うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

鏡の中の自分

2023年04月20日 | カズコさんの事

今日は、

月イチで通う、認知症外来の日だ。

 

おはようございます。

とはいえ、ここ数か月、

私は、認知症外来で出される薬をかずこさんに飲ませていない。

アルツハイマーは、症状を遅らせることのできる薬がある。

私は、その薬を飲ませていないのだ。

あれを飲むと、最近のかずこは変に覚醒してしまう。

妄想と現実の狭間に困惑する様は、傍から見ていて実に苦しそうだ。

もう、これ以上ボケないで欲しいと望む段階じゃないんだ。

彼女から見える世界が、楽しい妄想の世界であるなら、それでいいじゃないか。

病状の改善ではなく、QOLの維持を優先させてやりたい。

だから今は、主治医と話し合い、心を安定させる薬を優先的に投薬している。

 

昨夜、私はかずこさんにタバコケースを贈った。

かずこが好みそうなデザインだ。

それを見て、かずこは私の予想を上回る反応を見せた。

「うわ~、これはすんばらしい!こりゃええ!!うわ~すんばらしい。」

そして、更に私の予想をはるかに上回る回数の贈答式と相成った。

「このタバコケースは、お前のか?」

「これはね、母さんに買って来たんだよ。」

そう言うと、かずこは大喜びする。

という流れを、3時間の間に7度繰り返した。

かずこは、一度も手を抜かず、全力で歓喜する。

私と父さんは、それを大笑いしながら見つめていた。

 

さて、今朝はどうだろう?

まだ贈答式は続いているかもしれない。

もしかすると、どこかへしまい込んで行方不明になっているかもしれない。

それなら、それで、いいんだ。

そしたらまた、同じのを贈ろう。

そして、何度も贈答式をして、

今度こそは、かずこの首にタバコケースを括りつけてやろう!

 

笑っていた方がいい。

きっと、その方がいいんだ。

老い痴れたかずこは、私の心を写す鏡みたいだ。

理性を一枚ずつ脱ぎ捨てていく母は、まるで猫のようだ。

嘘はもう通じない。

優しい言葉を掛けたって、心が毛羽立っていれば、

その殺気にも似た内心を、猫のように見抜いてしまう。

気が急いてイライラしてるのを隠して、

優しく呼んだって、チャー坊は側へ寄って来ない。

そんな時、かずこは訳も分からずイライラしてる。

猫とボケ老人は、薄っぺらな理性なんかじゃ騙せないんだなぁ。

 

で、君は何をしているんだい?

おたま「仕方ないから、おばちゃんに見せるだ」

何が仕方ないんだ?!

 

うねうね、うねうね

ああ、アピールしてんのね?

 

えっと・・・

はい、可愛いね~。おたま可愛いね~

おたま「そんな適当な褒め言葉で誤魔化されないだ。」

 

おたま「誤魔化されて、たま・・・る・・・か・・・」