすぐに連想してしまった。
(特徴のない尾根といえばそれまでだが、静かでなだらかな尾根だ)

(振り返る。自然林の疎林尾根ともいえる)

ササの枯れ立ちが目に付かなくなり、次第に見晴らしのいい尾根歩きになった。谷越し左の半月山も大きくなる。のどかだ。鳥のさえずりが聞こえてくる。
気温は次第に高くなっているようで、かなり汗ばんできた。心地よい風が標高が上がるに連れて涼しさになってくる。ツツジの花びらが落ちていた。やはり、ツツジはここも終わりか。まっ、いいか。別にツツジを見に来たわけでもない。ササの青味が次第に出てきた。除草剤からまぬがれたエリアだろうが、この辺のササはシカが食べ尽くしたようで、ヤブにもなっていない。
(この辺からツツジが出てきた)

(その1)

(その2)

(その3)

(半月山をバックにして)

いい感じの尾根だなぁなんて思いでずっと歩いている。1400mを過ぎ、そろそろ1450m。ふと、ピンクの群がりが先に見えた。ツツジがあちこちで乱舞していた。これはすごいや。期待もしていなかっただけに、突然のツツジの群生に驚いた。やはりこの時期だ。山でツツジを見ないことには。今日あたり、細尾峠のあちら側のツツジも満開だろうか。だが、薬師から地蔵、薬師から三ノ宿までの尾根のツツジすらこれほどのものでもないだろう。人知れずの地味な尾根。えらく得をした感じになった。あっちに行ったり、こっちに行ったりと、先に進まなくなってしまった。
ツツジの街道はだらだらと続いた。尾根の樹も少なくなったのか、見晴らしも次第によくなり、白い山々が左に見える。あれは日光白根の方だろう。
(そしてまだ出てきた)

(だらだらとその4)

(その5)

(こんなところもあるが、尾根の変化は少ない)

(ここで休む。最初、ここを1575m標高点かと思っていた)

ツツジは一旦終わった。ほっとした。これで集中して歩ける。1575mまでさほどでもないし、その先はすぐに茶ノ木平のハイキングコースに出る。
だが、間もなく次の町内会のツツジ祭りに出くわした。これもまたすごい。月並みな言葉で記せば半端なし。これではいつまで経ってもきりがなく、日陰の小ピークで一服入れて眺める。草花の美しさを言葉巧みに表現できない自分が何とももどかしくなる。美しい、きれい、乱舞しかないのである。可憐も、愛らしい、楽しいもどう使い分けるかも知らない。だからといって、写真での表現もおぼつかない。これではどうしようもないか。
でんさんが見た田沢奥山のツツジは、これ以上にもきれいだったのだろうか。つい、自分で偶然に発見したスポットだっただけに、田沢奥山はこれ以下であることを願いたい。とはいっても、直に見ないことには比較のしようもないが。
(男体山が顔を出す。手前が1575mだろうと思ったが、あれは1625m)

(そして1575m標高点)

(左から。その1)

(その2.半月山の肩越しに社山の鋭鋒)

(その3)

休みながら後ろ(北側・進行方向)を振り向くと男体山がいつの間にか顔を出していた。手前のピークが1575mだろうか。ということは、さっきまでここが1575mと思っていたのは間違いだった。左を向くと、中禅寺湖スカイラインが見え、バイクのエンジン音が聞こえてくる。これはこれで、今日は騒音には聞こえてこないのが不思議。何でも許せるといった心地だ。
次第にお祭り騒ぎは静かになり、ちょっと登ると1575m標高点に到着。以前、ハイキングコースからここまで下ってみようかなと思ったことはあったが、ここの景色は、この手焼沢左岸尾根の展望地としては随一だ。半月山、男体山もさることながら、中禅寺湖、日光白根、手前に社山まで遠望できる。左手には長々としたオロ北台地、塔の峰。かすかに皇海山。余計な樹もない。これはいい。茶ノ木平の、正面にどかーんと男体山が鎮座する景色よりも何倍も楽しめることか。まさに秀逸だ。
(下って登るとハイキングコースだ)

(お祭りの余韻が続く)

(1575mを名残惜しく振り返る)

(ハイキングコースに合流する)

一旦、下って1575mを振り返る。ここ、また来ないとなぁ。紅葉の時期はどうかなぁ。今だからいいのかなぁ。
花の色は消え、登りにかかると、あっ気なく、ロープの回されたハイキングコースに出た。<半月峠>の標識が置かれていた。ここは記憶がある。手焼沢から上がって、茶ノ木平に出て、戻って長手沢に下る時にここのロープを越えた。向きを変えれば、長手沢は左方向。左岸尾根は直進だ。
(色の付いたものは視界にまったく入らない。違和感のある世界になっちまった)

(茶ノ木平から。ストレート過ぎる。さすが、裾野からの写真は出したくない)

(さっきの眺めの方が良かった)

