つつつつつ・ついに
かかかかか・替えます。
給湯器。
おはようございます。
給湯器が壊れ始めてから、どれだけ経っただろう。
台所でお湯を使っている時は、
風呂場でお湯を使うな!
これが、我が家の決まり事だった。
この決まりを破ると、どの蛇口からも冷や水を
浴びせられていたものだ。
お湯を出せるのは、一回につき、イチ蛇口という事だ。
風呂が沸かしたければ、
他の如何なる蛇口からの湯を求めるな!
これも、我が家の決まり事。
これを破ってしまったら、
その日は、もう、
温かな湯とは、一切触れ合う事は叶わなくなる。
給湯器が、一旦へそを曲げたら、テコでも動かない。
カンカンに怒っているのだろうが、
だからって、燃焼はしない。
こいつは、そういうヤツなんだ。
沸かすか湯を出すか、この選択に、私は日々悩み、
時には、温かなシャワーを浴びているのに、
おじさんが洗面台で顔を洗おうと禁を破り、
私は、文字通り、冷や水を浴びせられて、
家庭内が、不穏な空気に包まれた事もあった。
家庭崩壊の危機だった。
それが、ついに先日、
給湯器は、うんともすんとも言わなくなった。
私は意を決して、メーカーさんに電話してみると、
すぐに来てくれた。
「修理しましょう」と言う、そのお兄さんに、
私は、またかと思ったんだ。
何度も修理に来てもらっているが、
調子が良くなった試しはない。
その都度、売ってくれと頼んでも、つれない返事ばかりで、
どれだけ欲しいと願っても、
なぜだか、私に売ろうとしないメーカーさん。
なぜだ?
なぜなんだ?
私は、こういう事を、よく経験している。
なぜか、欲しいものが手に入らないという経験だ。
これは!と思う物が、品切れ。
1度購入して気に入った物が、製造廃止。
1度切ってもらって、次も指名した美容師さんは、
寿退社だ。おめでとう!
そんな記憶が脳内を駆け巡った私は、
大きな声で、お兄さんに言ったんだ。
「私に、新しい給湯器を売ってください。
お願いだから、買わせてください。」てね。
で、お兄さんは、それでも修理してくれたんだ。
「12,000円です」と請求してくる、お兄さんに、
私は、今度こそ、縋りつくように言った。
「お願いします。新しい給湯器を売って下さい!」
そして、ようやく見積もってもらった金額に、目を皿にした。
高い!お高い!!
あんなに縋り付かんばかりに売れと言った私は、我も忘れて、
本当に、縋り付いてしまった。
「まけてーー。お願い、まけてーーー!」
別れと出会いには、痛みが伴う。
それを知った私だった。
おい、おたま!
明日、新しい給湯器が来るぞ。
バタバタするから、隠れていろよ。
おたま「おら、ここに避難するだ」
きくのお部屋にか?
おたま「いいよな、きく姉ちゃん?」
きく「だめーーー!」
だろうな。
きくさんや。
ちょっとバタバタするけど、大丈夫か?
君は案外、そういうのは、平気なタイプだっけな。
明日、給湯器の取り換え工事、していいかな?
きく「いいともー」
ふるっ!