うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

きくさんからの報告

2017年07月29日 | きくの事

今朝のきくさんは、

ウェットフードを完食できましたよ。

 

おはようございます。

ここへお越し下さる皆様につきましては、

ご心配頂き、祈って頂き、本当にありがとうございます。

皆様のお心、しっかと受け取り、

きくさん、回復に向かっております。

 

この度、きくさんを襲った病は、

肝リピドーシス(脂肪肝)と診断を頂きました。

この病は、比較的太った猫に起こりやすいそうですが、

もちろん太ってなくても、なる時は、なるのですね。

きくの今回の症状は、

・23日頃から、ご飯を残すようになり、少し元気が無いように見えた。

・25日は、歩行がおぼつかず、朦朧とした状態となり、首は斜頸していた。

 

この病は、何らかの原因で食欲が落ちて発症するのですが、

この何らかの原因が不明な事も少なくないそうです。

きくの場合は、年齢的に体のどこかが不全を起こしたのが原因ではないか、

との事でした。

院長いわく、

「まず、とにかく食べさせることが大事。

そこが上手くいかないと、あっという間に手遅れになるが、

どうしても吐いてしまうと、もうチューブを通すしかない。

入院して、一気に改善させるのが、最も望ましいけど、

この子の状態だと、もう入院しても・・・どうかな?

家に連れて帰ってあげた方が、いいのかも・・・」

 

私は、「この子に関しては、もう覚悟して連れて来てます。

今までも、病院は避けて暮らさせてきましたから。

せめて、何か少しでも楽になればと思って連れてきました」と伝えた。

院長は、それならと、脱水を改善させるための点滴を打ち、

一応、と薬を持たせてくれた。

 

猫に限らず、私だって病院は大嫌いだ。

我が家の他の猫達も、病院だぞ~っと言えば、さーっと逃げていくものだ。

しかし、きくの場合は、その比では無かった。

キャリーバッグを目にしただけで、パニックを起こしてしまう。

 

あれは、まだ、きくが若くて元気だった頃の事だ。

ある日、ワクチンに連れて行こうとして、

キャリーバッグに入れようとした時、

大暴れして部屋の隅まで逃げていき、

まるで自傷行為のように、壁に体を打ち付けながら、

聞いた事も無いような声で半狂乱で叫び続けた。

「きく、もう何もしないよ、大丈夫」と声を掛けても、

その行為はしばらく止まなかった。

このパニック症状は、病院へ連れて行く時だけでは無かった。

爪を切ろうと、補ていした時。

クローゼットに入ってしまい、無理に出そうとした時。

爪とぎに爪が引っ掛かって、それを取ってやろうとした時。

要するに、少しでも恐怖や不安といったストレスが掛かった時、

無理に体を触ろうとすると、この症状を引き起こしてしまうのだ。

こうなってしまうと、私は、尻込みしてしまう。

ショックで死んでしまうんじゃないかと怖くて手が出せないのだ。

病院へのストレスも、限界に達したのだろう。

あの時、私は「あぁぁ、通院も出来なくなったか」と落胆した。

 

元気なうちはいい。

しかし、病気になった時、どうするんだ。

連れて行くのか、連れて行かないのか。

きくにとって、どれが正解なのだろう。

 

そんな事を、ずっと考えながら過ごしてきたが、

気づけば、もう立派な老猫になっていた。

そして、25日、怖れていた事が起こったのだ。

私は、この状態なら、むしろ簡単に連れて行ける。

そう思ったが、それをして何になるんだろうとも思った。

何もしなければ、きっと、きくは数日で逝ってしまうだろう。

それ程の状態に見えた。

何もしないという、守り方があってもいい。

きくの最期を、きくの体に全権任せたっていいじゃないか。

私は、そう思いながらも、

恐る恐るキャリーバッグをきくに見せながら言ってみた。

「きく、病院・・・行くか?」

すると、きくは焦点の合っていない目ですら、私を見た。

そしてヨレヨレと歩いて来て、キャリーバッグに自ら入って行く。

 

驚きながらも、きくを病院へ連れて行く道すがら、

それでも、私は希望など持っていなかった。

病院で、採血をするために、補ていされても、

もう、きくは何の抵抗も出来ずにいた。

ただ、私が「きく?」と声を掛ければ、

必ず、きくは私の方へ顔を向けて、私をしっかりと見た。

しかし私は、懸命に耐えるきくを見ながらも、

帰りの車中では、完全に諦めていた。

 

家に着くと、きくは、もうグッタリしていて、

動く事は無かった。

薬を混ぜたご飯を、目の前に置いてみたが、

一口も食べずに寝ている。

「もういいんだ。もう頑張らんでいい。きく」

そう声を掛けると、きくは、やっぱり、私をしっかりと見た。

 

こんな時でも、私が呼ぶと、きくは必ず私を見る。

きくは、15年間、いつもそうだったよなぁ。

 

そんな事を、きくを眺めてながら、しばらく考えた。

考えながら、何度かきくを呼ぶと、やっぱり、きくは私を見る。

 

そうか、そうだ。

きくは、生きている限り、生きている事を諦めていない。

生きている限り、生きている事を止めようとはしない。

それなのに、

私ときたら、まだ何も試していない段階で諦めてどうすんのーーー?

ばかーーーん!!

 

という事で、強制給仕が始まった。

こんな無理強い、誇り高いきくが許すわけない。

そう思いながら、食べさせてみると、

上手に食べるではないか。

「ゴーニャゴーニャ」文句言いながらも、

上手に食べる。

必死に食べる。

その姿が、あまりにも健気で、可愛くて、

私は、ぼとぼと涙を落としながら給仕をしていた。

すると、日に日に、元気になって行き、

きくらしさが戻ってきた。

 

肝リピドーシスにとって、最初の7日が勝負だそうで、

そこは、なんとか乗り切った模様です。

 

きく「私を見殺しにするつもりだったな、このメス豚め」

いや、そういうつもりじゃ無いんだってばさ~。

 

きく「勝手に諦めやがったな、このへっぽこメス豚ゴリラめ」

いや、だって、ほら、へっぽこだもんで。

 

きく「謝れ!土下座して謝れ!」

ごめんごめん、ごめんなさい。

 

きく「皆様、ありがとう。そしてメス豚の見苦しい足を見せて、ごめんなさい」

ごめんなさい。

 

うんこ・あや「壮絶やな~」

はじめは、共同作業だった闘病も、

お陰様で、きくさんが元気になってきたので、

戦いの日々と、相成っております。

この方が普段通りって感じで、

しっくりくるなっと思う、おかっぱなのであった。

めでたしめでたし。