第14回世界バレエフェスティバル<プログラムB>
8月8,9,11,12,13と5日間にわたって繰り広げられるBプログラム。
My初日は11日。踊り慣れてこなれてきたところ・・・でしょうか。
猛暑の上野、東京文化会館に赴く夕べ。
パリオペ期待のペア、今回が初出場になるはずだったミリアム・ウルド=ブラ―ムは出産後驚異的な復帰を果たしたと聞いていたのですが、脚の故障でバレフェスは欠場。
Aプロはソロ作品で乗り切った相手役のマチアスはウィーン国立バレエ団のリュドミラ・コノヴァロワと組んで「眠れる森の美女」ガラでは「ドリーブ組曲」を踊るそう。
ABTとボリショイという真逆な持ち味のバレエ団をまたにかけて活躍中のデヴィッド・ホールバーグも怪我からの復帰のめどが立たず、今回は欠場。相手役として予定されていたスヴェトラ―ナ・ルンキナも同時に欠場。
シムキンくんとペアを組む予定だったマリア・コチェトコワは直前のローマ公演で脚に負傷でAプロには間に合わないとされていましたが、Bプロもムリとわかり、シムキンくんはソロで踊ることに。
そして驚いたことに、Aプロでは超難易度の高い作品をアイシュヴァルト様と組んで完璧なパートナーシップをみせていたマライン・ラドメーカーがBプロ2回までは勤めたものの、膝の故障で今日から出られず、代役をリアブコが勤めることに。
不足はありませんが、ラドメ―カ―が心配です。。。
そして、13日はBプロの千秋楽。
あと、日曜日のGALAも控えていますが、一応本公演としては本日が最終日という扱いなのでしょうか。
恒例の千秋楽企画、ダンサー全員のサインをプリントした手ぬぐいがフィナーレのあと、舞台上のダンサーから客席に向かって投げ込まれ、席番14の方も、第14回にちなんで、いただけるということで、大変に盛りあがりました。
ルグリたち男性ダンサーはねじり棒のようになった手ぬぐいを遠投で20列目くらいまでとどかせたり、アレクサンドロワたち女性ダンサーは逆に舞台近くまで押し寄せてきたファンに直接手渡したり・・・。
一投毎にくるりと回って見せたり、旺盛すぎるサービス精神ゆえに、最後舞台中央に取り残されたマラーホフをルグリが抱え上げて後方のポジションに戻らせる、というお茶目すぎる瞬間もあり、会場皆笑顔でのスタンディングオベーションと舞台客席双方からのお手振りで幕をA.Bプロ合わせて10回の熱演の幕がひとまず閉じました。
感想は11日のものですが、13日で改めて印象が変った演目についてはちょっと書き足してみました^^

第14回世界バレエフェスティバル <プログラムB>
8月11日(火)18:00開演 会場:東京文化会館
■第 1 部■ 18:00~18:55
「ディアナとアクテオン」
振付:アグリッピーナ・ワガノワ/音楽:チェーザレ・プーニ
ヴィエングセイ・ヴァルデス オシール・グネーオ
「シナトラ組曲」より"ワン・フォー・マイ・ベイビー"
振付:トワイラ・サープ/音楽:フランク・シナトラ
イーゴリ・ゼレンスキー
「ペール・ギュント」
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:アルフレット・シュニトケ
アンナ・ラウデール エドウィン・レヴァツォフ
「ライモンダ」より 幻想のアダージオ
振付:マリウス・プティパ/音楽:アレクサンドル・グラズノフ
ウリヤーナ・ロパートキナ ダニーラ・コルスンツェフ
「椿姫」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン
マリア・アイシュヴァルト アレクサンドル・リアブコ
<休憩15分>
■第 2 部■ 19:10~20:10
「眠れる森の美女」
振付:ルドルフ・ヌレエフ/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
リュドミラ・コノヴァロワ マチアス・エイマン
「ノー・マンズ・ランド」
振付:リアム・スカーレット/音楽:フランツ・リスト
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー
「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
サラ・ラム ワディム・ムンタギロフ
「ヴァーティゴ」
振付:マウロ・ビゴンゼッティ/音楽:ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
ディアナ・ヴィシニョーワ マルセロ・ゴメス
「ギリシャの踊り」
振付:モーリス・ベジャール/音楽:ミキス・テオドラキス
オスカー・シャコン
<休憩15分>
■第 3 部■ 20:25~21:15
「ロミオとジュリエット」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
ヤーナ・サレンコ スティーヴン・マックレー
「伝説」
振付:ジョン・クランコ/音楽:ヘンリク・ヴィエニャフスキ
アリシア・アマトリアン フリーデマン・フォーゲル
「椿姫」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン
タマラ・ロホ アルバン・レンドルフ
「レ・ブルジョワ」
振付:ベン・ファン・コーウェンベルク /音楽:ジャック・ブレル
ダニール・シムキン
「マノン」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:ジュール・マスネ
オレリー・デュポン エルヴェ・モロー
<休憩 10 分>
■第 4 部■ 21:25~22:15
「シンデレラ」
振付:ウラジーミル・マラーホフ/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
