あと、もう少しだ。
がんばれ、わし!
おはようございます。
私が暮らすマンションは、管理会社を介していない。
だから、自治会の役員が回ってくると、
みな、その1年間は、大変に忙しくなるのだ。
私も、この1年は忙しかった。
自治会・会計として、無事に役割を果たすべく、
他の役員さんと相談しながら、なんとか過ごしてきた。
が、実は、無事かどうかは、まだ分かっていない。
会計の私は決算をしなければ、終えられない訳だが、
こっそり言うが、帳簿上の数字が合わない。
もっと、こっそり言うが、手持ちの現金も合わない。
わーっはっはっはっはー・・・
助けてください。
そんなわけで、今は余韻になど、浸っている場合ではないが、
この1年を振り返って、今、ちょっとおセンチだ。
私より若い女性だが、うんとしっかり者の会長さん。
私の顔を見ると、必ず、私の背中をバシバシ叩きながら、
なぜだか、ずっと爆笑している、美魔女の副会長さん。
そして、
今期、組長さんを務めた、独り暮らしの、A棟のお婆ちゃんだ。
体調が思わしくなく、歩くのもやっとだから、
役員会にも、参加すら出来なかった。
私が、このマンションに越して来て、
もしかすると、ちょうど10年?
えっ、もう10年も経つの?
当時、このマンションに越してきた年、
私に役員の順番が回ってきた。
何も知らない私と、同期で役員になったA棟のお婆ちゃんは、
なぜか、すぐに仲良しになった。
その頃も、A棟のお婆ちゃんはお婆ちゃんだったが、
今よりかは、幾分、お元気だった。
私の部屋へ来れば、うちの猫達を「可愛いねぇ」と撫ぜてくれた。
知らない人が苦手な猫も、A棟のお婆ちゃんとは、
すぐに仲良くなれた。
あまりにすんなり仲良くなっちゃうものだから、
私は、不思議に思って、
「なんで、お婆ちゃんには、懐くんだろ?
うちの父さんが来ると、きくは一目散に逃げるんだよ、ヒッヒッヒ」
と言うと、A棟のお婆ちゃんは、
「おかっぱちゃん、
この事は、お父さんに内緒にしとくんだよ、ふっふっふ」
と、こっそり笑った。
役員の仕事で、分からない事があるたび、
いちいち、A棟のお婆ちゃんのお部屋へ聞きに行くと、
気付けば、我が家のおじさんの愚痴にすり替わっていて、
「うちのおじさんったら、全然手伝ってくんないんだ」と言うと、
お婆ちゃんは、
「おじさんと呼ぶのは、ここだけの内緒にするのよ。
相手には、〇〇さんって甘えて呼んでごらんなさい。
喜んで、なんでも手伝ってくれるのよ、ふっふっふ」
と、こっそり教えてくれた。
そして、必ず帰り際、
「これね、貰い物だけど、内緒の話、
あたし、これ好きじゃないから、貰ってちょうだい」と言って、
美味しそうなおやつを、こっそり持たせてくれた。
無事、任期が終わり、頻繁なやり取りは無くなったものの、
毎朝のように、私は出勤、お婆ちゃんは散歩で、顔を合わせ、
「おばーちゃーん、おっはよー!どうー?」と挨拶すると、
お婆ちゃんが、
「おかっぱちゃんは、元気でいいね。
こんな娘が居て、お母さんは楽しいだろうね。」と言えば、
私は、必ず、
「うちのババーに聞かせてやりてーよー」と叫んだ。
そう叫ぶと、A棟のお婆ちゃんは、もちろん、
「ババーだなんて・・・ふっふっふ」と笑いながら、
口元に人差し指を付けて、シーッの時の仕草をした。
ところが、ここ数年は、
A棟のお婆ちゃんは、朝の散歩も出来なくなった。
「お婆ちゃん、なんか困った事ない?
なんでも、言ってね」と声を掛けたが、
「大丈夫よ。ありがとうございます。」と言うばかりで、
その様子を見て、人との距離を取ろうとしていると感じた。
他のお友達とも、距離を置くようになったと聞いた。
慎ましくありながらも、柔軟で、
弱々しく見えるが、実は、とても強い人だ。
誰にも頼りたくないという覚悟が感じられて、
私は、少し遠慮するようになっていた。
この1年も、ほとんど会う事は叶わなかったが、
日曜日、最後の役員会の後、
私は、お婆ちゃんの部屋へ書類をもって行ってきた。
玄関のドアを開けると、
お婆ちゃんは、壁をつたいながら歩いてきた。
「おかっぱちゃん、面倒かけるわね。ごめんね」と言うから、
私は、いつものノリで、こう言った。
「全然、気にする事ないよ。
私なんて、どうせ、適当にやってんだから、ヒッヒッヒ」と。
すると、お婆ちゃんは、
「またぁ。適当って、ふっふっふ」と笑ってくれた。
そして、こう続けた。
「おかっぱちゃん。美味しいオヤツがあんの。
これを、持っていきなさい」と。
両手にいっぱいのお菓子をこっそり乗せてくれた。
私は、思い切って、
「お婆ちゃん、またおやつ貰いに来るかんな~ヒッヒッヒ~」と、
無遠慮なガキ大将みたいな口ぶりで、叫んだ。
実態は、45のくせにさ・・・。
私は、以前、お婆ちゃんの内緒のお話を、こっそり聞いた事がある。
軽やかに生きてるように見える、お婆ちゃんの、
心の奥底に、こっそり置かれた、深い悲しみを。
その時、私は思った。
それなのに、どうしたら、
こんなに素敵な女性になれるのだろうかと。
私は、それを、これから、こっそりと、教えてもらおう。
そう思い直して、
また、お婆ちゃんのお部屋へ押しかける事にしようかと思っている。
甘えたっていいじゃんね。
うんこさん?
