前後しますが、2013年5月11日(土)17:00~
日生劇場にて。
G2さんの新演出で話題のMusical,「My Fair Lady」を観て参りました。
言わずと知れたオードリー・へプバ―ン主演の名作映画、そして舞台でもジュリー・アンドリュースをはじめとする名優が演じてきたイライザ役。
日本でも 長年、大地真央さん主演で親しまれてきたミュージカルの定番ですが、この度演出を一新するとともに、主演女優を宝塚を退団してまだ日の浅い男役TOPスター、元花組の真飛聖、元月組の霧矢大夢が役変わりで・・・という話題作。
踊りに歌に、舞台人として高いクォリティのパフォーマンスを見せてきた霧矢さんの舞台女優デビューを観てみたい、と霧矢さん主演の舞台を、前方席センターで、しかと見届けて参りました
とても良かったです!
霧矢さんは男役だった片鱗を欠片も見せず、とてもチャーミングな花売り娘として登場。
中高のお顔立ち、ごくわずか上を向いた高いお鼻とキラキラの瞳がチャーミングで、ロンドン下町訛り(江戸っ子っぽく、ひをしと言ってしまう設定に)でまくしたてるも、乱暴でガサツ・・・というよりは、赤毛のアンのような少女っぽさが際立つ容姿がなんとも可愛くていたずらっ子のよう。
お歌は、アルトはきれいで、初日、2日目辺りのレポでみるとちょっと伸びていない、とか、裏声になっていると評された高音域も、伸びやか・・・とまではいかないまでも、違和感のない仕上がりだったと思います。
ちなみに、熱烈な霧ヤンファンで、5月5日の開幕以来ほとんど毎回観ている・・・という方は、今夜がBESTパフォーマンスだったと^^
公演期間が東京では28日まで、大阪も含めると6月23日までありますから、まだまだ進化する彼女を観られるでしょうね。
お話は、言わずと知れた、菫の花束を街角で小商いしているコックニ―訛りのロンドンの花売り娘イライザの成長譚。
自分の言葉を研究材料として書き取っていた、出身地をピタリと当てて見せる言語学者のヒギンズ教授(寺脇康文)が漏らした言葉、どんな下町の娘でも、自分の教授法で、6か月以内に宮廷舞踏会で貴婦人として通用するまでにして見せる、というのに、かねてから憧れていた一流花屋の店員になる夢へのステップと見て、自分のなけなしの財産を手に、教授邸を訪問。
居合わせた教授の友人ピッカリング大佐(田山涼成)との賭けの対象となり、家政婦長のピアス夫人(寿ひずる)ら召使たちの見守る中、イライザと教授の特訓の日々が始まる・・・。
長く苦しい訓練の末、コツをつかんだイライザに、教授はお試しの場として、上流階級の社交場であるアスコット競馬場に連れて行き、母親(江波杏子)と引き合わせる。そこで、時折飛び出す下層階級ならではのスパイシーな話題と率直な活き活きとした魅力を放つ彼女に、居合わせた上流階級の若者フレディ(平方元基)が夢中になり・・・。
弁の立つ下町の呑んだくれイライザの父、アルフレッド・ドゥ―リトルに松尾貴史、彼を含めた教授、大佐のおじさま3人衆(?)がそれぞれ色濃くキャラクターを持って伸び伸びと演じていてじつに楽しい舞台。
松尾さんはセンターを取って歌い踊る場面なども、ミュージカルにおいて、キャラクター>歌唱力ってアリなんだわ・・・と思わせる説得力がある役作りでした^^;
教授の母親役の江波杏子。
息子の変人ぶりに辟易しつつ、個性的ながらまっすぐなイライザに共感し、ファンになったわ、と公言。
後半の成長後のイライザvsそれを認めない息子の対決部分では全面的にイライザをサポートしてちょっとした出番でも強い印象を残すところはさすが。優雅で遊び心もある器の大きさが良く出ていました。
寿さんのピアス夫人、情が細やかで品の良い役柄にぴったりでしたが、かつての男役?の面影はいずこ・・・の丸さ加減、100周年の宝塚スペシャルイベントとかで、呼ばれたりしたときにこれではマズイのでは?とつい余計な心配を^^;
召使たちのアンサンブルの息もぴったりでしたが、ここで惜しまれながら昨年退団した元宙組のエトワール要員、美声の娘役七瀬りりこ嬢を発見。ソロで歌ってほしい・・・勿体ないですね。相変わらずコロコロされていましたが^^;
フレディの平方さんは小池修一郎演出の東宝ミュージカル「ロミオとジュリエット」のティボルト役で観た時には凄い声量のワイルドな役者、というイメージでしたが、歌唱力も安定し、恋する若者フレディを軽快に演じていて、幅の広い役者さんだなと。再演の「ロミジュリ」では、今度はベンヴォーリオ役に配役されていますよね。楽しみな人です。
霧矢さんは、教授宅でのレッスン中の白いブラウス、ウエストに菫のコサージュを飾った地味なジャンパースカート、といった簡素で少女っぽい姿がとにかく魅力的!