ヤーナ・サレンコ ウラジーミル・マラーホフ
「瀕死の白鳥」
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:カミーユ・サン=サーンス
ウリヤーナ・ロパートキナ
「シルヴィア」
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:レオ・ドリーブ
シルヴィア・アッツォーニ アレクサンドル・リアブコ
「こうもり」よりパ・ド・ドゥ
振付:ローラン・プティ/音楽:ヨハン・シュトラウス2世
イザベル・ゲラン マニュエル・ルグリ
「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
マリーヤ・アレクサンドロワ ウラディスラフ・ラントラートフ
指揮:ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:フレデリック・ヴァイセ=クニッテル (「ノー・マンズ・ランド」、「椿姫」)
チェロ:遠藤真理、ハープ:田中資子(「瀕死の白鳥」)
出演:矢島まい[東京バレエ団](「こうもり」)
個々に感想を・・・
■第 1 部■
◆「ディアナとアクテオン」
振付:アグリッピーナ・ワガノワ/音楽:チェーザレ・プーニ
ヴィエングセイ・ヴァルデス オシール・グネーオ
Aプロの大トリで驚異の身体能力を見せつけたCUBAのペアが、筋肉隆々のテクニシャンがガラで披露するイメージのあるこの作品を選んで今度はオープニングを飾ります。
オレンジライトの背景に、ヴァルデスのモスグリーンのひらひらしたワンショルダーのディアナ衣装が映えますね。
ありえないバランスの長さ、初めて見る派手やかなア―ムスの使い方など、ヴァルデスならではのテクニックご披露場面はありましたが、とにかく大らかでどこか愛らしい笑顔と丁寧な手首から先の表情の付け方など、運動能力だけで注目されているわけではない魅力を感じました。
グネ―オは引きしまった褐色のボディもベージュの腰巻?のアクテオン衣装の一部のように馴染んでいますが、踊りそのものはシャープで端正。品があるので、この方は王子様役でもみたいかも、と思ったことでした。
◆「シナトラ組曲」より"ワン・フォー・マイ・ベイビー"
振付:トワイラ・サープ/音楽:フランク・シナトラ
イーゴリ・ゼレンスキー
ゼレ様はAプロのならずものから打って変って洒脱な紳士。ジャジ―なリズムに身を任せて、蝶タイをほどいて黒タキシードをひょいとかついでのベスト姿で。
この方、王子様をバリバリ踊っていた頃から、お顔は決して美男というわけではないのに(失礼)その役を踊っていることが実に馴染んで見えると言う、正統を知るからこそのナチュラルな演技派と思っているのですが、こういう味も出せるダンサーになっていらしたのですね。
肩の力の抜けた洒落た演目は万雷の拍手で熱狂することになる後半に向けての贅沢なプロローグ。といえるのもバレフェスならでは。
◆「ペール・ギュント」
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:アルフレット・シュニトケ
アンナ・ラウデール エドウィン・レヴァツォフ
ラウデ―ル、レヴァツォフ。ハンブルグでリアブコ・アッツォー二ペアの他に1ペア、ということで選ばれてきただけある素晴らしきノイマイヤーダンサーなのだなと。
赤いオ―バ―オ―ルを素肌に来た短髪のレヴァツォフと白いナイトドレスのようなワンピースを着、頭部を肌色の透けるスカーフで覆ったラウデ―ル、どこか硬質な長身ダンサー2人が織りなす静謐で緊迫感の途絶えないドラマ性はスター揃いのフェスメンバーの中にあって見劣りしないものでした。
◆「ライモンダ」より 幻想のアダージオ
振付:マリウス・プティパ/音楽:アレクサンドル・グラズノフ
ウリヤーナ・ロパートキナ ダニーラ・コルスンツェフ
来た!古典、白いバレエ!ロパートキナのライモンダ衣装は上腕部の腕飾りと大きめのクラシックチュチュにのせた小さめのフリルに甘さのある、深く切れ込んだボディ部分の大人っぽいシンプルさとのバランスがステキなもの。
グレーがかったブルーにムラ雲が浮いている背景の前に、白いマントで仕える騎士仕様のコルスンツェフともども高雅な香りが漂うよう・・・。クラシックバレエ、かくあるべし、の演目でした。
それにしても、Aプロのボリショイライモンダとの持ち味の違いは改めて面白いですね。
◆「椿姫」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン
マリア・アイシュヴァルト アレクサンドル・リアブコ
舞台中央奥に金縁取りの姿見。下手奥に緋色のベルベットの寝椅子。姿見に自らを映し、激しくせき込むマルグリット。濃い紫の胸元に一輪の赤いカメリアのアイシュヴァルトのほっそりと美しいこと。エキゾチックな美貌とキャリアの後半にしてなお輝くダンサーとしての卓越した資質と何度も踊り込んできたノイマイヤー作品であることと、ほっそりと小柄でありながら内に秘めたエネルギーでどこまでもドラマを盛り立てつつ、いつで零度の地点に戻せる彼女の力量と。
その万全のアイシュバルト=マルグリットに渾身の力で走り込み激しく求愛するリアブコ=アルマン。
そんなリアブコの若さと情熱を少し離れたところから慈愛の眼差しで見下ろしながら、次第に心揺さぶられていくアイシュバルトの演技の流れに陶然とさせられました。リフトでいつも気になる、たっぷりとしたスカートに男性の顔がすっぽり隠れてしまう瞬間も、アイシュヴァルトはさりげなくポジションチェンジの手でスカートを押さえてリアブコの顔がはっきりと見えるように修正するなど、情熱の極致という場面での細部のさばき方も万全。