ハイキングコースを茶ノ木平に向かう。本当に殺風景な景色が続く。ピンク、赤の色はまったく目に付かない。オニイチャン2人とすれ違う。
茶ノ木平で定番の景色を眺めながら休む。ここから見る男体山は、自分にはまったくの風情なしだ。かろうじて、日光白根の景色がといったところ。犬連れのファミリー3人が中禅寺湖の方から上がって来た。黒いブランド犬。尻尾を振って、こちらに気をとられている。手招きすれば、頭を下げて来るだろう。
ここまで3時間か。お祭り騒ぎに気がそぞろになっていなかったら2時間半もかからなかったかもしれない。軽く腹ごしらえをして細尾峠に向かうことにする。
道に迷ってしまった。ちょっと戻ると、ロープが張られて、細尾峠方面には行けなくなっている。無視して、入ってみると、道は消えた。ヤブの中をしばらく徘徊した。方向感覚がおかしくなった。困ったなと思っていると、道が現れてほっとした。冷や汗をかいた。東に辿ると、さっきのロープの出口の、ここもまたロープが張られているところを通過し、ようやく分岐の道標が現れた。「細尾峠2.6km」とあった。もう一方向は「明智平1.9km」。
(細尾峠方面。ヤブに分け入るといった感じだ)

(テープのヒラヒラが頼りだ)

(足元に三角点があり、標識も立っているのだが)

歩く人もいないのか、踏み跡はササの葉で隠され、遠くから目を凝らさないとわかりづらいし、垂れたテープが頼りでもある。ササに覆われた1617.8m三角点を通過。この先、依然としてササに隠された道は続き、注意深く歩くが、やがて傾斜がゆるくなってから、ようやく明瞭な道筋が出てくる。この細尾峠道はいずれ廃道の運命だろう。反対側の薬師岳方面の賑やかさに比べると対照的過ぎだ。
(ヤブはまだまだ続く)

(篭石の石仏)

ふたたびツツジが出てくる。ここもまたいいが、第三弾とまではいかない。まばら。自分のような、お祭り騒ぎが苦手な性分にはちょうどいい雰囲気で、むしろ、歩程を遅らせ、ゆっくり愛でながら歩けるレベルが手ごろというところかもしれない。気持ちが安らんだところで篭石の石仏に到着。
石仏はひっそりと佇んでいらした。ここまで、樹に打ち付けられた修験道のお札を目にし、細尾峠にもあったのだが、不思議にここにはない。後ろの積み重ねのような石、あれが篭石の由来だろうか。
(1453m標高点まで行ってみる)

(1453m標高点)

ツツジがまたせわしなくなり、コースから外れて1453mまで行ってみた。その先、北東に下る尾根伝いに、ツツジはさらに深まっていた。道型が続いている。ここを下ればいろは坂。歩く人もいるのだろうな。
元に戻って踏み跡を下る。ショートカットでもしようものならコースを踏み外す。ツツジは名残惜しげにまだ続くが、1350mで消え、元の殺風景な景色に戻った。静かだ。瞬間、春ゼミの鳴き声が聞こえた。長くは続かず、すぐに終了。そろそろ、そんな時期か。暖かくなれば、一気に暑くなる。季節の移ろいが極端になった。しかし、この暑さ、ここは風もなくダラダラ汗になり、帽子を脱いで、頭に手ぬぐいを巻き付けた。
(次第にはっきりとしてきた)

(薬師岳)

正面に薬師岳が見えてくる。お札を7枚も打ち付けた樹を見て、右に電線の鉄塔。これが、出だしの左岸尾根を通っているのだろう。ハイカー1人とすれ違う。大方、薬師岳方面に行ってのついでではないだろうか。細尾雨量観測所を通過。
すっきりとヤブが刈られた電線が通っている尾根筋が右に見えた。電線は尾根からは外れている。本日第二の難点を解消するための策が、実は、ここからの尾根を南南西に下り、細尾峠道路に入り込む作業林道を突っ切り、さらに南西に下って長手沢に下りる案であった。
ここで、早速、尾根を下ってもいいが、けじめとして細尾峠に出ることにしよう。そこから尾根に戻ってもたかがしれた歩きだろう。
(細尾峠。車はあれど、人の姿は見えない)

(まずはあの尾根に乗る)

細尾峠には車が12~13台見えた。薬師のツツジも満開だろう。当初予定で、ついでに薬師のツツジを愛でるつもりでもいたが、それ以上の光景を目にしたから、ここは悩むこともなくパス。
一旦、車道を歩き、すぐに手ごろなところから尾根に向かう。「水準点」標識のところから入った。踏み跡がかすかにあった。窪地を越えて、尾根に乗る。
(半月山の手前の尾根、あれが本日の手焼沢左岸尾根)

(小尾根を下る)

尾根を下ると、右手に半月山が見え、手前に今日の手焼沢左岸尾根が見える。ややなだらかな尾根だったが、こうして見ると、やはりそのままの形状をした尾根だ。鉄塔を通過。ここでどうするか迷う。このまま電線の下を通ってもいいが…。果たしてすんなりと長手沢に出られるものやら。ここは誘惑を我慢して、尾根を先に下る。
(小尾根はここで寸断されている)

(なおも下る。本日最後のツツジかも)

土でむき出しの斜面を危なっかしく下って作業林道に出る。ここはそのまま目の前の尾根の延長を下る。ヤブっぽくなったが、障害もなく問題なく下れる。そしてまた鉄塔通過。この先、たいした距離でもない。長手沢まではもう少しだ。沢音も聞こえている。左下の派生沢に砂防ダムのようなものが見える。
(左下の沢に逃げる)

