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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

宝塚宙組公演「シトラスの風Ⅱ」中日劇場

2014-03-01 07:39:23 | TAKARAZUKA
「CAPA」に引き続き、ロマンチック・レビュー「シトラスの風Ⅱ」の感想です。

宙組、中日劇場公演、「ロバート・キャパ」「シトラスの風Ⅱ」も昨日、201428年2月28日に千秋楽を迎え、終わってしまいましたね・・・。御覧になった方からは、最後に「明日へのエナジー」フルコーラスがあった、とかアドリブ場面で次回作品「ベルサイユのばら」に掛けていた、とか、客席に前・TOPの大空祐飛さん、元宙組スターの悠未ひろさん、花影アリスさんらのお姿があったとか、この公演を最後に花組に組替えになる花乃まりあちゃんの涙ながらの御挨拶があったとか・・・。
充実した千秋楽で盛り上がったようで良かったです

このショーは、本当にどの場面も素敵で・・・。
岡田先生の”ロマンチック・レビュー”
わたくしが本格的にタカラヅカを観るようになってまだ5年目くらいですが、その短い中で、「ル・ポワゾンⅡ」(星組・中日劇場)「ナルシス・ノワールⅡ」(雪組・全国ツアー公演)そして、この「シトラスの風Ⅱ」と岡田先生の代表作の再演を観ることが出来て幸運であった・・と思うくらいどの作品も華やかでファンタジーの香り高い素敵なレビューで。
また、この「シトラスの風Ⅱ」の初演「シトラスの風」は1998年、宙組が宝塚5つ目の組としての新生した記念作品。
宙組にとって、そして宙組ファンにとって、大切な作品を宝塚100周年の今、再演する、ということに意義があるということだとか。

その楽しかったショーをちょっと思い起こしてみたいと思います

第1章 プロローグ
まるで噴水のようにセンターに集合した、水色、ライムグリーン、レモンイエローの美しいパステルカラーのお衣装の華やかなプロローグ。
思わず客席から「きれい!」の声がもれていました^^
そこにトップの凰稀かなめさんの濃いピンク、娘役TOP実咲凛音さんの淡いピンク、そして2番手格で出演している蓮水ゆうやさんが濃い紫、七海ひろきさんが薄い紫の衣装。全体が揃うとまた、一層華やいだ感じに。
娘役さんが皆、つば広のお帽子をかぶっているのが可愛い。
オープニングから有名なテーマ曲「シトラ―ス、シトラース、シトラースの風が」と流れると宙組16年か・・・と歴史を感じます。昔からのファンの方は皆さんここでまず落涙・・とか

間奏曲I
男役センター3人が幕前で、「夢・アモール」を歌います。
初日、凰稀さんをセンターに七海、蓮水って華やかだわ~と期待して、歌い始めて・・・???アレッ?と^^;。
かい(七海)ちー(蓮水)のお二人、お芝居も容姿も良いお二人ですが、ショーで歌手となると、、、声質がこもっているのか何とも微妙な心持にさせられ・・・回数みると慣れましたが^^;

第2章 ステート・フェア
ここだけ「ラ・カンタータ」からの場面引用で、オリジナルの「シトラスの風」にはなかった場面なのですよね。
でも、可愛らしいア―リ―・アメリカンのお祭り・・・という感じで軽快で、このショーのムードにはマッチしていたと思います。
カンカン帽にオレンジと白、ピンクと白のジャケットの紳士、みりおんちゃん(実咲)は白いひらひらのミディ丈のドレスにつば広のお帽子。ウエストには赤いサッシュ。ステートフェア~お祭りで皆で楽しんでいるとにわか雨が・・・。
三々五々散らばり、ひとり雨宿りしている彼女のところに飛び込んできた長身の若者(凰稀)とお互いに一目惚れ・・・
みりおんちゃんの手から帽子が滑り落ち、その手をとって、ドライアイスのスモークの中、夢のようなデュエットダンス。いつしか、人々が戻ってきたところで寄り添う2人を皆が祝福・・・という幸せムードいっぱいの場面です。
若者のお衣装が白と赤で、カンカン帽もその配色なのですが、かなめ氏のお顔が小さすぎて、お帽子がブカブカxxxという現象が^^;みりおんちゃんが落とした帽子がかなりの間そのままになっていて回収されなかったのもちょっと気になってしまいました^^;