これがラドメ―カーだったらもっといいところのお坊ちゃまが道を踏み外す感が出るんだろうなと思いつつ、直情的で迷いのない充実したリアブコ=アルマンを見られたことはそれはそれで貴重な経験。
とても魅力的な作品なので、名ダンサーは好んで選ぶ演目ではありますが、今までたくさん観てきた中で納得したのは数ペア。今回はその短いリストに一行加えることができて幸せです。
<休憩15分>
■第 2 部■
◆「眠れる森の美女」
振付:ルドルフ・ヌレエフ/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
リュドミラ・コノヴァロワ マチアス・エイマン
ヌレエフ作品をマチアスが踊るのを観られる幸せ。アイボリーに金の装飾、後ろでまとめた縦ロールの王子衣装が似合うこと。マチアスはそのゴムまりのような身体能力の高さとテクニックゆえにモダン作品が一見似合いそうですが、独特のセンターオーラがあるので、テクニックも堪能しつつ王子としての華やかさも楽しめるヌレエフ振付の古典はぴったりですね。逆に踊れない人が踊ると、テクニックに気を取られてせわしない印象になることもあるヌレエフ作品がマチアスが踊るとたっぷりと豊かな踊りの時間に見えます。
これに愛らしい姫のミリアムが組んでくれるとOPERA座の未来に大いなる希望が持てる時間になったかと思われますが、ここは代役のコノヴァロワが大健闘。多分ルグリ先生の推薦かと^^
黒髪純白衣装で、愛らしいタイプ、ではないのですが、完璧にオーロラを踊りこなして急ごしらえのペアには見えませんでした。
13日、マチアスにも疲れが?ジャンプの着地の乱れがちらほらと見受けられ、いつもの圧倒されるようなパワーが分散してしまったような・・・。その分、コノヴァロワの安定感が支えとなってカーテンコールでの2人の雰囲気も、よりなじんできたように思えました。
GALAの「ドリーブ組曲」が楽しみです。
◆「ノー・マンズ・ランド」
振付:リアム・スカーレット/音楽:フランツ・リスト
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー
簡素なレオタードにミディ丈のスカートがついただけ、のような衣装で、さまざまなリフトからアリーナの四肢がゆっくりと伸ばされる・・・。反戦テーマの最前線間の無人地帯で繰り広げられる命を落とす兵士と嘆く女性のPDD.
笑顔のときもどこか泣き顔に見えるアリーナの表情と情感を称える体いっぱいに使った演技と、過不足なくしっかりと支えるコボーのいい意味での重さと。
抽象的な作品でここまで「伝わる」のが素晴らしいと。
アリーナの今まで観た舞台で一番と言っていいほど、心打たれました。
会場の反響も大きかったように思います。
◆「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
サラ・ラム ワディム・ムンタギロフ
スッキリ爽やかな淡い青の背景に青のハーレムパンツがアリだと分からせる記号にはなっていますが、どうしても奴隷には見えないスッキリ王子スタイルのムンタギロフが軽やかに空気を切って魅せるジャンプやスピードのあるマネージュは本物。対する紫ピンクのチュチュでどこのディズニープリンセスか?という風情のラムも2人揃ってスッキリ優しげなのに魅せるべきところはしっかりと魅せるテクニシャン。持ち味も魅力も能力も惜しげなく見せてくれました。多国籍でインターナショナルなロイヤルバレエ団ですが、金髪長身しなやかな持ち味の若い2人が特に古典作品では軸になりそうだなと。今後のロイヤルバレエのレパートリーも更に楽しみです。
◆「ヴァーティゴ」
振付:マウロ・ビゴンゼッティ/音楽:ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
ディアナ・ヴィシニョーワ マルセロ・ゴメス
登場した瞬間からため息ものの2人。
暗闇の背景にそこだけスポットの当たる黒髪・引きしまったマッチョボディの美男美女。
黒ショーツのゴメス、透けた部分がグラフィカルな模様になる黒レオタードのヴィシニョ―ワが繰り広げる緊迫感とその造形美にただただ酔いしれる一幕。
この強さと強烈な女性性を持ち合わせる濃い芸風のヴィシニョ―ワとがっぷり四つに組める相手は今はゴメス一択だと言わざるを得ませんが、その一対をこれほどまでに味わえる演目を観られて・・・それこそありがたくて眩暈がしそうです^^;
◆「ギリシャの踊り」
振付:モーリス・ベジャール/音楽:ミキス・テオドラキス
オスカー・シャコン
プログラムに並ぶ大御所の名前に紛れているように見えてしまった、ベジャールバレエ団唯一の参加者。
オスカー・シャコンは ベジャール作品が持つ、民族的なものを時代も地域も越えてグローバルな祝祭性を持たせる機能を、最大限にみせることのできる表現者であるということを証明しました。
暗闇の中に浮かび上がるドレッドヘア、褐色の肌、緩やかなひざ下の裾をちょっと絞った絶妙なシルエットの白いパンツ。ギリシャの民族舞踊のようでありながら、海を、祭りを、人間を賛美し愛したベジャールの魂が蘇ったような気がしました。
第2部終わった時点でもう・・・満足です。
<休憩15分>
■第 3 部■
◆「ロミオとジュリエット」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
ヤーナ・サレンコ スティーヴン・マックレー
薄物のジュリエット衣装をまとったサレンコが素晴らしい。バルコニー登場からロミオが忍んで来たのを発見2人で気持ちを伝えあい、別れを惜しむまで・・・の名場面ですが、オペラを使わなくても初々しい少女のトキメキが踊りに現れていて。マックレーも登場から颯爽として彼一流のロミオ。
ジュリエットが踊るのを座って眺めるときに、以前とはちがってやや落ち付いた風情が・・と思うのはハードルあげすぎ?
