maria-pon

お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

「マニュエル・ルグリの新しき世界」Bプロ・感想 ③

2010-02-11 19:59:11 | インポート
【第2部】

■「マリー・アントワネット」
アニエス・ルテステュ パトリック・ド・バナ
振付: パトリック・ド・バナ
音楽: アントニオ・ヴィヴァルディ

アニエスのためにド・バナが振りつけたこの作品を観てルグリが自分のためのソロを、と依頼したというだけあって、アニエスの持ち味にぴったりの魅力的な作品。

まず衣装にびっくり。
二人とも白いオーガンジーで宮廷衣装をアレンジしたブラウスを着ているが、下半身はショーツのみ。
アニエスはデコルテからウエストにかけてリボンが並びフリルのある7分袖、ぺプラムのついたブラウスと少し襟足を残して結いあげた金髪がとてもお似合い。
ド・バナさんも、襟元にシャボのようなフリルがあしらわれたノースリーブのシャツの上に燕尾のような軽い一重のジャケット風の上着を羽織って登場。
これまたお似合い。
二人とも伸びやかな筋肉の乗った長く美しい脚を持っているので、この衣装は妙に肉感的でちょっとエロティックなのですが、端正な音楽とエレガントなアニエスの存在感で卑俗に陥らないギリギリの線をキープ。

作品は3部に分かれていて、ヴィヴァルディのスタバート・マーテルに合わせて展開します。
最初は無邪気なマリーと従者?次は大人になったマリーが王と心を通わせる親密な場面、そして壁にぶつかり周囲の変化に戸惑い悩む二人。
ド・バナの存在はルイ16世、ということですが、マリーを見守る影のようでもあり、彼女の運命を導く存在とも見えたり複眼的な見方を許す解釈の幅広さを感じました。
最後は。。。断頭台を暗示して。
ド・バナさんの振り付けは精神性を打ち出しながらもいい意味で程よくわかりやすく見せ方も上手い。
キリアンのように圧倒させる世界観、という感じはないのですが、今後も注目していきたい振付家、と思いました。

■「ハロ」
ヘレナ・マーティン
振付: ヘレナ・マーティン
音楽: アラ・マリキアン、ホセ・ルイス・モントン



アントニオ・ガデス、ホアキン・コルテス、といった一流どころと共演してきた本格派フラメンコダンサーです。
パトリック・ド・バナが主催するナファス・ダンス・カンパニーのゲストアーティスト・振付家という縁とルグリの希望で参加。

ワインカラーのシンプルなフラメンコドレスに身を包み、ベージュ地に色とりどりの花の刺繍が施された大判のマントンを身に巻きつけて登場するのですが、フラメンコ・ギターの爪弾きのような抒情的な曲に乗せて、大胆かつ自在にそのマントンを操る彼女。
時として炎のように、命をもったかのように翻るシルクのショールとフリンジの軌跡が金色の光のように浮かび上がり幻想的な雰囲気を醸し出します。
「・・・女性が手に持つショールは懐かしくて愛しいものの輝きを残しているのです・・・」とはプログラムに載せた彼女自身の言葉。
バレエ公演にフラメンコ?という違和感もなく、GALA公演にはこういう趣向も良いものだなぁと堪能しました。

■「ドニゼッティ・パ・ド・ドゥ」
上野水香 高岸直樹
振付: マニュエル・ルグリ
音楽: ガエターノ・ドニゼッティ
衣装: セシル・クリスティ

2007年、マチュー・ガニオとドロテ・ジルベールによって初演。
ルグリ・ガラでマチューに初演を見事に務めたことを労ったら輝くような笑顔を返されたことを思い出しました

