最近、プロ彼女なんて言葉を耳にするが、
要は、男性目線から見た完璧な彼女、
という意味なのだろうか?
おはようございます。
そんな事いうんだったらさ、
うちの姉ちゃんなんか、「プロ姉ちゃん」なんだぜ!
子供の頃、我が家は、ほとんど両親が不在だった。
居れば居たで、2人とも酒を飲みながら喧嘩ばかりしていた。
そもそも、ちょっと変わった両親だったから、
可笑しな言い方だが、
私は両親への接し方が分からなかった。
そんな私にとって、姉ちゃんは唯一の頼りだった。
あれは、うんと幼い頃。
公園でボケ~としている私に、変なおじさんが声を掛けてきた。
連れ去られそうになっているところに、
やって来ました、プロ姉ちゃん!
「おかっぱ、行くよ」そう叫びながら、手を引いて助けてくれたっけ。
そんな姉ちゃんが、家で勉強してる姿を見た事など、ほとんど無かったが、
姉ちゃんの成績は、常にトップレベル。
「私は、睡眠学習してんだよ」という姉ちゃん。
かっくいい~、そう思っている私に、
「明日は、6時に起こしてね、絶対だよ。
起きなかったら、叩いてでもいいかんね」と、
頼み事されるのも、嬉しかった。
で、叩いて起こしてみたら、
やってきました、プロ姉ちゃん!
「あのね、言葉のあやってもんがあるの。
ホントに叩いたら、ダメなんだかんね。」
そう、めちゃくちゃ怒りながら、社会の仕組みを教えてくれたっけ。
そんな姉ちゃんが、ある日不機嫌な様子で起きて来て、
「もうさ、怒れちゃう。」と言う。
どうしたの?
「幽霊っての?腹にどんどん乗ってくるから、
もういい加減にしなさいよって叱ってやったわ。」って。
やってきました、プロ姉ちゃん!
幽霊に、説教かまして、撃退しちゃったっけ。
女子高生になった私は、自転車通学だった。
それが面倒で、それだけの理由で学校を休もうかと思っている時、
やってきました、プロ姉ちゃん!
「丁度、私も大学行くから、送ってあげる、乗りな。」
そう言って、真っ赤なスポーツカーで、校門に横づけし、
チュルルーとタイヤを鳴らして去って行く、姉ちゃん。
学校内で、伝説になったっけ。
そんな姉ちゃんが、車で事故を起こしてしまった、あの日。
やってきました、プロ姉ちゃんの第一報!
姉ちゃんは、電話の向こうで、こう言った。
「フロントガラスを、頭で割っっちゃった。
痛み?痛いんだわ~。
ガラス割る時、ハンドルに太ももがぶつかったから、
太ももが、ちょっと痛い。」
姉ちゃん?痛いのは、太ももなの?頭じゃなくて?
この人は、不死身かもしれない、そう思ったっけ。
私が整体師として独立しようと、
新しい技術の練習を始めた頃、
とにかく練習させてくれる人が欲しくて困っていた時も、
やってきました、プロ姉ちゃん!
「私の友達とかでいい?一応、声掛けてみるね。」
そう言って、来てくれた人々の数ったら、ハンパ無い。
姉ちゃんの人脈の広さにおののきつつ、
自分の能力の限界を知る事が出来たっけ。
そんな姉ちゃんの助けもあり、無事独立した私は、
仕事中、突然病に倒れた。
朦朧とする意識の中で、必死に電話をかけたのも、やっぱり、
やってきました、プロ姉ちゃん!
私に付き添って、救急車に乗り、病院に着いてからも、
しっかり者の姉ちゃんは、常に先の事を考える。
「おかっぱの葬式写真、どうしよう。」と。
その後日談を聞いて、さすがや、姉ちゃんと感服したっけ。
そんなプロ姉ちゃんは、
今日も、どこかで、正義を胸に、歩いてゆく。
おたまの兄妹も、プロ姉ちゃんの子になったよな。
なっおたま?
君は、何をしているんだ?
おたま「毛づくろい、してるだよ」
おたま「ふー、出来上がりだぞ」
背中、ボッサボサですけど。
姉ちゃ~ん、たーすけて~!