◆「伝説」
振付:ジョン・クランコ/音楽:ヘンリク・ヴィエニャフスキ
アリシア・アマトリアン フリーデマン・フォーゲル
淡いピンクのスカート付きレオタードのアマトリアンと薄い控えめなフリル付きの白いぺザントブラウスに淡グレータイツと言うシンプルなスタイルの長身の2人。思えば2003年のバレフェス初登場の若々しく愛らしい2人から結構な歳月が・・・。未だ若手に見える2人。灯台か蝋燭のように直立するアリシアを高々と掲げたリフトが印象的。
◆「椿姫」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン
タマラ・ロホ アルバン・レンドルフ
タマラの髪は地毛?定番の黒髪アップ耳隠しのマルグリットヘアがボリューミーで意外と似合わない・・・。
別れを告げたマルグリットのもとに納得がいかず尋ねてきたアルマンと再び激情が湧きあがり・・・という情熱的な名場面なのですが、レンドルフ、途中で5列目センター席に聞こえるレベルで激しい息遣いに・・・。
熱中症で倒れでもしたらどうしよう!と気が気でなかったのですが、彼は最後まで激しく踊り切りホッとしました。
レンドルフ、体型はガッチリ目でありつつひざ下はスッとしてお顔はパーツがセンターに集まっているせいか横幅のある気の良い青年、という感じなので、ロホが思いのほかたくましくて死病に侵されている感がないことと相まってなかなか作品世界に入り込めませんでした・・・。
この場面はなんといっても、2006年ジョエル・ブーローニュとアレクサンドル・リアブコのバレフェスAプロでの演技がMyBEST。すでに揺るぎないテクニックで日本ではまだ無名ながら注目を集めたリアブコの情熱と高いリフト、ブーローニュの作品世界にピッタリの枯れてなお色香のある女性という風情が素敵でした・・・。となぜか遠い眼。
13日、タマラのヘアスタイルが改善されていました!TOPのボリュームを押さえてルネサンスの婦人のようにしとやかなイメージに。それだけでもずいぶんと受ける印象が違います・・・。レンドルフはご本人のせいではありませんが、アルマンという役と持ち味はやはり異なるかも?
◆「レ・ブルジョワ」
振付:ベン・ファン・コーウェンベルク /音楽:ジャック・ブレル
ダニール・シムキン
童顔シムキンくんのもう一つの顔、「くしゃおじさん」バージョンの「レ・ブルジョワ」。
白シャツ黒ネクタイの中年男?がタバコ片手にひたすらヤサグレながら超絶技巧を見せる、という1人舞台。
昔話が止まらなくて申し訳ないのデスが、2003年、2006年のバレフェスで、シュツットガルトのフィリップ・バランキエヴィッチが無精ひげがセクシーな大人の男の魅力たっぷりに見せた演目で、きゃーステキ!
となった記憶が。
シムキンくんはこれをもうすでに何度も踊っていて、シムキンくんの「レ・ブルジョワ」はきっちりと作り上げられている感があるのですが・・・・。
童顔小柄金髪超絶技巧の持ち主の彼を活かす演目って「パリの炎」「レ・ブルジョワ」この真逆な2路線しかないのかしら・・・。
会場を沸かせる素晴らしいテクニックと緩急完璧に掌握したパフォーマーとしての資質、ディカプリオ系の狆顔(失礼!)の彼を打ち眺めながら、このままでいいのかしら・・となぜかプロデューサー目線に^^;
◆「マノン」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:ジュール・マスネ
オレリー・デュポン エルヴェ・モロー
演目発表からとても楽しみにしていたデュポンのマノン。
手紙を書くデグリューをコルセット姿のマノンがいたずらっぽく邪魔して・・からの愛のPDD.