今は振付には興味がないときっぱりと語るルグリですから、この作品は貴重。
卓越した踊り手によるものらしく、脚技など細部に至るまで超絶技巧が散りばめられた作品。

アルルカンのような、黒地に赤・黄・緑をステンドグラスのように散りばめた独得の衣装も相まって、誰にでも似合う、こなせる作品ではない、という印象ですが、ドロテ以上に長く雄弁な脚を持つ上野さんと、マチューのように明るいキャラクターの黒髪の美形である高岸さんには良く似合っていました。
もともと、これはデヴィッド・ホールバーグが水香ちゃんと踊る予定だったのが、フォーゲルの故障で玉突き的に変更があって、練習パートナーを務めていた高岸さんが急遽ご登場となった次第。
ベテランの域に達した高岸さんはそれでも特に最終日には意地を見せて(?)見事にソロもこなしていらしたし、水香ちゃんも高岸さんだと安心感もあってか連日良いパフォーマンスを見せてくれたと思います。

■「失われた時を求めて」 "モレルとサン・ルー"
ギヨーム・コテ デヴィッド・ホールバーグ
振付: ローラン・プティ
音楽: ガブリエル・フォーレ

これは今回のGALAの白眉というか、嬉しいサプライズでした・・・
ギヨーム・コテ、素晴らしいダンサーです。
チャイコパだけではわからなかった彼の資質、国際的なスターであるというのも納得の存在感が登場時から感じられました。

長編小説、プルーストの「失われた時を求めて」をバレエ大作に仕立てたプティは、第1部を「プルーストの天国のイメージ」第2部を「プルーストの地獄のイメージ」で構成したそうですが、今回演じられたのは第2部の、「モレルとサン・ルーのパ・ド・ドゥ」(または「天使たちの闘い」)
貴族サン・ルーをヴァイオリニストのモレルが誘惑するシーン。
容姿からして美しい悪魔そのもののデヴィッドがモレル役にぴったり。
髪の色は金髪の貴族を黒髪の悪魔が・・・というイメージからすると逆なのですが、パーソナリティ的にはこれはしっくりきている感じ。
肌色のユニタード姿の二人の緊張感あふれるデュエットも素晴らしかったのですが、登場時のサン・ルーのソロ、これだけでコテのロマンチックで繊細な内面表現の巧みさと抑制の効いた踊りから滲む抒情が見てとれて、とても良かったと思います。

■「三人姉妹」
シルヴィ・ギエム マニュエル・ルグリ
振付: ケネス・マクミラン
音楽: P..I. チャイコフスキー



チェーホフの戯曲「三人姉妹」より。
モスクワ行きに憧れる3人姉妹の長女、さえない田舎教師の夫との生活に倦んでいるマーシャと、モスクワから来たヴェルシーニン中佐の明日のない道ならぬ恋と別れのワンシーン。
ヴェルシーニンは原作ですと43歳、という設定ですから、今のルグリは付け髭やメイクなしで素で演じられる年齢。
ギエムも今だ踊りは完璧で容姿も美しいのですが、お顔に表情によっては法令線がうっすら浮かぶなど少し年齢を重ねていらっしゃる部分も見てとれるところがとても物語とシンクロしてなんともいえない感興を呼び起こされました。
中年にさしかかっての燃え上がる恋、ならではの二人の切実さが、ダイナミックな跳躍や切れ味の鋭いルグリの動き、柔らかなパウダーピンクのワンピースをはためかせるギエムの長い脚から伝わってきてひりつくようなドラマ性を感じさせてくれました。
激しい恋心とその絶望、走りこんでギエムの足元に倒れこみ、片足を流して彼女の膝に顔をうずめる男の髪に手をやり天を仰ぐギエム=マーシャの表情が胸に迫ります。
登場時に帽子を飛ばし、マントをサッと舞台袖方向に脱ぎ捨てたルグリ、愛のデュエットののち、下手に走り去りますが残されたギエムはそのマントに臥して肩を震わせます・・・
オネーギンの最終幕もそうですが、ルグリは不実なのか誠実なのか、一途なのに女を幸せにできない男の造型が実に上手いですね!
ギエムも2003年に「3つの物語」シリーズで来日公演を行ったときに、演技もできるのよ!的な舞台を見せてくれたときからグッと深みが増して、実に雄弁な心に残るマーシャを見せてくれました。

