うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

蕾と猫 最終回?

2024年02月21日 | 日記

バレンタインシーズンが終わり、

スーパーの店内は、ひな祭りの歌が流れている。

 

おはようございます。

『あかりをつけましょ、ぼんぼりに~

おはなをあげましょ、桃の花~』

最近、この歌が、一日中耳にへばりついて離れなかった。

気付けば、小声で歌ってしまっているじゃないか。

ひな祭りなんて、やったこともないくせに、

まるで3月3日を待ちわび浮かれているみたいだが、

私が待ちわびていたのは、3月3日じゃない。

 

私のエックスデーは、2月19日。

月曜日だと踏んでいた。

その月曜日、私は出社するなり、

応接間の窓辺にある胡蝶蘭の鉢に目をやり、

私は一言、「咲いた」とだけ言葉にした。

「咲いたぁぁ」ではなく、極めて冷静な「咲いた」だ。

私は、これまでずっと、膨らんでいく蕾を静かに見て来た。

今回は咲くかもしれないなんて、社内の誰にも言わなかった。

いくつもの萎んだ蕾を見てきたから、

この期に及んで、いたずらに期待を振り撒きたくなかった。

でも咲いた。ついに咲いたのだ。

 

それでも、私は普段と同じように行動をした。

まず神棚に水を供え、社内を掃除する。

けれど、この日ばかりは気を付けなければ、

小躍りしてしまいそうで、

誰にも、心を見透かされないように、

私はいつもより神妙な面持ちで、床を掃いて回った。

いつもより時間を掛けて、いつもより丁寧に。

でも、どうしたって、ひな祭りの歌が脳内に流れていた。

私は、浮かれていた。

咲いたね。

 

他にも、いくつか蕾が付いているが、

「全部咲くかもしれない!」なんて、言わないのだ。

静かに静かに、微かな鼻歌を聞かせてやろう。

チャー坊とたれ蔵にも、届く程度の微かな鼻歌。

 

えっ、なんですって?

君が、咲く様を再現してくれるんですって?

おたま「こうむぎゅーっと力入れてからに」

うん

 

おたま「いったん、ぱっと開くように見せかけて」

うん

 

おたま「よいしょっとしてからに」

うん

 

おたま「で、なんだったっけ?」

知らん!

 

あらら、貴方も床でやってたの?

あや「あたしは、いずれ枯れてゆく様をね」

お見事!!