日曜日は歌舞伎座で、昼の部、を観て参りました。
歌舞伎会GOLD会員の友人のおかげで一列目センターという夢のようなお席で・・・。
演目は獅堂、勘太郎、七之助の若手が舞い踊る華やかな「當年祝春駒」
真山青果作の、源頼朝の死の秘密から若き将軍頼家の苦悩をみっちり描く「頼朝の死」
仁左衛門の白拍子桜子実は狂言師左近、勘三郎の白拍子花子という華やかな配役の「男女道成寺」
劇中に中村錦之助襲名口上が織り込まれ、吉右衛門、富十郎、時蔵、歌昇が脇を固める「菊畑」
中村信二郎改め、中村錦之助襲名披露公演、ということでしたが、この日のわたくしのお目当ては
なんといっても「男女道成寺」
仁左衛門さまのどことなくぎこちない白拍子という珍しいお姿を拝見した後、実は男だった、と、獅堂、勘太郎、七之助をはじめとする所化たちに見破られるときの愛嬌溢れる姿、着替えて狂言師として、男舞に戻ってからの羽根突き、蹴鞠を模した、表情豊かな舞で目が離せません!
対する勘三郎は、最初から博多人形のような愛らしさ。鈴をはったような眼とはこのことだなぁと見惚れる、ガラスのような透明感のある潤んだ瞳に紅を差して、なんとも可愛らしい。
振り出し笠を使っての華やかな踊りは赤い笠が華やかで、笠裁きもリズミカル。
手ぬぐいを使って恋する女心を表現しつつ仁左衛門との絡みを見せる場面は、2人の並びが今ひとつかな(やっぱり仁左さまには玉三郎のようなほっそり長身の美女が似合うので・・・)と思わせてしまいましたけど、鞨鼓を打ち鳴らすパッショネイトな踊りでは、こんなに鞨鼓を本当に打ち鳴らしながら踊りの熱を増していく踊り手はいただろうかと息を呑むほど、力強く盛り上げていく祝祭感はこの人ならでは。
玉三郎の白拍子が、この世のものとは思われぬ幻想的な様で最後、蛇の化身として鐘の上からあたりを睥睨する様が魔性を帯びるのに対し、勘三郎の花子は、ものに憑かれた人形のように愛くるしい町娘がそのまま踊りのクライマックスで蛇の化身となってカタルシスを迎える、という印象。
次々と引き抜きで変わる桜文様の金刺繍も艶やかな様々な色の衣装が絢爛豪華な春の幻想を盛り立て、そろいの桜の裃を身につけ舞台に居並ぶ唄方、三味線もいつにも増して迫力のある演奏。笛のお2人のうち、中心よりにいらした方が美形で目を惹く。田中傳十郎さんと福原寛さん。福原さんは1990年芸大卒とのことなので、この方は田中傳十郎さんではなかろうかと推測。
今後の楽しみが増えました(こらこら)
所化で少し踊っただけですが、勘太郎の成長振りが著しい。シャープな七之助、ちょっとおっとりもったりした勘太郎というイメージを持っていたのですが、この2人が所化のこしらえのせいもあってか、実にお互いがお互いに似てきているみたい。
踊りの上手さでは七之助、という印象があったのが、勘太郎は更に上手いだけでなく、すっと自然な身のこなしの美しさと全身が舞台人として絞れてきた感じが好もしく、逆に獅堂にもっと芸を磨いて欲しいと思ったり・・・。3人とも身長があって舞台栄えするので、今後が楽しみですね。
歌舞伎会GOLD会員の友人のおかげで一列目センターという夢のようなお席で・・・。
演目は獅堂、勘太郎、七之助の若手が舞い踊る華やかな「當年祝春駒」
真山青果作の、源頼朝の死の秘密から若き将軍頼家の苦悩をみっちり描く「頼朝の死」
仁左衛門の白拍子桜子実は狂言師左近、勘三郎の白拍子花子という華やかな配役の「男女道成寺」
劇中に中村錦之助襲名口上が織り込まれ、吉右衛門、富十郎、時蔵、歌昇が脇を固める「菊畑」
中村信二郎改め、中村錦之助襲名披露公演、ということでしたが、この日のわたくしのお目当ては
なんといっても「男女道成寺」
仁左衛門さまのどことなくぎこちない白拍子という珍しいお姿を拝見した後、実は男だった、と、獅堂、勘太郎、七之助をはじめとする所化たちに見破られるときの愛嬌溢れる姿、着替えて狂言師として、男舞に戻ってからの羽根突き、蹴鞠を模した、表情豊かな舞で目が離せません!
対する勘三郎は、最初から博多人形のような愛らしさ。鈴をはったような眼とはこのことだなぁと見惚れる、ガラスのような透明感のある潤んだ瞳に紅を差して、なんとも可愛らしい。
振り出し笠を使っての華やかな踊りは赤い笠が華やかで、笠裁きもリズミカル。
手ぬぐいを使って恋する女心を表現しつつ仁左衛門との絡みを見せる場面は、2人の並びが今ひとつかな(やっぱり仁左さまには玉三郎のようなほっそり長身の美女が似合うので・・・)と思わせてしまいましたけど、鞨鼓を打ち鳴らすパッショネイトな踊りでは、こんなに鞨鼓を本当に打ち鳴らしながら踊りの熱を増していく踊り手はいただろうかと息を呑むほど、力強く盛り上げていく祝祭感はこの人ならでは。
玉三郎の白拍子が、この世のものとは思われぬ幻想的な様で最後、蛇の化身として鐘の上からあたりを睥睨する様が魔性を帯びるのに対し、勘三郎の花子は、ものに憑かれた人形のように愛くるしい町娘がそのまま踊りのクライマックスで蛇の化身となってカタルシスを迎える、という印象。
次々と引き抜きで変わる桜文様の金刺繍も艶やかな様々な色の衣装が絢爛豪華な春の幻想を盛り立て、そろいの桜の裃を身につけ舞台に居並ぶ唄方、三味線もいつにも増して迫力のある演奏。笛のお2人のうち、中心よりにいらした方が美形で目を惹く。田中傳十郎さんと福原寛さん。福原さんは1990年芸大卒とのことなので、この方は田中傳十郎さんではなかろうかと推測。
今後の楽しみが増えました(こらこら)
所化で少し踊っただけですが、勘太郎の成長振りが著しい。シャープな七之助、ちょっとおっとりもったりした勘太郎というイメージを持っていたのですが、この2人が所化のこしらえのせいもあってか、実にお互いがお互いに似てきているみたい。
踊りの上手さでは七之助、という印象があったのが、勘太郎は更に上手いだけでなく、すっと自然な身のこなしの美しさと全身が舞台人として絞れてきた感じが好もしく、逆に獅堂にもっと芸を磨いて欲しいと思ったり・・・。3人とも身長があって舞台栄えするので、今後が楽しみですね。