(長手沢に着いた)

このまま、尾根が静かに長手沢に到達することを期待したが、そんなに甘くはなかった。尾根は長手沢真上でストーンと切れていた。ここは右斜面を下るのが正解だったようだが、左の沢ばかりが頭にあったため、右を確認する余裕もなく、そのまま左下に下った。この沢から長手沢に出るといった算段だ。沢には危なげなく下れた。
不安定な沢だった。石も滑る。浮石も多い。今日はただのトレッキングシューズだ。かなり緊張しながら下って、長手沢に着地した。ほっとして一服。振りかえる。左を見ると、何だ、尾根はあっちから簡単に回り込んで下れるのかとがっくり。
(できるだけ沢の脇を通るようにした)

(ここで周回完了)

水量が少ないためか、水に濡れることはなかったが、右に渡ったり、左に戻るの繰り返し。なかなか先に進まない。沢靴までとはいかなくとも、安いズックでも持ってきて、履き替えて、水に入ればどんなに快適だったろう。でも、ズックは滑るか。
手焼沢との合流点に到着。しばらく休んだ。サルが斜面を上がっていき、石をカラカラと落とした。沢で顔を洗い、手拭いに水を浸して身体を拭く。なかなか気持ちがいい。できるなら、このまま沢で全身を沈めたい気分だ。ここで改めて一服。
(国道を駐車場に。橋を渡ってすぐ右だ。とにかく暑い)

また地蔵滝を見て、駐車場に戻る。5時間半か。少なくとも7時間はかかると思っていた。早い方なら4時間半もかからずだろう。
連休だ。せわしなく車が通る。それにしても暑い。車の気温計は28℃の表示になっていた。
今日の手焼沢左岸尾根、いつものオタク系のたいした尾根ではないと思っていた。下部分は確かにそうではあったが、本尾根に入ってからはとても気分よく歩けた。そして、思わぬツツジ祭りに出くわした。ツツジがなかったらどうだろう。それは判断できかねる。ただの単調な尾根かもしれない。
この尾根、急なところはまったくなく、のんびり歩きには最適だ。つまりいやし系の尾根といったところか。ことに1575m標高点は楽しむに値するピークで、ハイキングコースからの立ち寄りならあっさりとも行けるだろう。少なくとも、茶ノ木平からの展望よりも格段にいい。
今度は別ルートで歩いてみようか。地図を見る限り、作業林道の末端から西に向かえば1575mに出られそうだ。そして逆コースでの下りか。
日足トンネル足尾側入口駐車場(7:18)……長手沢手焼沢合流点・取り付き(7:23)……1155m標高点(7:57)……本尾根合流(8:24)……1575m標高点(9:52)……ハイキング道合流(10:03)……茶ノ木平(10:19~10:33)……1617.8m三角点(10:53)……篭石の石仏(10:58)……細尾峠(11:48)……作業林道(12:00)……長手沢(12:18)……手焼沢合流(12:28~12:39)……駐車地(12:45)
昨夜までは小法師岳に行くつもりでいたが、朝起きたら、予定変更で、手焼沢と長手沢との中間尾根を登りたくなった。
この中間尾根、一昨年にハイトスさんと手焼沢、長手沢で水遊びをした際、その下調べの地形図で目に付いた尾根で、以来、課題というほどのたいしたものではないが、いずれ歩かねばなぁと思ってはいた。沢遊びの現地に行って確認すると、見た目、ゴツゴツとして険しそうで、無理かなと、その時は躊躇していたが、見てしまった以上、あきらめ切れずにいた。
今日、帰宅してからGPS軌跡を見ていると、手焼沢を遡行した際の沢筋は1130mあたりから北上している。狙い通りに歩いた尾根もまたこれに平行している。といったところから、この中間尾根は「手焼沢左岸尾根」と称してもいいのではないだろうか。長手沢と手焼沢合流点から1155m標高点、1575m標高点を経由して茶ノ木平に至る尾根である。
問題点が二つほどあった。一つは、この尾根、末端からストレートには入れず、1155mの先で小尾根を登って、本尾根に乗り換えなきゃならないこと。そこでまごつかなければいい。二つ目は、下りの細尾峠から日足トンネルに至るまで、まさか延々と車道歩きをするわけにもいくまい。以前、峠まで車が入れずに、トンネル前に駐車して歩いたことがあるが、細尾峠道路は下に来てしばらく105号線と平行し、国道に出てからかなり戻る。その間の神子内川は渡ることができない。これは現地の状況を確認しながらのショートカットをすることにしよう。
黒沢入口にも日足トンネル前にも車はなかった。帰りも同じ。ここのところ暑い日が続いているが、まだ沢歩きの時期は早いということだろうか。少なくとも、先日の畑の沢、今倉沢の水は冷たくはなかった。
出発前にカップラーメンを食べる。ポットの湯を誤って左太ももにかけてしまい、軽いやけどをしてしまった。ジャージのパンツの上からだったため、始末も悪かった。熱も逃げずにしばらくもがいた。これではどうも幸先がよろしくない。今日は注意しないといけないなぁ。
(日足トンネル)

(地蔵滝)

