うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

地獄に咲く花の香り

2023年08月11日 | カズコさんの事

私は昨日、

急いでロト7を購入した。

 

おはようございます。

昨朝もいつものように、実家へ行ってみると、

かずこは、ベッドに『撃たれて死んだ』みたいな恰好で寝ていた。

上半身はTシャツ、下半身はパンツ一丁だ。

かずこの肌は、老齢になっても透き通るように白く滑らかだ。

剥き出された足も、白磁のようだ。

その白い足が酷く汚れている。

まるで『撃たれた勢いで、脱糞したまま死んだ』状態だ。

「これは、事件です!」

私はそう呟いて、呆然と立ち尽くした。

 

「かずこさん、起きなさい!」

何度揺すっても、かずこはなにやらブツブツ言いながら、

しかし起きない。眼も開けない。

風呂に行かせたかったが、それは諦めて、汚れた体を拭いてやり、

汚れたシーツは、堺正章のテーブルクロス引きの要領で一気に引っ張った。

引き抜ききれなかったせいで、かずこがゴロンと転がる。

かずこは転がりながら、

「ひでーこと、しゅるな。」

と小さな声で言いながら、笑っている。

だけど、やはり目は開けない。

「かずこさん、昨日あたしが帰ってからも酒吞んだんでしょう?!」

「のんれない。」

かずこのろれつは全く回っていなかった。

しかし最近は、ラクナ梗塞の影響か、普段から滑舌が悪い。

便を漏らして寝ているのは、二日酔いのせいか病気のせいか判別がつかない。

私は台所へ走って行き、父さんに

「あたしが帰った後、吞ませた?」

昔から父さんは、自分が酔ってくると、かずこにも付き合わせようとする癖がある。

「ん?そんなに吞んどらんけどなぁ。」

そう言いながらも、父さんは伏し目がちだ。

悪戯を叱られた飼い犬みたいな伏し目だ。

こんちくしょうめ!

とはいえ結局、吞み過ぎてか、病気のせいかなんて分からない。

もう、どっちでもいい。

 

私は犯人捜しを諦めて、再びかずこの元へ戻った。

「一応、綺麗に拭いたから、朝ご飯食べるか?」

「いらん。体が動かん。」

かずこの眼は、まだ開かない。

「じゃ、うどん作ったろか?うどんなら食べれるか?」

そう問うと、あれほど死んだように動かなかったかずこは、

すーっと起き上がって、ついに花が咲くように開眼した。

「ふむ。ちょっと食べる。」

「よっしゃー!」

私は、思わずガッツポーズだ。

 

いずれにしたって、なんだろう?

うんこ漏らして死んだように寝ている地獄絵図が、

かずこにかかると、どうしてこうも、おもしれーんだ?!

しかし、そんな中、一つだけ後悔が残った。

あの『撃たれて死んだ図』撮影しておけばよかったなぁ。

 

私は後悔しながら会社へ辿り着いた。

「なんかまだ、臭うなぁ」

どういう訳か、かずこの便の臭いが残っている。

その訳は、すぐに判明した。

「わしのスカートに着いとるやないかーい!」

二次災害が起こっていたのだ。

だから私は、すぐに宝くじ公式アプリを開いてロト7を買ったのだ。

スカートを洗うより先に、買ったのだった。

 

のん太も、綺麗にしてもらっているのかい?

のん太「ここ、やって」

 

のん太「こっちも、やって」

 

のん太「うちろも」

 

のん太「よち、きれいになったら。」

ボッサボサになったように、見えるんだけどぉ~。