もとから、あわよくば・・・ではなく、自分で貯めたお金を手に、レッスンを受けようという誇りと矜持と向上心。
レッスンを受けた後、もといた下町のコミュニティではすでに浮いた存在である自分が、上流階級の教授からは道具としてしか扱われていない・・・居場所をなくして心元ない時でも、結婚でもすればよいと軽く言うヒギンズ教授に、貧しい時でも花は売っても身体は売らなかった自分が、ここにきて自分しか売るものがないなんて!と啖呵を切る。
いや、イライザって深い役だったのですね。
霧ヤンのイライザはリアルに応援したくなる向上心ある自立した少女でした
勿論、アスコット競馬場でのあの有名な(上のポスターでも着ている)黒白の細身のドレス、そして、王女様と間違えられる王宮の舞踏会でのイブニングドレス姿もキレイではあるのですが、大地真央さんのイライザで、変身してご登場!の場面で思わず「おぉ・・・」と観客が仰ぎ見るようなオーラはあまり感じられなかったかも?
美人で似あってはいるのですが、そこがキャラクターなのでしょうね。
一方の真飛さんは、男役時代のちょっとやんちゃな雰囲気とは打って変わって女優さんとしてはおしとやかで艶やかなイライザで、このドレスに変身!シーンではタメ息がもれるインパクトと聞き及び、これはちょっと両方観て見比べてみたいなと。
ただ、今月、宙組東京公演が始まり、(実はこのMyFairLady観劇前日に宙組の初日を観ているのでした^^;)、マラーホフのGALAもあり、歌舞伎座のこけら落とし公演に玉三郎と仁左衛門さまがご出演、そしてミ―マイを大阪に・・・という詰まりに詰まった5月故、どうしても見ることが出来ず・・・。
残念です。
そう言えば、翌々日に観劇した「Me&My Girl」で、最後にすっかりレディになって登場したサリ―が、ジョン卿の計らいで、ヒギンズ教授のもとに送られてランべス訛りを矯正してくる、という設定があり、思いがけない2つのミュージカルのつながりに思わず運命を感じてしまった(!?)公演でした
日生劇場にて。
G2さんの新演出で話題のMusical,「My Fair Lady」を観て参りました。
言わずと知れたオードリー・へプバ―ン主演の名作映画、そして舞台でもジュリー・アンドリュースをはじめとする名優が演じてきたイライザ役。
日本でも 長年、大地真央さん主演で親しまれてきたミュージカルの定番ですが、この度演出を一新するとともに、主演女優を宝塚を退団してまだ日の浅い男役TOPスター、元花組の真飛聖、元月組の霧矢大夢が役変わりで・・・という話題作。
踊りに歌に、舞台人として高いクォリティのパフォーマンスを見せてきた霧矢さんの舞台女優デビューを観てみたい、と霧矢さん主演の舞台を、前方席センターで、しかと見届けて参りました
とても良かったです!
霧矢さんは男役だった片鱗を欠片も見せず、とてもチャーミングな花売り娘として登場。
中高のお顔立ち、ごくわずか上を向いた高いお鼻とキラキラの瞳がチャーミングで、ロンドン下町訛り(江戸っ子っぽく、ひをしと言ってしまう設定に)でまくしたてるも、乱暴でガサツ・・・というよりは、赤毛のアンのような少女っぽさが際立つ容姿がなんとも可愛くていたずらっ子のよう。
お歌は、アルトはきれいで、初日、2日目辺りのレポでみるとちょっと伸びていない、とか、裏声になっていると評された高音域も、伸びやか・・・とまではいかないまでも、違和感のない仕上がりだったと思います。
ちなみに、熱烈な霧ヤンファンで、5月5日の開幕以来ほとんど毎回観ている・・・という方は、今夜がBESTパフォーマンスだったと^^
公演期間が東京では28日まで、大阪も含めると6月23日までありますから、まだまだ進化する彼女を観られるでしょうね。
お話は、言わずと知れた、菫の花束を街角で小商いしているコックニ―訛りのロンドンの花売り娘イライザの成長譚。
自分の言葉を研究材料として書き取っていた、出身地をピタリと当てて見せる言語学者のヒギンズ教授(寺脇康文)が漏らした言葉、どんな下町の娘でも、自分の教授法で、6か月以内に宮廷舞踏会で貴婦人として通用するまでにして見せる、というのに、かねてから憧れていた一流花屋の店員になる夢へのステップと見て、自分のなけなしの財産を手に、教授邸を訪問。