(ハイトスさんの沐浴場)

(手焼沢左岸尾根の突端)

トンネルの管理施設の脇には「関係者以外の立ち入り禁止」の看板があった。この場合、無視しないとその先に進めない。金属製の渡しを伝って、左に地蔵滝を見、堰堤を越えて沢に下りる。沢の水は少なく、石伝いに対岸に渡れた。渡ってすぐに取り付きの尾根が張り出している。近くには壊れた滑車がいまだに垂れ下がっている。
(取り付いて間もなく振り返る)

(上に鉄塔というか電柱というか)

早速、尾根に取り付く。見た目ほどの急さはなかったが、こんな状態がずっと続いたら、まいるなぁといった感じの印象のあまりよくない尾根で、ところどころヤセてもいる。そのうちに、踏み跡のようなものが右手の脇から入り込んだ。シカ道ではなく、確実に人間の道。やがて踏み跡は明瞭になる。枯れたササが刈り払われている。尾根も次第に普通の尾根の雰囲気に近づいてくる。
電線を引っ張った鉄塔が上に見えてきた。踏み跡もそこまでだろう。鉄塔に立つと、この電線は細尾峠の方から延び、国道に沿って下っているようだ。この電線、地図にはしっかりと出ていた。
(尾根筋は明瞭だが、以前はかなりのヤブ尾根だったのではなかろうか)

(右のピークをトラバースしている)

(1155m標高点付近)

尾根型明瞭、ツツジがちらほら。濃い系のツツジで、何とかツツジではないのかと、敢えて名前を出したら笑われそうで、ここでは控えておこう。よく見ると、しおれ加減で、もう終盤のようだ。さて、踏み跡は細くなったとはいえ、しっかりと上に続いていた。樹にペンキもつけられている。今でこそ歩く人はいないだろうが、以前はよく歩かれた尾根なのかもしれない。工事用なのかハイカーなのかは定かではない。まぁ、ハイカーは歩くまい。足尾の山の、こんな微末な尾根にこだわるのは、自分を含めて、全国に数人だろう。
水道管のパイプのようなものが埋め込まれていたり、たき火をした跡も見かける。周囲のササはかなり枯れていて、その間に踏み跡が続く。1155m標高点らしきところに到着。それにしても、このササの枯れは何だろう。これは後で知ることになる。
(一旦下って、沢に出る。正面に本尾根。右と左に派生尾根がある)

(右手の派生尾根に出る)

ササの間を下って行く。古い目印テープをいくつか見かけるようになる。うっとうしくはない。良識的な付け方だ。今度はピンクのツツジが出てくる。この尾根ではこの程度かもしれないなぁなんて思っている。左手の樹間越しに半月山の駐車場が見えてきた。
そろそろ尾根の乗り越えではないだろうか。正面に小尾根が見える。一旦、あれに乗ればいいのだろうが、鞍部に着くと、左手に向かって、沢筋に踏み跡が続いている。そして、その左上にも小尾根が出てくる。いずれの尾根を登っても、本尾根には合流するとは思うが、踏み跡を辿った方がむしろ楽かもしれない。
シカの墓場のような小沢で、いくつも骨が転がっていた。その沢、結局は先で行きづまり、踏み跡も消えた。少し戻って、右の小尾根に乗ることになった。最初から登っていた方が楽だったろう。
開けた小尾根だ。ドリンクのビンが転がり、ここのササもまた枯れていた。正面に本尾根が見える。この本尾根、地図を見る限りは出どころ不明のようなところがあり、起点から登るとなると、長手沢の方から迂回しないといけないようだ。
(そして本尾根に乗る)

(左に半月山の駐車場が見える)

本尾根に合流。ここにもパイプが埋められている。今度は頭が赤く塗られている。工事か作業の目印なのだろう。ようやく、期待はしていなかったが、気持ち良さげな、なだらかで広い尾根になった。それでいて、尾根型ははっきりして、迷いそうな感じもない。
先に行くと、白い杭に手書きの字が記されている。「除草剤区」とあった。そういうことか。この辺は、除草剤をヘリか人手で一斉に散布したのだろう。そのためにササも枯れたということか。勝手な想像かもしれないが、もしかすると、秩父のスズタケの絶滅もその口かもしれない。行政は随分と荒っぽいことをするものだ。ある意味、シカの被害がそこまで来ているということだろう。確かに、今回の歩き、珍しくも最後までシカを一頭もみることはなかったし、声を聞くこともなかった、サルは何頭も見たが。余談だが、「除草剤区」の字を見た瞬間、ベトナム戦争時の米軍の枯葉剤をすぐに連想してしまった。
(特徴のない尾根といえばそれまでだが、静かでなだらかな尾根だ)

(振り返る。自然林の疎林尾根ともいえる)

ササの枯れ立ちが目に付かなくなり、次第に見晴らしのいい尾根歩きになった。谷越し左の半月山も大きくなる。のどかだ。鳥のさえずりが聞こえてくる。
気温は次第に高くなっているようで、かなり汗ばんできた。心地よい風が標高が上がるに連れて涼しさになってくる。ツツジの花びらが落ちていた。やはり、ツツジはここも終わりか。まっ、いいか。別にツツジを見に来たわけでもない。ササの青味が次第に出てきた。除草剤からまぬがれたエリアだろうが、この辺のササはシカが食べ尽くしたようで、ヤブにもなっていない。
(この辺からツツジが出てきた)