マクミランらしい超絶技巧リフトを多用しながら若い恋人たちの疾走感を楽しむピースです。
美男美女のマノンとデグリュー。とても素敵ではあったのですが・・・。
リフトされて脚を小刻みにハサミのように動かす振りとか、この作品の振付のデフォルトがギエムになってしまっている自分を発見。もっと高い位置で・・・もっと素早く・・もっとダイナミックに・・・・。
ギエム全盛期には見過ぎて勿体なくも「またか」的な感情を持たないでもなかったのに(こら)そのパフォーマンスが如何に貴重であったかを改めて。
オペラ座卒業時にはかなわなかったデュポン・モローペアでマノンを観ると言うこれまた貴重な機会を得ていると言うのに勿体ない。
ちょっとこの第3部、観る側の自分が疲れていたのかも。
13日、デュポンのマノンヘア(くるくる巻き毛のアップ)の具合が良い感じに結いあげられていて、11日より一層美しく見えました。そして踊りも2人の息がますます合ってきて、本当に2人の世界に入り込めました。
Bプロ初日を観た友人が、デュポンの差し出した手にモローがすぐに合わせることができなかったりちぐはくなところが随所気になった、と言っていたので、だんだんと練り上げられてくる部分もあるのでしょうね。
<休憩 10 分>
■第 4 部■ 21:25~22:15
◆「シンデレラ」
振付:ウラジーミル・マラーホフ/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
ヤーナ・サレンコ ウラジーミル・マラーホフ
さて、シンデレラ。サレンコのお衣装、彼女お気に入りのカット(ややアメリカンスリーブ気味のノースリーブにやや詰まった襟もとの胴着)にセンターがやや短い凝ったフォルムのラメやスパンやオ―ガンジーが上手に仕込まれた一見とてもシンプルなお衣装のサレンコが、丁寧なマラーホフのサポートを受けて輝いていました。
後ろから見るとちょっとアンドロイドっぽい?シ―ムが入った王子のお衣装はやはりノースリーブの胴着とタイツの組合せで、着こなしとしての難易度が高いタイプなのをマラーホフが気合で(ダイエットも頑張ったのでしょうね!)で着こなしていました。
マラーホフ自身はご自分のHPを立ち上げられた時に「TRUE PRINCE」というタイトルをつけていらしたことからも、やはり王子役に踊り甲斐を感じるタイプでいらっしゃるのでしょうね。
前回はこれが最後かも・・と思ったことを想うと感慨深いです。
◆「瀕死の白鳥」
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:カミーユ・サン=サーンス
ウリヤーナ・ロパートキナ
ロシアバレエの伝統を継ぐのはあなたです!
ロパートキナ様がプリセツカヤの伝説を受け継がれるのだなぁと。
ひそやかに、ひそやかに息絶える白鳥の麗しい姿。
これだけ幽玄の世界のヴェールをまとってなお優美さに客席が沸くパフォーマンスができるのは、やはり今はロパートキナだけなのかもしれませんね。
◆「シルヴィア」
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:レオ・ドリーブ
シルヴィア・アッツォーニ アレクサンドル・リアブコ
グリーンの背景に大きな三日月。ブルーグレーのレトロなスーツ姿のアッツォー二にグレーのスーツのインはTシャツ?のリアブコが神話をベースにした古典を現代的な男女のドラマに置き換えたノイマイヤーワールドを踊ります・・・と聞けばどれだけ素晴らしいのか、心ときめくところなのですが・・・。
どこがどうしてダメなのかわからないのですが、これを2003年にデュポン・ルグリで観た時も、作品が意味するところもパフォーマンスも素晴らしいのになぜか・・・。
こんなこともあります。作品と自分との相性でしょう。
◆「こうもり」よりパ・ド・ドゥ
振付:ローラン・プティ/音楽:ヨハン・シュトラウス2世
イザベル・ゲラン マニュエル・ルグリ
ゲランが白い室内着で(簡単なロングのワンピース)あたふたしている。電話を小間使いが持ってきてゲランが電話の相手(ウルリック)と色々と相談しているのですが、電話線に引っ張られる小間使いとあたふたするゲランの小芝居にドラマティックバレリーナはドラマ(悲劇)だけでなくコメディ(喜劇)もお得意なのねと頬が緩みます。
夜な夜な出かける夫の浮気を疑う妻がウルリック男爵の入れ知恵で艶やかな女性に変身して夫を誘惑する・・・ために出かけるまで、の一幕。
颯爽と現れてコミカルに入れ知恵しつつも素晴らしく音楽にフィットした素早いフェッテなど、踊りも演技も円熟味を増したことが嬉しく素直に受け入れられるルグリ先生の作品選びは「若さの芸術」と言われるバレエ界で、プロデューサー的な視点を若い頃から持っていた彼ならでは。
さて、お着替えして登場!のゲランのふくいくとした艶やかさも含め、幸せな気持ちでヨハン・シュトラウス2世の音楽と洒脱な舞台進行をたっぷりと楽しんだ演目でした。
この2人の楽しさ、美しさ、達者な芝居心をみるにつけ、もはやバレエは「若さの芸術」とばかりは言っていられないかも。これからは「大人の芸術」というジャンルを是非ルグリ先生中心に掘り下げて極めていただきたいと切に望みます。
ルグリ先生のどこまでも高揚する音楽にぴったりの生き生きとした表情、素早いスピンとステップ、ゲランと小間使いの矢島まいさんとの掛け合いが素晴らしく、ヒロインゲランともども、会場を大いに沸かせました!
