私は、小さな会社の事務員だ。
パソコンも打つが、打つだけにとどまらず、
キーボードにお茶や食べ物をこぼす。
社内の掃除もやるが、掃き終えた頃、
隣の熟女が出勤するなり、
「おかっぱちゃん、床の掃除してちょうだい」と言われる。
そういうレベルの掃除をしている。
電話が鳴れば、取らなければならないが、
ボーっとしていて取り損ねる事も間々ある事だ。
私が居るからと安心してトイレに立った社長が、
トイレから飛び出してきて、受話器を取って、
「あぁぁ、遅かったかぁ」と嘆いた瞬間、
私は、ようやく我に返るんだ。
おはようございます。
虫が出れば、「虫ーーー!」と指をさすだけ。
B5をA4にと、拡大コピーを頼まれれば、
一切拡大されていない資料が、ただA4にコピーされるだけ。
白枠が増えただけ。
3枚に増えただけ。
3回失敗しただけ。
そんな私は、来客にお茶もお出しする。
この季節は、冷たくて美味しいお茶を飲んでいただきたい、
その一心で、私は水出し冷茶を作っているのです。
お茶パックに、茶葉を適量入れて、容器に放り込み、
そこへお水を加えて、冷やすというやり方です。
お湯で出したお茶を冷やすより、水出しの方が美味しんです。
ところが、そこにも問題が発生している。
茶葉を詰めたお茶パックの口をしっかり閉じても、
冷茶が完成する頃には、容器中茶葉だらけ。
ある意味、「食べる冷茶」の出来上がりだ。
「つぶつぶ入り冷茶」とも言える。
「がっつりカテキン茶」でも、いい。
ようは、「どっさり茶葉入り冷茶」という事だ。
その、見た目、緑が濃すぎる衝撃的な冷茶を前に、
隣の熟女は言った。
「ねぇ、今度さ、私やってみるわ。
私が作っても、こうなるのなら、
おかっぱちゃんのせいじゃないって事よね?」
悪戯な笑みをたたえる熟女を見て、私は思った。
これは、まずい。
ぜってー、やらせねー!
さて、我が家のよねさんは?
かまって欲しい時
一旦、離れて
ゴロンして
アピールだ
アピール
アピール
あぁぁぁ、まんまと引き寄せられちゃった
よね「これが、あたしのやり方じゃ」
さすが、婆さんよね。