(その1)

(その2)

(その3)

(半月山をバックにして)

いい感じの尾根だなぁなんて思いでずっと歩いている。1400mを過ぎ、そろそろ1450m。ふと、ピンクの群がりが先に見えた。ツツジがあちこちで乱舞していた。これはすごいや。期待もしていなかっただけに、突然のツツジの群生に驚いた。やはりこの時期だ。山でツツジを見ないことには。今日あたり、細尾峠のあちら側のツツジも満開だろうか。だが、薬師から地蔵、薬師から三ノ宿までの尾根のツツジすらこれほどのものでもないだろう。人知れずの地味な尾根。えらく得をした感じになった。あっちに行ったり、こっちに行ったりと、先に進まなくなってしまった。
ツツジの街道はだらだらと続いた。尾根の樹も少なくなったのか、見晴らしも次第によくなり、白い山々が左に見える。あれは日光白根の方だろう。
(そしてまだ出てきた)

(だらだらとその4)

(その5)

(こんなところもあるが、尾根の変化は少ない)

(ここで休む。最初、ここを1575m標高点かと思っていた)

ツツジは一旦終わった。ほっとした。これで集中して歩ける。1575mまでさほどでもないし、その先はすぐに茶ノ木平のハイキングコースに出る。
だが、間もなく次の町内会のツツジ祭りに出くわした。これもまたすごい。月並みな言葉で記せば半端なし。これではいつまで経ってもきりがなく、日陰の小ピークで一服入れて眺める。草花の美しさを言葉巧みに表現できない自分が何とももどかしくなる。美しい、きれい、乱舞しかないのである。可憐も、愛らしい、楽しいもどう使い分けるかも知らない。だからといって、写真での表現もおぼつかない。これではどうしようもないか。
でんさんが見た田沢奥山のツツジは、これ以上にもきれいだったのだろうか。つい、自分で偶然に発見したスポットだっただけに、田沢奥山はこれ以下であることを願いたい。とはいっても、直に見ないことには比較のしようもないが。
(男体山が顔を出す。手前が1575mだろうと思ったが、あれは1625m)

(そして1575m標高点)

(左から。その1)

(その2.半月山の肩越しに社山の鋭鋒)

(その3)

休みながら後ろ(北側・進行方向)を振り向くと男体山がいつの間にか顔を出していた。手前のピークが1575mだろうか。ということは、さっきまでここが1575mと思っていたのは間違いだった。左を向くと、中禅寺湖スカイラインが見え、バイクのエンジン音が聞こえてくる。これはこれで、今日は騒音には聞こえてこないのが不思議。何でも許せるといった心地だ。
次第にお祭り騒ぎは静かになり、ちょっと登ると1575m標高点に到着。以前、ハイキングコースからここまで下ってみようかなと思ったことはあったが、ここの景色は、この手焼沢左岸尾根の展望地としては随一だ。半月山、男体山もさることながら、中禅寺湖、日光白根、手前に社山まで遠望できる。左手には長々としたオロ北台地、塔の峰。かすかに皇海山。余計な樹もない。これはいい。茶ノ木平の、正面にどかーんと男体山が鎮座する景色よりも何倍も楽しめることか。まさに秀逸だ。
(下って登るとハイキングコースだ)

(お祭りの余韻が続く)

(1575mを名残惜しく振り返る)

(ハイキングコースに合流する)

一旦、下って1575mを振り返る。ここ、また来ないとなぁ。紅葉の時期はどうかなぁ。今だからいいのかなぁ。
花の色は消え、登りにかかると、あっ気なく、ロープの回されたハイキングコースに出た。<半月峠>の標識が置かれていた。ここは記憶がある。手焼沢から上がって、茶ノ木平に出て、戻って長手沢に下る時にここのロープを越えた。向きを変えれば、長手沢は左方向。左岸尾根は直進だ。
(色の付いたものは視界にまったく入らない。違和感のある世界になっちまった)

(茶ノ木平から。ストレート過ぎる。さすが、裾野からの写真は出したくない)

(さっきの眺めの方が良かった)

ハイキングコースを茶ノ木平に向かう。本当に殺風景な景色が続く。ピンク、赤の色はまったく目に付かない。オニイチャン2人とすれ違う。
茶ノ木平で定番の景色を眺めながら休む。ここから見る男体山は、自分にはまったくの風情なしだ。かろうじて、日光白根の景色がといったところ。犬連れのファミリー3人が中禅寺湖の方から上がって来た。黒いブランド犬。尻尾を振って、こちらに気をとられている。手招きすれば、頭を下げて来るだろう。
ここまで3時間か。お祭り騒ぎに気がそぞろになっていなかったら2時間半もかからなかったかもしれない。軽く腹ごしらえをして細尾峠に向かうことにする。
道に迷ってしまった。ちょっと戻ると、ロープが張られて、細尾峠方面には行けなくなっている。無視して、入ってみると、道は消えた。ヤブの中をしばらく徘徊した。方向感覚がおかしくなった。困ったなと思っていると、道が現れてほっとした。冷や汗をかいた。東に辿ると、さっきのロープの出口の、ここもまたロープが張られているところを通過し、ようやく分岐の道標が現れた。「細尾峠2.6km」とあった。もう一方向は「明智平1.9km」。
(細尾峠方面。ヤブに分け入るといった感じだ)