会場が熱狂に沸く中、フィナーレ。
上野・高岸ペア、オグデン・コテ、フォーゲル、マーティン、ルテステュ・バナ、デュポン・ホールバーグ、と歓声に迎えられて最後はギエム・ルグリ。
とりわけ楽日はNBSお得意の「SAYONARA」の大きな幕とともに大量のトリコロールカラーのメタリックテープが落ちてきて会場の拍手も鳴りやまず、大変な盛り上がりでした。
それにしても、本当に充実した密度の濃い大人の公演で素晴らしかった。
ルグリ先生は、秋からはウィーンの芸監として忙しくなられるとは思いますが、ダンサーとしてのキャリアを終えるというおつもりはないようですので、是非また日本でプロデューサーとして腕をふるい、そしてその時その時のダンサーとしてのチャレンジも続けていただきたいと思います。

「SAYONARA」の幕に小さく「a bientot」と書かれていたのですよね・・・
期待しています、NBSさん!


「マニュエル・ルグリの新しき世界」Bプロ・感想 ②

2010-02-11 15:16:14 | インポート
では、個々の演目について・・・

【第1部】

■「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
ヘザー・オグデン ギヨーム・コテ
振付: ジョージ・バランシン
音楽: P.I.チャイコフスキー

GALAのオープニングによく用いられる、パウダーブルーの衣装の男性とパウダーピンクのハイウエストの短めの薄物のドレスの女性が踊るさわやかな演目。
テクニック的には難易度の高いものが散りばめられているので今までバレフェスなどで見てきたのを思い起こしても、ルグリ先生、マラーホフ、ボッレ、コレーラなど錚々たる面々。

ナショナル・バレエ・オブ・カナダからの若い二人、よく北米系のフィギュアスケーターにいるような感じのフレッシュな金髪美人ヘザー、やわらかい表情が印象的なギヨームとともに、とてもこういう演目に似合う雰囲気。

ですが、出だしのPDDで特に7日はまだ慣れていなかったのか後方にアティテュードでジャンプを繰り返すときに後脚が下がり気味になってしまったり、フィッシュのポーズをとるときに勢いよく飛び込んだ後一瞬ひやりとさせたり・・・
テクニシャンが踊るとなんということもなく流れる部分でドキドキさせられ、この演目って難しかったのね・・・(笑)と改めて実感させられる瞬間も。
ただ、二人ともソロのパートでは眼が覚めるような豪快な開脚ジャンプ、安定感のあるピルエットなど実力のあるところをしっかりみせてくれました。
この二人も、7日、8日、9日、とだんだんにPDDも安定してきて、何よりもさわやかな笑顔を絶やさず、のびのびと踊っていたのが良かったですね
カーテンコールでしきりと彼が彼女の手にキスをしていたのも微笑ましかったです。

■「モペイ」
フリーデマン・フォーゲル
振付: マルコ・ゲッケ
音楽: C.P.E.バッハ



いや~、良かったです!!
バッハのアップテンポの曲に合わせて黒タイツ、上半身をあらわにしたフォーゲルくんが後ろ姿のまま上手から現れ、舞台中央で痙攣したり脇腹を掻くようにしたり、身体の表面を指でなぞったり・・・と不思議な振付なのですがなぜか曲にはとても合っていて弾むようなリズムとハーモニーを奏でていて楽しい。
しばらくセンターで踊ってそのまま平行移動で上手に、下手に移動してはまたセンターに現れるのですが、全体の60%は後ろ姿、という人を食った構成。
このところクラシックの王子もきれいに踊れる成長ぶりを印象付けてきたフリーデマンですが、やっぱりこういうちょっとユーモアを秘めた現代作品がことのほか似合う!ということ、そして身体のラインがとても美しいことを再発見させてくれました。
背中を向けていても、肩甲骨がきれいに浮き出て、シュッと逆三角形に整ったラインが雄弁で・・・。
前髪を下ろしてちょっとラフに仕上げた金髪とあえて無表情を装った端正で甘めの顔立ちが作品のオフビートな味わいにマッチしていました。

あぁ・・返す返すもAプロに遅れて「クリアチュア」を見逃したのが悔やまれる・・・・

「クリアチュア」で肩を痛めたとかで、オレリーと踊るはずだった「アザー・ダンス」を外れたのですよね・・・。
オレリーとイキイキと視線を交わす彼も観てみたかったとは思いますが、何にしても無理はよくありませんから。
それにしても1作品だけでもしっかりと、存在感と個性を印象付けてくれました!