居合わせた教授の友人ピッカリング大佐(田山涼成)との賭けの対象となり、家政婦長のピアス夫人(寿ひずる)ら召使たちの見守る中、イライザと教授の特訓の日々が始まる・・・。
長く苦しい訓練の末、コツをつかんだイライザに、教授はお試しの場として、上流階級の社交場であるアスコット競馬場に連れて行き、母親(江波杏子)と引き合わせる。そこで、時折飛び出す下層階級ならではのスパイシーな話題と率直な活き活きとした魅力を放つ彼女に、居合わせた上流階級の若者フレディ(平方元基)が夢中になり・・・。
弁の立つ下町の呑んだくれイライザの父、アルフレッド・ドゥ―リトルに松尾貴史、彼を含めた教授、大佐のおじさま3人衆(?)がそれぞれ色濃くキャラクターを持って伸び伸びと演じていてじつに楽しい舞台。
松尾さんはセンターを取って歌い踊る場面なども、ミュージカルにおいて、キャラクター>歌唱力ってアリなんだわ・・・と思わせる説得力がある役作りでした^^;
教授の母親役の江波杏子。
息子の変人ぶりに辟易しつつ、個性的ながらまっすぐなイライザに共感し、ファンになったわ、と公言。
後半の成長後のイライザvsそれを認めない息子の対決部分では全面的にイライザをサポートしてちょっとした出番でも強い印象を残すところはさすが。優雅で遊び心もある器の大きさが良く出ていました。
寿さんのピアス夫人、情が細やかで品の良い役柄にぴったりでしたが、かつての男役?の面影はいずこ・・・の丸さ加減、100周年の宝塚スペシャルイベントとかで、呼ばれたりしたときにこれではマズイのでは?とつい余計な心配を^^;
召使たちのアンサンブルの息もぴったりでしたが、ここで惜しまれながら昨年退団した元宙組のエトワール要員、美声の娘役七瀬りりこ嬢を発見。ソロで歌ってほしい・・・勿体ないですね。相変わらずコロコロされていましたが^^;
フレディの平方さんは小池修一郎演出の東宝ミュージカル「ロミオとジュリエット」のティボルト役で観た時には凄い声量のワイルドな役者、というイメージでしたが、歌唱力も安定し、恋する若者フレディを軽快に演じていて、幅の広い役者さんだなと。再演の「ロミジュリ」では、今度はベンヴォーリオ役に配役されていますよね。楽しみな人です。
霧矢さんは、教授宅でのレッスン中の白いブラウス、ウエストに菫のコサージュを飾った地味なジャンパースカート、といった簡素で少女っぽい姿がとにかく魅力的!
もとから、あわよくば・・・ではなく、自分で貯めたお金を手に、レッスンを受けようという誇りと矜持と向上心。
レッスンを受けた後、もといた下町のコミュニティではすでに浮いた存在である自分が、上流階級の教授からは道具としてしか扱われていない・・・居場所をなくして心元ない時でも、結婚でもすればよいと軽く言うヒギンズ教授に、貧しい時でも花は売っても身体は売らなかった自分が、ここにきて自分しか売るものがないなんて!と啖呵を切る。
いや、イライザって深い役だったのですね。
霧ヤンのイライザはリアルに応援したくなる向上心ある自立した少女でした
勿論、アスコット競馬場でのあの有名な(上のポスターでも着ている)黒白の細身のドレス、そして、王女様と間違えられる王宮の舞踏会でのイブニングドレス姿もキレイではあるのですが、大地真央さんのイライザで、変身してご登場!の場面で思わず「おぉ・・・」と観客が仰ぎ見るようなオーラはあまり感じられなかったかも?
美人で似あってはいるのですが、そこがキャラクターなのでしょうね。
一方の真飛さんは、男役時代のちょっとやんちゃな雰囲気とは打って変わって女優さんとしてはおしとやかで艶やかなイライザで、このドレスに変身!シーンではタメ息がもれるインパクトと聞き及び、これはちょっと両方観て見比べてみたいなと。
ただ、今月、宙組東京公演が始まり、(実はこのMyFairLady観劇前日に宙組の初日を観ているのでした^^;)、マラーホフのGALAもあり、歌舞伎座のこけら落とし公演に玉三郎と仁左衛門さまがご出演、そしてミ―マイを大阪に・・・という詰まりに詰まった5月故、どうしても見ることが出来ず・・・。
残念です。
そう言えば、翌々日に観劇した「Me&My Girl」で、最後にすっかりレディになって登場したサリ―が、ジョン卿の計らいで、ヒギンズ教授のもとに送られてランべス訛りを矯正してくる、という設定があり、思いがけない2つのミュージカルのつながりに思わず運命を感じてしまった(!?)公演でした