maria-pon

お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

コジョカルの「くるみ割り人形」 ②

2009-11-26 03:22:39 | BALLET
序曲はとても速いテンポ。
ガ-フォースさんの指揮はキビキビしていますが、時折、これでダンサーは踊れるのかしら?と
心配するほどアップテンポになることも・・・(あ、ダンサーはしっかりとついてきていましたが



幕が開いて、シュタールバウム家のクリスマス。背景の油絵?っぽい書割とパーティに集うお客の衣装がちょっと(クラシカルでステキ、という意味ではなく)時代を感じさせますが、
そう感じてしまうのは「くるみ」というと極めつけのロイヤルバレエのピーター・ライト版を何度も映像で観ているのでそれをデフォルトにしてしまっているのかも・・・。
とはいえ、踊りが始まるとそこに生命が吹き込まれてだんだん気にならなくなってくるのは不思議ですね。

ワイノーネン版では子供のクララと、最後王子と踊るコンペイトウの精は同じダンサーが踊ります。
ですので、今回はコジョカルが子供たちに混じってクリスマスシーンから登場しましたが、美しい母親役の
井脇さんと並ぶと顔立ちもそこはかとなく似ていてしかも小柄なのでとてもナチュラルに少女クララとして存在。

第一幕の主役、人形遣いにして魔術師であるドロッセルマイヤーは後藤さん。
黒い衣装でマントを翻して登場するのはとても華があって良かったのですが、この人特有の陽性のムードが、どうもドロッセルマイヤーの神秘性とは相容れないのか、怪しさはゼロ。
子供たちにせがまれてマスケラを取ると、ただの気のいいお兄さん風情にしか見えないのはご愛嬌。

ドロッセルマイヤーが披露する自動人形は、ピエロ、コロンビーヌ、ムーア人の3体。
コロンビーヌとムーア人の衣装は「ペトルーシュカ」の使いまわし?見覚えが・・・(笑)

人形振りの上手さはピエロの平野さんがダントツ。バネ感の効いた人形らしい動きと何気に可愛げが
感じられる仕草が絶妙。
可愛い役がお似合いの高村さんのコロンビーヌもピッタリ。
この3人はクララの道行きにも付き添い、2幕まで活躍します。

それにしても井脇さんが母親役というのは勿体無いですね。
大人の踊りのシーンで中央でクリスマスツリーを背にしたラベンダーのドレス姿はこれから主役の踊りが始まる・・と思わせる存在感でした。実際には普通にパーティのフォークロアな社交ダンスの群舞が挿入されるに過ぎないのですが・・・
艶やかなマダムっぷりは大いに舞台を盛り上げていました。

挨拶を交わし、お客が帰路に着き、広間には子供たちがもらったプレゼントがツリーの下におかれています。
暗い広間にこっそり戻って、くるみ割り人形をなでているうちにクララは夢の世界に・・・。

ふくろう時計が12時を告げると謎のネズミたちが登場。
くるみ割り人形に率いられたおもちゃの兵隊たちとの戦いが繰り広げられます。
この場、例の3体の人形がクララの護衛として登場します。
この版、おもちゃの兵隊の群舞が女性なので、なんだか違う舞台を観ているような錯覚?が。
(「ベルサイユへ進撃だ~」とか・笑)

くるみ割り人形のピンチに思わずスリッパを投げるクララの助太刀もあってネズミ軍退散。

突如、人形が美しい王子に変身します。
コポー登場。
アリーナとのパ・ド・ドゥはさすがに安定感があってすばらしい。
コジョカルは夢見心地の少女らしさとすでに冒険に向けて心を弾ませている様が
踊りから伝わってきて本当にこの役にぴったりです。



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (chelsea)
2009-11-30 11:33:30
mariaさん、こんにちは~。

井脇さんのシュタールバウム夫人!
観たかったです・・・
同じ日に観に行っていたのですが、
電車関連の不運が重なり、パーティーシーンに間に合いませんでした。
井脇さんが登場する日に、なんて不運!
コジョカルの少女ぶりも観られなくて残念です。
ドロッセルマイヤーは東バらしいというか、若いままの役ですよね。
厚みがある役だと嬉しいので、やはり高岸さんに登場していただきたいです♪
その前に美術・衣装はなんとかしてほしいです・・・。;;;
私は気になって気になって・・・(笑
返信する
Unknown (maria)
2009-12-01 03:28:19
chelseaさん、ようこそ~。
やはりこの日にご覧になっていたのですね{ハッピー}
一幕をご覧になれなかったとは残念!!

井脇さん、素晴らしかったですよ~!
細やかな愛情表現やパーティの華っぷりが存在感たっぷりで、
つい目が行ってしまいました{ラブラブ}
アリーナのクララとしてのPDDもとても良かったです。

そうそう、後藤さんだとどうしても場を仕切っている感がないんですよね~
やっぱりあの過剰なまでの怪しさと華、という意味では
なんでもこなしてしまう高岸さんにお願いしたかったですね・・・。

美術は・・・多分、あの謎の天使たちが舞う緞帳と同じ方の手になる
ペインティングなのでしょうか・・・
意味不明に抽象的かつ重厚な油絵の具を塗って作ってみました的な
昭和な背景に、最初かなり引きました(笑)
お客の衣装もちょっと・・・ね。
もっと色調のバランスを考えて欲しい、というか、
きっと古いバージョンの昔の衣装と背景をそのまま使っているものと思われるのですが
これから毎年ワイノーネン版で上演するなら是非
新調していただきたいとわたくしも思います~{YES}

返信する

コメントを投稿