(テープのヒラヒラが頼りだ)

(足元に三角点があり、標識も立っているのだが)

歩く人もいないのか、踏み跡はササの葉で隠され、遠くから目を凝らさないとわかりづらいし、垂れたテープが頼りでもある。ササに覆われた1617.8m三角点を通過。この先、依然としてササに隠された道は続き、注意深く歩くが、やがて傾斜がゆるくなってから、ようやく明瞭な道筋が出てくる。この細尾峠道はいずれ廃道の運命だろう。反対側の薬師岳方面の賑やかさに比べると対照的過ぎだ。
(ヤブはまだまだ続く)

(篭石の石仏)

ふたたびツツジが出てくる。ここもまたいいが、第三弾とまではいかない。まばら。自分のような、お祭り騒ぎが苦手な性分にはちょうどいい雰囲気で、むしろ、歩程を遅らせ、ゆっくり愛でながら歩けるレベルが手ごろというところかもしれない。気持ちが安らんだところで篭石の石仏に到着。
石仏はひっそりと佇んでいらした。ここまで、樹に打ち付けられた修験道のお札を目にし、細尾峠にもあったのだが、不思議にここにはない。後ろの積み重ねのような石、あれが篭石の由来だろうか。
(1453m標高点まで行ってみる)

(1453m標高点)

ツツジがまたせわしなくなり、コースから外れて1453mまで行ってみた。その先、北東に下る尾根伝いに、ツツジはさらに深まっていた。道型が続いている。ここを下ればいろは坂。歩く人もいるのだろうな。
元に戻って踏み跡を下る。ショートカットでもしようものならコースを踏み外す。ツツジは名残惜しげにまだ続くが、1350mで消え、元の殺風景な景色に戻った。静かだ。瞬間、春ゼミの鳴き声が聞こえた。長くは続かず、すぐに終了。そろそろ、そんな時期か。暖かくなれば、一気に暑くなる。季節の移ろいが極端になった。しかし、この暑さ、ここは風もなくダラダラ汗になり、帽子を脱いで、頭に手ぬぐいを巻き付けた。
(次第にはっきりとしてきた)

(薬師岳)

正面に薬師岳が見えてくる。お札を7枚も打ち付けた樹を見て、右に電線の鉄塔。これが、出だしの左岸尾根を通っているのだろう。ハイカー1人とすれ違う。大方、薬師岳方面に行ってのついでではないだろうか。細尾雨量観測所を通過。
すっきりとヤブが刈られた電線が通っている尾根筋が右に見えた。電線は尾根からは外れている。本日第二の難点を解消するための策が、実は、ここからの尾根を南南西に下り、細尾峠道路に入り込む作業林道を突っ切り、さらに南西に下って長手沢に下りる案であった。
ここで、早速、尾根を下ってもいいが、けじめとして細尾峠に出ることにしよう。そこから尾根に戻ってもたかがしれた歩きだろう。
(細尾峠。車はあれど、人の姿は見えない)

(まずはあの尾根に乗る)

細尾峠には車が12~13台見えた。薬師のツツジも満開だろう。当初予定で、ついでに薬師のツツジを愛でるつもりでもいたが、それ以上の光景を目にしたから、ここは悩むこともなくパス。
一旦、車道を歩き、すぐに手ごろなところから尾根に向かう。「水準点」標識のところから入った。踏み跡がかすかにあった。窪地を越えて、尾根に乗る。
(半月山の手前の尾根、あれが本日の手焼沢左岸尾根)

(小尾根を下る)

尾根を下ると、右手に半月山が見え、手前に今日の手焼沢左岸尾根が見える。ややなだらかな尾根だったが、こうして見ると、やはりそのままの形状をした尾根だ。鉄塔を通過。ここでどうするか迷う。このまま電線の下を通ってもいいが…。果たしてすんなりと長手沢に出られるものやら。ここは誘惑を我慢して、尾根を先に下る。
(小尾根はここで寸断されている)

(なおも下る。本日最後のツツジかも)

土でむき出しの斜面を危なっかしく下って作業林道に出る。ここはそのまま目の前の尾根の延長を下る。ヤブっぽくなったが、障害もなく問題なく下れる。そしてまた鉄塔通過。この先、たいした距離でもない。長手沢まではもう少しだ。沢音も聞こえている。左下の派生沢に砂防ダムのようなものが見える。
(左下の沢に逃げる)

(長手沢に着いた)

このまま、尾根が静かに長手沢に到達することを期待したが、そんなに甘くはなかった。尾根は長手沢真上でストーンと切れていた。ここは右斜面を下るのが正解だったようだが、左の沢ばかりが頭にあったため、右を確認する余裕もなく、そのまま左下に下った。この沢から長手沢に出るといった算段だ。沢には危なげなく下れた。
不安定な沢だった。石も滑る。浮石も多い。今日はただのトレッキングシューズだ。かなり緊張しながら下って、長手沢に着地した。ほっとして一服。振りかえる。左を見ると、何だ、尾根はあっちから簡単に回り込んで下れるのかとがっくり。
(できるだけ沢の脇を通るようにした)