間奏曲II
今回のW2番手格、蓮水ゆうやと七海ひろきが歌います。
チャップリンの「スマイル」。
黄色い鮮やかなジャケットに蝶タイの蓮水さん、明るい金髪を立ててつぶらな瞳に明るいブルーシャドウのお姿が、ちょっとカナリヤみたい^^。七海さんは菫色のジャケットでシンメになったときの配色が綺麗。
今回、この公演の前半とソチオリンピックがちょうど重なっていたのですが、浅田真央ちゃんのエキシビションでの曲がこの「スマイル」だったのですよね・・・
今後、どこかでこの曲を聴いたら2014年2月を思い出すのだろうな・・と思いました

第3章 そよ風
タイトルからは想像がつきませんが(笑)、これ、ラテンな中詰なのですよね
お衣装がTOPコンビは赤白&黒赤、蓮水さんはオレンジと紫、七海さんはグリーンとローズ、その他の方々はターコイズとショッキングピンク・・のバイカラーになった水玉で、なんとも筆舌に尽くしがたい配色なのですが、これが不思議と皆のお顔を華やいで見せて・・・。男役のシャツの胸元が何気に深く切れ込んでいるのもちょっと色気があって。
髪が海賊のスカーフみたい?に覆われていて、娘役さんはその結んだ端がバニ―ちゃんみたいにピンと立って。
みりおんちゃんが色っぽくて綺麗で驚きました
かなめちゃんとの絡みが情熱的な振付なのですけど、とても雰囲気があってステキでした。
センターにTOPコンビ、客席に続く階段のところにちーかいがしゃがんで客席にアピール、みたいな瞬間があるのですが、ここでわたくし、ものの見事に七海ひろき氏に釣られました(告白)
初日、客席アピールが出来ていない!月バウを見よ!くらいのことを言っていたわたくし、前言撤回&頭を垂れて反省xxxです^^;
かいちゃん(七海)が男役を引き連れてセンターでオラオラする場面も回数をこなすうちにどんどんいい感じになってきました。
かなめ氏のもとに水色&ピンクの男役5~6人が集結して囲む最初にジャンプしてさっと集まるような振りがあるのですが、この瞬間際立って踊りが上手い!だれ?!と見るとりくちゃんで。やっぱりね。
かなめちゃん(凰稀)、かいちゃん(七海)、りくちゃん(蒼羽)、みりおんちゃん(実咲)に心の中でキャーキャー言っていた楽しい中詰。
ラテンの場面の良さが理解できずドン引きしていた5年前の自分を振り返り、思えば遠くまで来たものだ・・・と感慨深かったです

第4章 ノスタルジア
岡田先生がヴィスコンティの「山猫」「夏の嵐」をイメージして作られた場面だとか。
初演では、TOPコンビと2番手男役の三角関係だったのが、組長・寿つかささんが敵役に入ることで物語の色合いが変わります。パトロンと椿姫vsアルマンみたいに見えたり、凰稀さん登場時、寿さんとハグする辺り、「山猫」のバ―ト・ランカスターとアラン・ドロンのような叔父・甥の関係に見えたり。
みりおんちゃんがほとんどフルに、プッチーニのオペラ「ジャンニ・スキッキ」の歌曲『私のお父さん』をイタリア語で歌うのですがこの歌詞が父親に自分の好きな人と結婚させてもらえなければアルノ川に身投げするわ、というような内容なので寿さんがその父親に見えたり・・・と、イマジネーションを刺激される設定。
華やかな舞踏会。白い軍服の士官たちと令嬢たち。そこに紺色の軍服姿のヴィットリオ(凰稀)が現れ、セバスチャン(寿)が、マチルド(実咲)を紹介。ここで目と目があった瞬間ふたりの胸が震え・・・。
曲想が変わって緊迫感溢れる場面に。
2人に芽生えた恋心、気づいて苦悩するセバスチャン、白いブラウス姿になってそこにかぶって踊るヴィットリオとマチルドの3つ巴・・・。ついにセバスチャンが白手袋を投げつけて・・・。最後の曲は同じくプッチーニの「トゥーランドット」ですねとてもドラマチック。
凰稀かなめ@軍服という鉄板の場面を2013年夏の全ツでの「うたかたの恋」で観納めかと思っていたら、ここで再会できて嬉しい限り。本当に絶品ですね。かなめ氏の軍服姿
踊れる組長すっしーさん(寿)の起用は意外でしたがさすがに老け役から色悪までこなせるダンサーすっしーさんならでは!
そしてみりおんちゃん、お歌がお見事でしたし、肩口まで大きなフリルで覆われた白いドレスも、イタリア婦人らしい耳隠しのアップスタイルの落ち着いた金髪の鬘もお似合いで2人の男性から想われる素敵なヒロインでした。
白軍服の士官のうち、りくちゃんがセンターで目立っていて、恋に落ちた2人の間を全く気にせず2度横切る・・というところがMyツボその1^^;。その2はいつも愛くるしいモンチ(星吹彩翔)が冷徹と言ってもよいほどクールな表情で冷たい視線を不倫?カップルに投げるところ。。。
この場面が好き過ぎて、この場面だけのために名古屋に通える!と初日思い・・・そして実行したという^^;
DVD出たら、リピート必須です