◆「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
マリーヤ・アレクサンドロワ ウラディスラフ・ラントラートフ
来た!サービス精神の塊のようなボリショイペアが大トリを飾ります。
まってましたといわんばかりの笑顔の登場から、片手の大リフトの連続、フェッテ合戦。・・に釣られるように、オケがかなり走ってましたので合わせるのが大変だったはず・・・。
実際アレクサンドロワのサポート付きのフェッテは珍しく何度か軸が傾いてひやっとしましたがそれを気どらせないサポートと決めポーズや笑顔やキスの応酬の華やかさ。
コ―ダでのキトリのフェッテはほぼオールシングル。ダブル入れたら大変なことになりそうなオケのスピードでしたから・・・。
それにしても、PDDからそれぞれのソロに移るために掃けるときでさえ、キュッと扇を使ってポージングを決めてから大きなジュテで幕の向こうに消えるマ―シャの客席を幸せにしようと発するエネルギーはスゴイ。
ラントラ―トフさんもほっそりとした体型のどこにあのエネルギーが?と思わせるボリショイ男子ならではのダイナミズムを存分に披露してくれました。
カーテンコール、この日は第一部の途中で2回になってから大御所続きだったこともあり、2回を通常運行で進み、ロパ―トキナの「瀕死」とゲラン・ルグリの「こうもり」で3回に。
ラストも?と思いましたが一回当たりのファンサが濃く尺をとったせいか(笑)オケが早々にフィナーレの音楽を鳴らし始めての2回、でした^^この流れは13日も変わらず^^
それにしても・・・4時間半がアッという間。さすがバレフェス
Bプロをあと一回、そしてGALAで最後とは・・・。早いものです^^;
8月8,9,11,12,13と5日間にわたって繰り広げられるBプログラム。
My初日は11日。踊り慣れてこなれてきたところ・・・でしょうか。
猛暑の上野、東京文化会館に赴く夕べ。
パリオペ期待のペア、今回が初出場になるはずだったミリアム・ウルド=ブラ―ムは出産後驚異的な復帰を果たしたと聞いていたのですが、脚の故障でバレフェスは欠場。
Aプロはソロ作品で乗り切った相手役のマチアスはウィーン国立バレエ団のリュドミラ・コノヴァロワと組んで「眠れる森の美女」ガラでは「ドリーブ組曲」を踊るそう。
ABTとボリショイという真逆な持ち味のバレエ団をまたにかけて活躍中のデヴィッド・ホールバーグも怪我からの復帰のめどが立たず、今回は欠場。相手役として予定されていたスヴェトラ―ナ・ルンキナも同時に欠場。
シムキンくんとペアを組む予定だったマリア・コチェトコワは直前のローマ公演で脚に負傷でAプロには間に合わないとされていましたが、Bプロもムリとわかり、シムキンくんはソロで踊ることに。
そして驚いたことに、Aプロでは超難易度の高い作品をアイシュヴァルト様と組んで完璧なパートナーシップをみせていたマライン・ラドメーカーがBプロ2回までは勤めたものの、膝の故障で今日から出られず、代役をリアブコが勤めることに。
不足はありませんが、ラドメ―カ―が心配です。。。
そして、13日はBプロの千秋楽。
あと、日曜日のGALAも控えていますが、一応本公演としては本日が最終日という扱いなのでしょうか。
恒例の千秋楽企画、ダンサー全員のサインをプリントした手ぬぐいがフィナーレのあと、舞台上のダンサーから客席に向かって投げ込まれ、席番14の方も、第14回にちなんで、いただけるということで、大変に盛りあがりました。
ルグリたち男性ダンサーはねじり棒のようになった手ぬぐいを遠投で20列目くらいまでとどかせたり、アレクサンドロワたち女性ダンサーは逆に舞台近くまで押し寄せてきたファンに直接手渡したり・・・。
一投毎にくるりと回って見せたり、旺盛すぎるサービス精神ゆえに、最後舞台中央に取り残されたマラーホフをルグリが抱え上げて後方のポジションに戻らせる、というお茶目すぎる瞬間もあり、会場皆笑顔でのスタンディングオベーションと舞台客席双方からのお手振りで幕をA.Bプロ合わせて10回の熱演の幕がひとまず閉じました。
感想は11日のものですが、13日で改めて印象が変った演目についてはちょっと書き足してみました^^

第14回世界バレエフェスティバル <プログラムB>
8月11日(火)18:00開演 会場:東京文化会館
■第 1 部■ 18:00~18:55
「ディアナとアクテオン」
振付:アグリッピーナ・ワガノワ/音楽:チェーザレ・プーニ
ヴィエングセイ・ヴァルデス オシール・グネーオ
「シナトラ組曲」より"ワン・フォー・マイ・ベイビー"
振付:トワイラ・サープ/音楽:フランク・シナトラ
イーゴリ・ゼレンスキー
「ペール・ギュント」
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:アルフレット・シュニトケ
アンナ・ラウデール エドウィン・レヴァツォフ
「ライモンダ」より 幻想のアダージオ
振付:マリウス・プティパ/音楽:アレクサンドル・グラズノフ
ウリヤーナ・ロパートキナ ダニーラ・コルスンツェフ
「椿姫」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン
マリア・アイシュヴァルト アレクサンドル・リアブコ
<休憩15分>
■第 2 部■ 19:10~20:10
「眠れる森の美女」
振付:ルドルフ・ヌレエフ/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
リュドミラ・コノヴァロワ マチアス・エイマン
「ノー・マンズ・ランド」
振付:リアム・スカーレット/音楽:フランツ・リスト