(ここで周回完了)

水量が少ないためか、水に濡れることはなかったが、右に渡ったり、左に戻るの繰り返し。なかなか先に進まない。沢靴までとはいかなくとも、安いズックでも持ってきて、履き替えて、水に入ればどんなに快適だったろう。でも、ズックは滑るか。
手焼沢との合流点に到着。しばらく休んだ。サルが斜面を上がっていき、石をカラカラと落とした。沢で顔を洗い、手拭いに水を浸して身体を拭く。なかなか気持ちがいい。できるなら、このまま沢で全身を沈めたい気分だ。ここで改めて一服。
(国道を駐車場に。橋を渡ってすぐ右だ。とにかく暑い)

また地蔵滝を見て、駐車場に戻る。5時間半か。少なくとも7時間はかかると思っていた。早い方なら4時間半もかからずだろう。
連休だ。せわしなく車が通る。それにしても暑い。車の気温計は28℃の表示になっていた。
今日の手焼沢左岸尾根、いつものオタク系のたいした尾根ではないと思っていた。下部分は確かにそうではあったが、本尾根に入ってからはとても気分よく歩けた。そして、思わぬツツジ祭りに出くわした。ツツジがなかったらどうだろう。それは判断できかねる。ただの単調な尾根かもしれない。
この尾根、急なところはまったくなく、のんびり歩きには最適だ。つまりいやし系の尾根といったところか。ことに1575m標高点は楽しむに値するピークで、ハイキングコースからの立ち寄りならあっさりとも行けるだろう。少なくとも、茶ノ木平からの展望よりも格段にいい。
今度は別ルートで歩いてみようか。地図を見る限り、作業林道の末端から西に向かえば1575mに出られそうだ。そして逆コースでの下りか。
いや、そんなことはどうでも…。わざわざ。
野門沢、やはりこの時期ですね。釣り人ですか。
足尾の沢では、まだ釣り人の姿を見かけていませんよ。
下からずっと上がって行くとなれば、堰堤巻きは仕方がないかもしれませんね。
結構、荒れた沢なんでしょうね。だから、変化に富んだ歩きになるといったところでしょう。
ごめんなさい、鈴鹿山系(山の名前言ってた様でしたが忘れました)の話の人が”静岡”の方でした.
野門沢、下、中流部は釣り屋さんが多いですよね.堰堤も巨大なものから、巻くのに大変な物までありますので、中々変化に富んでいます(笑)
元々、ツツジ見物ではなかったのですが、ラッキーでした。まさに一人占めといったところですね。
実は今日もまたツツジを追いかけるような形になってしまい、ツツジに気をとられて、歩程が遅くなるのも困ったものだと思っております。
子持山のツツジは有名じゃないですか。鈴鹿ではそんなものではないと。きっと、どこまでも爛漫といった感じなのでしょう。見てみたいものです。
ちなみに、鈴鹿は三重県かと。
大事沢ですか。以前、布引滝に行った際、次は野門沢を歩いてみようかと、立場にもないことを考えたものですが、それっきりになっております。後で拝見いたします。
風の便りで関西遠征の件は存じておりましたが、その間、こんなしがない尾根やら沢筋を歩いておりましたよ。
今日もまた、同じようなことをやっておりました。
関西紀行は、後でじっくりと拝見いたします。やはり、まずは百名山ですよね。私、そちら方面、2つ程行きたい山があって、奈良ですがね、夜行バス利用ででも行ってみようかなとずっと思っているのですが、なかなか。
今回の尾根、本当にまたまたのアタリでした。ツツジもなかったら、ただの尾根で終わったかもしれません。
みー猫さんのコメントではありませんが、沢歩きの対象になる沢ですから、普通、一旦、また沢に戻ることは想定しませんよね。じっくりと地図を見て、後は現地対応の腹づもりでしたが、これもまたアタリでした。
毎年どうにか見てるんだけど、季節になるとやはり又見てみたいものです.
先日、子持山で鈴鹿(最初どこの地方か判らなかったけど静岡らしい(汗))の人と話をした時、その人が”(子持山のツツジと比較して)鈴鹿のツツジはこんなもんじゃない”と自慢げに話していましたが、たそがれさんのこれ見たらどう表現してくれるでしょうね(笑)
この近辺の沢は、今年も行けそうもありません.
一応、気にしてはいるのですけど・・・
昨日は野門の隣の沢で数々の堰堤見学をしてきました(笑) 但し、最奥にある滝は思ったより立派なものでした(←大事沢の滝マーク)
お久しぶりです。
近畿遠征その他諸々のうちに今倉沢、畑の沢、今回の手焼沢と立て続けですね。
沢といってもさすがに水遊びはまだのようですが、最近の気温を考えるとそれもいいかも。
今回の尾根ですが、そもそも去年にたそがれさんから聞かされていたので頭の中にはあったのですが、この時期の訪問でアタリでしたね。
こんな周回が出来るんだなぁと再認識。
どうしてもどちらかの沢と組み合わせてしまいますから。
「明日にでも」とうことでしたら「今日」のことですから、きりんこさんはお早い出発ですし、もう歩かれている頃でしょうかね。