■「スリンガーランド」
アニエス・ルテステュ パトリック・ド・バナ
振付: ウィリアム・フォーサイス
音楽: ギャビン・フライアーズ

バレフェスでアニエスがジョゼと踊っていたのが記憶に新しいのですが、同じ長身でもド・バナさんとの並びはまたちょっと違った趣。
円盤のような小さなチュチュのついた全身アイボリーレースの総タイツのアニエス。
保温下着のような??全身ベージュのレースの総タイツのパトリック。
大人っぽい味わいの長身の二人が踊ると、この地味で難しい衣装が気にならず、”男女の生命感あふれるPDDではなくて時間との戦いを意味しているのだ・・・”というプロダクションノートがうなづけます。
フォーサイスがバランシンのように抽象的な音楽の視覚化にトライした実験作・・・といった感じ。

ギリギリのバランスから断続的につながる速いテンポのムーブメントはフォーサイスの舞踊言語ではあるのですが、それをあくまでなめらかに破たんなく踊りきるアニエスの音楽性とバランスキープが素晴らしい。
特に最終日にはあまりに音楽と踊りが溶け合っているので、その世界に巻き込まれて心と視覚を委ねているうちに意識がなくなっていくような不思議な感覚に陥りました。(決して退屈、とかということではなく)

■「アザー・ダンス」
オレリー・デュポン デヴィッド・ホールバーグ
振付: ジェローム・ロビンス
音楽: フレデリック・ショパン



これは衣装が異なるのですが、オレリーはこんな感じ。
透けるグレーのストライプの地紋のサテンのドレスに同素材のヘアターバンをした軽やかでフェミニンな姿が素敵でした。
ショパンの曲に合わせて耳の後ろに手をやるマズルカっぽいポーズも決まっていましたがなんといってもパートナーに向ける弾むようなキラメキを見せる、誘いこむような視線・・・
こんな表情を向けられて応えない男性はいないでしょう・・・。
でも、7日のデヴィッドは余裕がなくて固かったですねxxx
それでなくても完璧な金髪ブルーアイズの美貌でありつつクールな三白眼にひと匙の禍々しさを秘めた彼。
ブルーグレーのスウェードのブーツにベストとブラウスでちょっと東欧っぽさを感じさせる衣装は似合うのですが、自由でのびやかな女神のようなオレリーとはちょっと息が合っていない感じ。
それが!
8日には別人のように、オレリーの視線を受け止めて微笑みかけ、心なしかマズルカポーズも決まってきて・・・。
急ごしらえのペアならではの日を追うごとに深まる関係性、特にデヴィッドの変化は感動的でした。

それにしても本当に美しい作品。
特に後半の頭上に高々と女性を掲げたリフトでオレリーがまるで寝椅子に横たわって葡萄をつまむローマの貴婦人のようにのびやかにリラックスしていてその直後さっとお姫様だっこ状態に体勢を変える瞬間がスリリングで好きなのですが、その安定感もさすがの二人でした。

惜しむらくはピアノが・・・。
生ピアノだったのですが、ピアニストがバレフェスのときと同じ方で・・・。
スローパートは良いのですが、どうも和音でアップテンポになると崩壊する傾向があるようなxxx
なので、男性のソロの場面は悲惨でTTあの音に合わせてあれだけ踊ったデヴィッドには頭が下がります。

オレリーの魅惑的な表情、溢れるフェミニティに大人の女性の麗しさを感じ、フェリの再来かと思いました。
来月のオペラ座来日公演のチケットがNBSから今日届いたのですが、彼女の「ジゼル」今から待ち遠しくてなりません・・・