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー
「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
サラ・ラム ワディム・ムンタギロフ
「ヴァーティゴ」
振付:マウロ・ビゴンゼッティ/音楽:ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
ディアナ・ヴィシニョーワ マルセロ・ゴメス
「ギリシャの踊り」
振付:モーリス・ベジャール/音楽:ミキス・テオドラキス
オスカー・シャコン
<休憩15分>
■第 3 部■ 20:25~21:15
「ロミオとジュリエット」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
ヤーナ・サレンコ スティーヴン・マックレー
「伝説」
振付:ジョン・クランコ/音楽:ヘンリク・ヴィエニャフスキ
アリシア・アマトリアン フリーデマン・フォーゲル
「椿姫」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン
タマラ・ロホ アルバン・レンドルフ
「レ・ブルジョワ」
振付:ベン・ファン・コーウェンベルク /音楽:ジャック・ブレル
ダニール・シムキン
「マノン」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:ジュール・マスネ
オレリー・デュポン エルヴェ・モロー
<休憩 10 分>
■第 4 部■ 21:25~22:15
「シンデレラ」
振付:ウラジーミル・マラーホフ/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
ヤーナ・サレンコ ウラジーミル・マラーホフ
「瀕死の白鳥」
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:カミーユ・サン=サーンス
ウリヤーナ・ロパートキナ
「シルヴィア」
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:レオ・ドリーブ
シルヴィア・アッツォーニ アレクサンドル・リアブコ
「こうもり」よりパ・ド・ドゥ
振付:ローラン・プティ/音楽:ヨハン・シュトラウス2世
イザベル・ゲラン マニュエル・ルグリ
「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
マリーヤ・アレクサンドロワ ウラディスラフ・ラントラートフ
指揮:ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:フレデリック・ヴァイセ=クニッテル (「ノー・マンズ・ランド」、「椿姫」)
チェロ:遠藤真理、ハープ:田中資子(「瀕死の白鳥」)
出演:矢島まい[東京バレエ団](「こうもり」)
個々に感想を・・・
■第 1 部■
◆「ディアナとアクテオン」
振付:アグリッピーナ・ワガノワ/音楽:チェーザレ・プーニ
ヴィエングセイ・ヴァルデス オシール・グネーオ
Aプロの大トリで驚異の身体能力を見せつけたCUBAのペアが、筋肉隆々のテクニシャンがガラで披露するイメージのあるこの作品を選んで今度はオープニングを飾ります。
オレンジライトの背景に、ヴァルデスのモスグリーンのひらひらしたワンショルダーのディアナ衣装が映えますね。
ありえないバランスの長さ、初めて見る派手やかなア―ムスの使い方など、ヴァルデスならではのテクニックご披露場面はありましたが、とにかく大らかでどこか愛らしい笑顔と丁寧な手首から先の表情の付け方など、運動能力だけで注目されているわけではない魅力を感じました。
グネ―オは引きしまった褐色のボディもベージュの腰巻?のアクテオン衣装の一部のように馴染んでいますが、踊りそのものはシャープで端正。品があるので、この方は王子様役でもみたいかも、と思ったことでした。
◆「シナトラ組曲」より"ワン・フォー・マイ・ベイビー"
振付:トワイラ・サープ/音楽:フランク・シナトラ
イーゴリ・ゼレンスキー
ゼレ様はAプロのならずものから打って変って洒脱な紳士。ジャジ―なリズムに身を任せて、蝶タイをほどいて黒タキシードをひょいとかついでのベスト姿で。
この方、王子様をバリバリ踊っていた頃から、お顔は決して美男というわけではないのに(失礼)その役を踊っていることが実に馴染んで見えると言う、正統を知るからこそのナチュラルな演技派と思っているのですが、こういう味も出せるダンサーになっていらしたのですね。
肩の力の抜けた洒落た演目は万雷の拍手で熱狂することになる後半に向けての贅沢なプロローグ。といえるのもバレフェスならでは。
◆「ペール・ギュント」
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:アルフレット・シュニトケ
アンナ・ラウデール エドウィン・レヴァツォフ
ラウデ―ル、レヴァツォフ。ハンブルグでリアブコ・アッツォー二ペアの他に1ペア、ということで選ばれてきただけある素晴らしきノイマイヤーダンサーなのだなと。
赤いオ―バ―オ―ルを素肌に来た短髪のレヴァツォフと白いナイトドレスのようなワンピースを着、頭部を肌色の透けるスカーフで覆ったラウデ―ル、どこか硬質な長身ダンサー2人が織りなす静謐で緊迫感の途絶えないドラマ性はスター揃いのフェスメンバーの中にあって見劣りしないものでした。
◆「ライモンダ」より 幻想のアダージオ
