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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

宝塚 宙組 「カサブランカ」

2010-02-03 02:32:07 | TAKARAZUKA
明日からはいよいよルグリ先生の新作公演!
その前に1月の観劇を少しご紹介いたしますね。

宝塚 宙組公演 「カサブランカ」



脚本・演出 小池修一郎

リック(リチャード・ブレイン) 大空祐飛
イルザ・ブラント        野々すみ花
ヴィクター・ラズロ       蘭寿とむ
ルノー大尉           北翔海莉

はい、お話は映画の通り。
パリで出会ったアメリカ人リックと夫を亡くした失意の北欧美女イルザ。
パリ陥落前夜、結婚を約束したまま忽然と姿を消した彼女との再会は、
アメリカ亡命を求めてヨーロッパ中の難民がひしめくモロッコのクラブ。
実は生きていた夫ラズロとリックの間で引き裂かれるイルザの心、
彼女をめぐる愛情の攻防と反体制の理想を抱く男二人に芽生える奇妙な友情・・・。

元ネタのあるストーリーの脚色がことのほか巧みと定評のある小池先生の演出は
そつなくストーリーを追いながら、舞台としても過不足なくスムースに流れるように展開してお見事。

そして、あの渋いボギーのリックを、ちょっと陰りのある男役、大空祐飛が抜群のスタイルの良さと切れ長の瞳(お誘いくださった職場のO先輩いわく、ベテランならではの抜群のメイクテクニック、だそう・・)で映画以上にかっこよく演じきっているのがツボ。
小顔ですらりとしたリックに対して、イルザの野々すみ花は普通の日本人バランスのお嬢さんゆえ、並んだときにやや分が悪い(?)のですが、そこはしっとりとした演技力でカバー。
理想を説く反ナチス、レジスタンスの闘士ラズロはともすると空々しくなりそうな台詞と振り付けなのですが、蘭寿とむはさすがの安定感。
3の線もイケる3番手、北翔海莉ちゃんはお腹に詰めものと一物ある食えない人物をおおらかに演じていて好感度大。
ただ、あまりにおじさん・・なので、ファンからはブーイング(笑)も。
あと歌える人なのに歌唱力を見せつけるシーンが少なかったのもちょっと勿体なかったかも。
歌といえば、あのAs Time Goes Byを歌うピアニスト・サムは、この公演がさよならとなる専科の萬あきらさんが味わい深く演じていて良かったです。



全体にセピアトーンを思わせるしっとりとした舞台、映像も効果的に使われていて演出にも嫌味がなく、
映画に思い入れのある方にも違和感なく仕上がっていたように思います。

7日が千秋楽ですね。

あ、あとダンスが上手くて、男役にしてはちょっと華奢で気になる存在、「エリザベート」役で抜擢されていた凪七瑠海はレジスタンスの若い男性の一人として出ていましたが、やっぱり他の男役とはシルエットが違うのですぐにわかりました(笑)