そうそう、甘えていいんだよな。
私なんかが、頼りになる訳ないんだ。
だからさ、私が甘えちゃおうって話だ。
おい、おたま?
どうした?
そんな、浮かない顔してるけど、
そんな顔してるけど、甘えたいんだよな?
そうなんだよな?
そういう顔なんだよな?
たぶん・・・・
うん、甘えられて嬉しいと思う。
ガキ大将みたいならおかぱちゃんを見て
元気貰ってると思います。
頼られてるって
生きる力になるとあたいは
思いますよ。
現金も帳簿も合わない?
もう一回数え直して
レシートチェックして
漏れがないか見てごらんなさいな。
なんなら御主人か熟女の手を借りて。
第三者の目、必要かもしれんですよ。
電卓と仲良くして(笑)
でも、そういうの大変ですね。
この場合、1年間って、長く感じそう
そして、そのお婆さん。
どうしちゃったんでしょうね。
気になりますね。
私も、おかっぱさんの立場だったら、同じことすると思います。
来たよ~!って呼ばれてもいないのに、様子見に行っちゃいそう。
まずは体の不調が心配ですね。
素敵な方ですね 自分が辛い時があったからこそ、人に優しい方っていますよ。 そして、おかっぱちゃんに頼りにされて嬉しいと思います。 ねっ!うんちゃん(=^ェ^=)
絶対に嬉しいと思います
うちの親もそうなんですが 年をとると
若い人に迷惑をかけたくないって思っているみたいです
そんなことないのに..と思います
だから きっとそのおばあちゃんも
回りの方と距離を置くようになったのかもしれませんね
おかっぱさんが甘えたら 絶対に喜んでくれると思います
会計.. 合うといいですね
おじさんにも手伝っていただいて
いっしょに会計し直すと 間違っている箇所が
見つかるかもですね
頑張ってくださいね
おはようございます。
それが良い、
そう、思います。
軽いノリが大切、
そう、思います。
小さなヒントを教えてくれて、何も言わなくてもその人の言動から、教わることの多い方っていますよね。
優しい人はたくさんの経験をして、今、生きていらっしゃるからこそ、強く優しいんですよね。
おばあさまだけでなく、おかっぱさんもいつもたくさんの経験をした深い優しさを持った方だなと思っています。
おたまちゃん、今日もいい顔よ〜♪(笑)
お仕事、大変だと思いますが、頑張ってくださいね!
それは「おせっかい」
今の世の中他人に気を使って
何にも言わない世の中になっちゃって
だからこんな変な世界になっちゃったんだよ
どんどんおせっかいして
甘えていいんだと思います
おせっかいが、子供の虐待や
孤独死を救うんだ
おかっぱさんファイトです
会計もファイトです!ww
そうですよね?
誰を頼ろうとすると、自分の心が、
弱くなってしまいそうな、そんな気持ちなのかも。
誰かに頼りたくはないとか
人に迷惑はかけたくないって思っても、
ガキ大将が、お菓子ちょーだいって言ってくるのは、
きっと、大丈夫ですよね(笑)?!
ありがとうございます。
もね、なに?この数百円の誤差ってば!って。
そうだ、そうだったわ。
我が家のおじさん、実は数字に強いから、
しかも根気があるし。
こうなったら、丸投げします。
私では、もう無理や(笑)。
1年なんて、あっという間に過ぎるのに、
帳簿の1年間は、永遠と思えるほどに、
長いです~(笑)。
もう4月の事なんて、全然覚えてないし、
なんなら、今年2月だって、おぼろげです。
お婆ちゃん、きっと誰にも迷惑をかけたくないって
そう思っているのでしょうね。
頼ると、自分の気持ちも弱くなるかもという不安も
あるのかもって思います。
だったら、迷惑をお掛け致しますってね、
そんな感じで、気楽になってもらえればと
思います。
本当に、素敵な女性なんです。
温かくて、懐が深くて、とても謙虚。
同じ経験をしても、誰しもがなれるという
訳ではないですものね。
本当に、少しでも、その生き方を、
教えて欲しいって思える人です。
ありがとうございます。
頼っちゃうよ~ヒッヒッヒ(笑)。