うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

りんではなく、鐘を

2016年08月14日 | 真面目な日記

3年前、男は、葬儀場に居た。

祭壇はどれにするのか、列席者はどれほどか、

大方の事を決めて、ほっと一息ついた時、

葬儀屋は、穏やかな口調で男に聞いた。

「お父様は、どんな方だったか、少しお聞かせ願いますか?」と。

その質問に、男はうつむいて黙り込んだ。

 

7年前、私はこの男と

まるで、なし崩しのように同棲を始めた。

お互い、昔の事は、とやかく聞かず、

未来の展望も話し合う事もせず、

ただ、その今を共に過ごしていた。

一瞬漂わせる、深い傷を感じながら、

ただ、その今だけを見て過ごしていた。

しかし、時が過ぎていくうち、私は、ひとつ疑問が浮かんだ。

この男の眼はなんだろう?

穏やかに微笑む男の、感情のない眼はなんだろう?

夢破れた、諦めか。

未来への、不安か。

過去にとらわれた、恐怖か。

私は、その疑問とともに、言いようのない苛立ちも、覚え始めた。

あまりにも不器用な生き方しか出来ぬ男の、

感情を持たぬ微笑みに、どんどん苛立っていく。

何を言おうが、黙って微笑む男に、私はついに、

「どうせ、あんたは、いくら打っても鳴らない鐘だ。」

と、吐き捨てるようになっていった。

 

男の父親の葬儀を終えた後も、私は、やはり苛立っていた。

あの時、葬儀屋に父親の事さえ話せなかった事を、

責めるような口調で、問いただした。

すると、男は小さな声で、話し始めた。

「父は厳しい人でした。本当にそれしか思い付かない程、厳しい人だったんです。

だけど、そんな事を言ったら、悪口になってしまう。

だから、何も言えなくなってしまいました。」

 

男は、訥々と話を続けた。

「僕は、問題児でした。

当たり前の普通の事が、上手く出来なかったんです。

だから、父に酷く叱られました。

勉強が出来るだけでは、ダメだ。

ちゃんとした人間になれと、毎日毎日僕を叱りました。

お母さんは、それを見て、いつも泣いていたんです。

僕が、ダメで不器用で弱いから、

だから、お母さんを泣かせてしまったんです。

黙ってやり過ごす事しか出来ませんでした。

お父さんは、僕を見るのも嫌だったのだと思います。

だから、お父さんの病院に行くのも控えていたんです。

あなたには、本当に面倒を掛けて、すみませんでした。」

 

そう言って、男は悲しい眼で、やはり微笑んだ。

だが、私は、その男から、鐘が鳴る音が聞こえた気がした。

 

私は、男の父親を見送ったら、別れようと思っていた。

それほどに、私は苛立ちの限界にいたのだ。

しかし、男の鐘が響いた気がした私は、

思わず、言ってしまった。

 

「違う、黙っててごめん。

亡くなる前日に、

お父さんは、声にもならない声で必死に、

息子を、どうか、よろしくお願いいたしますって言ったの。

こんな私なんかに、何度も何度も丁寧に。

お父さんは、あんたの事ずっと案じてたと思う。」

 

この話を聞いた男は、一瞬驚いたような顔をして、

ゆっくり息を吐き、そして、やはり静かに微笑んだ。

その微笑む男からは、今度は鐘の音がはっきりと鳴り響いていた。

その音は、とても澄んでいて、優しくもあり切ない音だった。

私の心にまで痛いほど響き、

薄っぺらな固定観念が、錆のように剥がれていく感覚を覚えた。

そして、天にも届けと、祈るのだった。

 

 おはようございます。

そんな訳で、お盆ですね。

今日は、うめさんにお任せいたします。

 

うめ「今日は、心霊写真特集じゃよ」

 

 

パショコンに向かう、おかっぱの横にドロ~ンじゃよ

 

 

白いおのこの横にさりげなく、ドロ~ンじゃよ

 

 

こっちでも、さりげなくドロ~ンなんじゃよ

 

 

さらに、大胆にドロ~ンじゃ

 

 

草を食べておるのか?あたしゃお供えは、お刺身がいいのぉ

 

 

あたしゃ、見守っておるぞ

 

 

食べしゅぎるでないぞ!

 

 

このぉこのぉ、若き芽は潰してやるんじゃ、這い上がってこい!

 

 

大丈夫じゃからな!

 

 

あたしゃ、皆を見守っておるからな!

 

 

た・ぶ・ん。フフフフ~!