朝、出勤前に実家に寄ってみると、
両親は、
録画しておいた映画に夢中だった。
おはようございます。
そう声を掛けると、父さんは言った。
「もうすぐ出てくるぞ」
えっ何が?何が?
「お前も観ろ。凄いぞ、ドラゴンが出てくるぞ」
父さんは、そう言いながら、
せっかくの映画を早送りしていた。
ちょっと待って!
内容を把握させて。どんな映画なの?
「知らん。内容は知らん。ドラゴンが観たいだけや。」
聞くところによると、
父さんは、この映画を見るのは3回目だそうだ。
だがしかし、内容は一切、分からないと言う。
ドラゴンが出てくる場面だけを、
ひたすら観てきたらしい。
そのおかげで、ドラゴンが出てくる場面を、
正確に記憶しているようなのだ。
なんか・・・映画の観方、斬新だね。
「ほい、ここや!出るぞーーー!!」
出た
なんか・・・映画の観方、それぞれだね。
その後、母さんは、悩む。
「これはよ、絶対2人入っておるぞ。
羽根をパタパタさせる人と、口を動かす人が。
あれ?手足を動かす人は、
羽根を担当しておる人がやっとるんか?
おい、おかっぱ?」
母さん、きっと、そうだよ!
いっぽう、我が家は
うんこにと買った、大きめの涼しげなベッドは、
最近、よねが入っておる。
それ以来、うんこは、決して、そのベッドへは入らない。
空いてる時は、入ればいいのにね。
おたま「うんこ姉ちゃんは、優しいんだぞ」
そうだな、うんこは優しいな。
お前は、もっとちゃんと、入れ!