そうですか。先取りというよりも、私は秋の予定ですから、下見がてらの記事拝見ということにいたします。
アキ爺さん氏の記録は、後であらためて拝見いたします。
そうですか。激ヤブでしたか。想像はつきますよ。私の場合はむしろ楽チンといったところでしたよ。激ヤブがあれほどの枯れたササになったわけですから、相当に散布したということでしょう。想像すると恐ろしいですよ。
あまり期待はされていなかったようですが、なかなか満足なお歩きができたようですね。確かに、アキ爺さんが2年くらい前に歩かれたようですが、前半は腰以上の笹藪こぎだったと聞いていましたので、除草したのはここ最近なのかも知れませんね。
実は私が狙っていたのは、たそがれさんが記事の最後に記されたところなのです。細尾峠を起点に周回しようかなと。アカヤシオに間に合うのなら、早速明日にでもなんて考えておりまして、もし先取りしてしまいましたらご容赦ください。
なるほど、瀑泉さん、今日は下中手沢から小丸山でしたか。いいっすねぇ。記事を楽しみにしておりますよ。どうせ押溜沢は無理でも、下中手沢は味わってみたいものだと思っておりますし、きりんこさん、雪田爺さん氏のレポにある古道(歩道)を見てみたいところですよ。
ついでに二子山でしたか。足繁く二子山ですね。まさか、続けて明日も行かれるということはないですよね。
ツツジの件、私、ちょっと大げさな表現をしてしまいましたかね。私の見事は、袈裟丸界隈のツツジに比べたらそこらの集落のお祭り程度かもしれませんよ。
きっと、瀑泉さんの見られたツツジは、三社祭くらいの咲きほこりだったのではないでしょうか。
それにしても,アカヤシオが見事ですネ。今日は,餅ヶ瀬から,チョッくら沢を詰めて,小丸山・二子山と回って来ましたが,どう考えても,此方の方が祭りでしたネ。
この、隠れ手焼沢左岸尾根狙いの方、続々と出てきましたねぇ。やはり、この尾根、どうしても目についてしまいますよね。
意外にも、自分一人ではなかったようで、苦笑いです。
こんなことを記すのもなんですが、ぶなじろうさんには、お好みの尾根かと思いますよ。
この尾根の紅葉はどんなものでしょう。まずはぶなじろうさんの下見でお願いしたいところです。ツツジには間に合わないようですから。
1453m標高点の尾根ですか…。日光側はどうも疎くて。でも面白そうですね。展望も良さげだし。
せっかくのGW。つぶれですか。天気がいい限りは呪いたくなるのではないでしょうか。
いや~、すごいお祭りでしたけど、田沢奥山との比較といったら、何ともいえませんね。自分の経験からしても、田沢奥山のツツジの盛りは、まったく接しておりませんから。
えっ、やはり通行止めですか。どうりで迷うわけですよ。ただ、下から上がって来る者は拒まずといった感じにはなっておりました。上から下る場合、私が見た明智平・細尾峠分岐のかなり手前、この展望地の手前に、明智平に向かう新しげな標識はありました。細尾峠は記されていなかったので、ここじゃないなと思いパスしたのですが。
実線と破線ですか?申しわけありません。深く考えたことはありませんでした。追々調べてみますよ。
「やられました」ですか。笑っちゃいます。こんなところの歩きを考える方が、まだいらしたとは。むしろ驚嘆ですよ。
アキ爺さん氏の記録にあるのですか。これもまた驚きですよ。気づかなかったなぁ。
これは昨日のお話で、ツツジ祭りもまだ2~3日は続くのではないでしょうかね。今季を逃すと、来年ですよ。とはいってもねぇ、本当にたまたまお祭りだったということで、計画的に行ったら、なんだまだかよの後の祭りになってしまうかも。
みー猫さんの出鼻をくじく形になりましたが、明日にでも行って来てください。
細尾峠からチャリですか。それもまたいいアイデアですが、こういったルートも考えられなくもないですから、みー猫さん風に料理してくださいよ。期待しております。
同上↑です。
以前の、皆様の沢の記録を見て、地図を確認した折、この尾根が目に入って、いずれはと思っていました。
1453の尾根も視野に入れていたのですが、なかなか実行に移せないでいます。
今年のGWは全く動きがとれない状況で、皆様の写真ブログを見ながら指をくわえております。
たそがれさんが見つけた○○ツツジ祭りとあれば奥田沢でもとうていかないません(笑)
今は明智平~茶ノ木平は通行できないようになったままではないですかね?
たしか明智第2トンネル脇から取り付くことも可能だったと記憶しています。
話はちょっと逸れてしまいますが
国土地理院の地図と照らし合わせながら読ませていただいてましたが
破線は登山道というのはわかるのですが、尾根を通る実線は何の記号なんでしょう?
例えば下りで利用された禅頂行者道や明智平に続く道は実線なんですよね。
ここは行こうと思っていたコース・・・確かアキ爺さんが歩かれてたような・・・細尾峠から自転車でと思っていたので画期的です。連休中は花がもつのかなぁ?オタク系かもしれませんが、いいもの見させていただきましたです。