■「優しい嘘」
シルヴィ・ギエム マニュエル・ルグリ
振付: イリ・キリアン
音楽: クラウディオ・モンテヴェルディ、カルロ・ジェズアルド、グレゴリオ聖歌



1999年初演時には、デルフィーヌ・ムッサンとニコラ・ル・リッシュ、ファニー・ガイダとマニュエル・ルグリという二組のカップルのための小品として演じられ、過去に2度シルヴィーとニコラがバレフェスで披露してくれた衝撃作。
15年ぶりに組む二人は、それぞれの時を経て、全く違う方向に進みながらもその達した高みのレヴェルは恐ろしいほど揃っている、という奇跡のような舞台を見せてくれました。
ともに40代半ばという年齢を超越した踊り手としての完璧に制御されたムーブメント。
とりわけゆっくりと二人がバランスを動かしていく場面のスローモーションでビデオを見ているようなコマ刻みの正確な動き、スリークで流れるようなルグリのパート、もはやクラシックバレエとは別の舞踊言語でその屹立したつま先で空間をシャープに切り取るギエムの長く強靭な脚・・・
ドリアンのようなツノツノのついた表面加工が面白い紫のビスチェに黒いショーツ、透ける足首までのタイツのギエムとトランスペアレントのぴったりとした半そでクルーネックのTシャツ型のTOPSに黒いパンツのルグリ。
この衣装も神秘的でドラマチックな音楽も大好きなこの作品にこの二人の稀有なコラボレーション。
ニコラとギエムだと完全にニコラが黒子に徹して暗闇の中、浮かび上がるシルヴィーの脚・・という感じなのに対して、ルグリはギエムと拮抗して違う物語を紡いでいるので本当に二人から眼が離せない。
いつまでも観ていたい!という気持ちが頂点に達したときに終わるんですよね・・・

というわけで、2日連続、この直後、ロビーに走って翌日のチケットをあわてて購入したわたくしでした





「マニュエル・ルグリの新しき世界」 Bプロ・感想 ①

2010-02-11 10:32:53 | BALLET
はぁ~終わってしまいました。
怒濤の3日間・・・
Bプロのクォリティの高さに完全にノックアウトされてしまいました。
今日が祝日で良かった。
昨日は仕事をしながらも頭の中でバッハとショパンが鳴り響き続けていて大変でした(笑)

ルグリ先生のプロデュース公演は「輝ける仲間たち」公演のときからそのダンサーの選択眼とプログラムの多彩さで、古典とセンスの良いコンテンポラリーの演目をご紹介いただき、そして明日のスターを発掘する喜びを与えてくれるものでしたが、

今回は
「New Universe of Manuel Legris -magic moments from past and present」
ということで、新たなる地平に向けて、自身の今の立ち位置を確認、次に向けて発進するとともに
過去に踊ってきた主要な作品などを中心に今それぞれの作品にあった旬のダンサーをバレエ界以外(!)からも呼び寄せてプログラムを組む、という意欲的なもの。

結果、男女とも美しく実力のあるダンサーで作品も粒揃い、正味2時間あまりの公演でしたが、あまりの密度の濃さに気を抜いてみることのできる演目がなくてクタクタに・・・
とはあまりに贅沢な文句ですが。

フォーゲルの故障で、演目が一部配役を変えて上演されたり、ということもありましたが、その急ごしらえのペアが日を追うごとに関係性を深めていき、演技も完成されていく様を段階を追ってフォローできたのも非常に楽しいものがありました。
また、何度見ても眼の喜び、五感に染みいるルグリとギエムの至芸など、今思い起こしても3日通ってまだ通い足りない気持ちでいっぱいです・・・
今回は幸いなことに会場で翌日、翌々日の公演のわずかな(たぶんキャンセル席?)席が販売されていましたので、第1部の「優しい嘘」を観るたびに反射的に幕間の時間にNBSのカウンターにダッシュする・・ということを繰り返してしまいました。
(でもそういう方が多かったみたいで、最終日お隣にいらした偶然このブログを読んでくださっている方もそうおっしゃっていました