たれ蔵が逝ったのは、
11月26日・・・
おはようございます。
2月は、たれ蔵さん。
ああ、やっぱり美しいねぇ、君は。
あれから、ようやく2か月が過ぎた。
たった2か月だ。
けれど、私は不思議なくらい、たれ蔵を思い出さない。
あまりに思い出さないから、
わざわざ、記憶の引き出しから、たれ蔵を引っ張り出している。
そして、
「たれちゃん、たれ蔵」とあえて声を出す。
そうしないと、居たということさえ、幻になってしまいやしないか、
私はそれが不安で、あえて声を出す。
たれ蔵が生きた4年間、彼はいつでも美しかった。
どこも汚れたところのない子だった。
大きな鼻くそを付けていたって、彼は美しかった。
あまりに美しいから、私は怖かった。
こんな美しい生き物が、
長い年月、この世に形を保っていられる気がしなかったんだ。
だから私は、必死だった。
どこもかしこも健全に見える彼を、私は誰よりも心配した。
呪文のように、
「たれ蔵、ずっと私の側にいるんだよ。」
と唱え続けた。
たれ蔵が生きた4年間、私はいつでも、たれ蔵に救われていた。
この4年間は、私個人にとってなかなか困難が多くて、
私は、いつ逃げ出したって可笑しくない心境だった。
けれど、悩み事や困り事が起こる度、
何かの拍子に、たれ蔵の行動にハッと気づかされた。
それはまるで、たれ蔵からのメッセージみたいだった。
そんな時、私は思わず、
「たれ蔵は、私を助けに来てくれたの?」
と、たれ蔵に問いかけた。
たれ蔵が逝った去年を過ごすうち、
私はたれ蔵に、
「私にはまだ、たれ蔵が必要なんだからね。
私はほんと、ダメな母ちゃんなんだから、
だから私と居てちょうだいよ。」
と言うようになっていた。
まだ、たれ蔵が元気な頃だったのに、
どうしても嫌な予感が過り、私はその度たれ蔵に縋った。
けれど、その予感が的中した、あの時、
私はたれ蔵の死を、とても素直に受け入れられてしまった。
「たれ蔵、やっぱり君は凄いな。
あたし、今、大丈夫なんだもん。」
チャー坊を亡くして悲しみに暮れていた頃だ。
あの時、たれ蔵は最後の命がけのメッセージをくれた気がした。
立て続けに猫を見送るのだから、悲しさが2倍になるかと思いきや、
そうではなかった。
たれ蔵が生きた4年間、
うんと小さな頃から、ずっと一緒に生きて来られたことが、
どれほど有難く、どれほど幸せなことなのか、
あのボロボロの老猫との4か月を経験したからこそ、
納得せざるを得なかったんだ。だから、
「たれちゃん、ありがとう。」
それしか思いつかない別れだった。
気付かないうちに、私は4年前より少しばかり強くなっていた。
いや多分、強くなったわけじゃない。
たれ蔵が伝え続けてくれたメッセージが、
私の心の成分に浸透しているからだろう。
たれ蔵、母ちゃんは、とこっとん頑張ってみるよ。
君みたいに美しくはなれない。
けれど、ぐちゃぐちゃに、ドロドロになっても、
君の美しさが、私の目指すゴールだ。
さあ、3バカ兄弟の白担当よ。
何をしているんだい?
おたま「この白い手が気に入らないだ!」
君も白いけどね。
おたま「白いやつに、やり返すだ!」
君の手も、そうとう白いけどね。
のん太「むぅ、なんら、このちろいのは?!」
いや、君も白いよ?
のん太「まったく、ちろくて邪魔ら!」
シロの攻防、永遠なれ!