第5章 ザ・ロケット
赤いダルマ(スカートのつかないレオタード)衣装。赤毛の鬘&頭の羽根で結構スタイルがはっきりわかるお衣装でした。桜木みなとちゃんがぱつぱつな健康的な体型で迫力&可愛い。上手端にスタイルが良くてお顔もかわいい多分若手の男役さん数名。入学時、細身で長い首がダンサーっぽいな、と注目していた潤奈すばるちゃん、細身でいつも人より高く上がる脚で目立つのですが、今回ターン&決めポ―ズのところ、高速ターンの最期、徐々に減速、最後余裕でピタリと止める、という技でやはり目立っていました。このヒトの自分の得意技を見せて、注目を集めようとする意欲が頼もしいなと思います。

第6章 明日へのエナジー
有名な、「シトラス」と言えば、宙組と言えば、のアイコン的場面ですよね。
初日は、あぁこれが、という確認にとどまり、かなめ氏学ランは似合わないわxxxと思っていたのに、2回目以降はこの場面に1人1人が全力で取り組んでいることがダイレクトに伝わり、思わず観ている方もノリノリ状態に!
ダンサーも、そうでない人も、全力で自分の限界まで力を振り絞っている感がなんとも言えない場面です。
心から楽しそうに踊っているりくちゃん、1人頭のシェイク加減が激しくそう言えば初演を経験して今もここで踊っているのって組長だけ・・・と胸が熱くなる寿さんの踊り、そして後方ながらもおやっと思わせるキレがある和希そら。
和希くん、今回のショーで大躍進ですね。96期の若手ながら、男役群舞のセレクトされた6人口のほぼすべてにピックアップされていて、大活躍。そう言えば芝居でも、汽車の乗客の場面でひとり居眠りして起こされる小芝居をしていたり、他の人を観ているつもりでなぜかそこに映り込む技?を持つ気になる人です。
ここ、歌手チームもGOOD JOBで。
とりわけ、ゴスペル歌手のソロ部分をを務めていたあおいさん(美風舞良)が上手すぎて・・・
黒い学ランのような上着を着たダンサー、盛り上がったところでパッと前を開けるとインナーにオレンジ、黄色ショキングピンクのサテンが目に鮮やかで盛り上がりも最高潮に。
その後踊りながらまた前を閉じているのを観ると、あぁ、この場面も(そしてこの素晴らしい今の宙組のこの公演も)終わってしまうんだ・・・となんとも言えない寂しい気持ちになるのも切なくて良い、名場面です。
会場の興奮が冷めやらないうちに一端落ちたライトがまたついて、出演者皆が客席からの拍手を受ける演出が良い。そう、ここ特別に客席からも受け取ったよ、と伝えたいから。その瞬間の舞台上の清々しい笑顔を観られるのも幸せ。

第七章 フィナーレ
全体がブロンズのラメに襟元にシルバーラメがクロスにあしらわれた大人っぽいデザインのロングドレスのミリオンが上手で歌うと下手からラインストーンが煌めく黒燕尾の凰稀さんが。
宙組TOPコンビらしい大人っぽいエレガントなデュエットダンスから6人選抜メンバーによる少人数の大階段(小階段?^^)黒燕尾に。
板付きのポ―ジング、脚の流し方が綺麗でやっぱり目に飛び込んでくる蒼羽りく氏。今回りくちゃんの魅力に引きずられまくりのわたくし。幕間の売店でうっかりポケットカレンダーを買ってしまったのはヒミツです(浮気?)

エトワールは、瀬音リサちゃん。白いマーメイドドレスの裾にピンクやオレンジのグラデーションが入った娘役さんのドレスがステキ。お歌がとても柔らかい発声で、会場を包み込むような癒し系のエトワール。彼女の清楚な雰囲気も相まってとても良かったと思います。

パレ―ドではちーかい2人が白タキシードに白い羽根を背負って現れたのも中日公演ならでは。
ファンの方は嬉しかったのではないかしら?

今思い出しても、好きな場面ばかりで・・・幸せな中日公演でした