振付:マリウス・プティパ/音楽:アレクサンドル・グラズノフ
ウリヤーナ・ロパートキナ ダニーラ・コルスンツェフ
来た!古典、白いバレエ!ロパートキナのライモンダ衣装は上腕部の腕飾りと大きめのクラシックチュチュにのせた小さめのフリルに甘さのある、深く切れ込んだボディ部分の大人っぽいシンプルさとのバランスがステキなもの。
グレーがかったブルーにムラ雲が浮いている背景の前に、白いマントで仕える騎士仕様のコルスンツェフともども高雅な香りが漂うよう・・・。クラシックバレエ、かくあるべし、の演目でした。
それにしても、Aプロのボリショイライモンダとの持ち味の違いは改めて面白いですね。
◆「椿姫」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン
マリア・アイシュヴァルト アレクサンドル・リアブコ
舞台中央奥に金縁取りの姿見。下手奥に緋色のベルベットの寝椅子。姿見に自らを映し、激しくせき込むマルグリット。濃い紫の胸元に一輪の赤いカメリアのアイシュヴァルトのほっそりと美しいこと。エキゾチックな美貌とキャリアの後半にしてなお輝くダンサーとしての卓越した資質と何度も踊り込んできたノイマイヤー作品であることと、ほっそりと小柄でありながら内に秘めたエネルギーでどこまでもドラマを盛り立てつつ、いつで零度の地点に戻せる彼女の力量と。
その万全のアイシュバルト=マルグリットに渾身の力で走り込み激しく求愛するリアブコ=アルマン。
そんなリアブコの若さと情熱を少し離れたところから慈愛の眼差しで見下ろしながら、次第に心揺さぶられていくアイシュバルトの演技の流れに陶然とさせられました。リフトでいつも気になる、たっぷりとしたスカートに男性の顔がすっぽり隠れてしまう瞬間も、アイシュヴァルトはさりげなくポジションチェンジの手でスカートを押さえてリアブコの顔がはっきりと見えるように修正するなど、情熱の極致という場面での細部のさばき方も万全。
これがラドメ―カーだったらもっといいところのお坊ちゃまが道を踏み外す感が出るんだろうなと思いつつ、直情的で迷いのない充実したリアブコ=アルマンを見られたことはそれはそれで貴重な経験。
とても魅力的な作品なので、名ダンサーは好んで選ぶ演目ではありますが、今までたくさん観てきた中で納得したのは数ペア。今回はその短いリストに一行加えることができて幸せです。
<休憩15分>
■第 2 部■
◆「眠れる森の美女」
振付:ルドルフ・ヌレエフ/音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
リュドミラ・コノヴァロワ マチアス・エイマン
ヌレエフ作品をマチアスが踊るのを観られる幸せ。アイボリーに金の装飾、後ろでまとめた縦ロールの王子衣装が似合うこと。マチアスはそのゴムまりのような身体能力の高さとテクニックゆえにモダン作品が一見似合いそうですが、独特のセンターオーラがあるので、テクニックも堪能しつつ王子としての華やかさも楽しめるヌレエフ振付の古典はぴったりですね。逆に踊れない人が踊ると、テクニックに気を取られてせわしない印象になることもあるヌレエフ作品がマチアスが踊るとたっぷりと豊かな踊りの時間に見えます。
これに愛らしい姫のミリアムが組んでくれるとOPERA座の未来に大いなる希望が持てる時間になったかと思われますが、ここは代役のコノヴァロワが大健闘。多分ルグリ先生の推薦かと^^
黒髪純白衣装で、愛らしいタイプ、ではないのですが、完璧にオーロラを踊りこなして急ごしらえのペアには見えませんでした。
13日、マチアスにも疲れが?ジャンプの着地の乱れがちらほらと見受けられ、いつもの圧倒されるようなパワーが分散してしまったような・・・。その分、コノヴァロワの安定感が支えとなってカーテンコールでの2人の雰囲気も、よりなじんできたように思えました。
GALAの「ドリーブ組曲」が楽しみです。
◆「ノー・マンズ・ランド」
振付:リアム・スカーレット/音楽:フランツ・リスト
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー
簡素なレオタードにミディ丈のスカートがついただけ、のような衣装で、さまざまなリフトからアリーナの四肢がゆっくりと伸ばされる・・・。反戦テーマの最前線間の無人地帯で繰り広げられる命を落とす兵士と嘆く女性のPDD.
笑顔のときもどこか泣き顔に見えるアリーナの表情と情感を称える体いっぱいに使った演技と、過不足なくしっかりと支えるコボーのいい意味での重さと。
抽象的な作品でここまで「伝わる」のが素晴らしいと。
アリーナの今まで観た舞台で一番と言っていいほど、心打たれました。
会場の反響も大きかったように思います。
◆「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
サラ・ラム ワディム・ムンタギロフ
スッキリ爽やかな淡い青の背景に青のハーレムパンツがアリだと分からせる記号にはなっていますが、どうしても奴隷には見えないスッキリ王子スタイルのムンタギロフが軽やかに空気を切って魅せるジャンプやスピードのあるマネージュは本物。対する紫ピンクのチュチュでどこのディズニープリンセスか?という風情のラムも2人揃ってスッキリ優しげなのに魅せるべきところはしっかりと魅せるテクニシャン。持ち味も魅力も能力も惜しげなく見せてくれました。多国籍でインターナショナルなロイヤルバレエ団ですが、金髪長身しなやかな持ち味の若い2人が特に古典作品では軸になりそうだなと。今後のロイヤルバレエのレパートリーも更に楽しみです。
◆「ヴァーティゴ」
振付:マウロ・ビゴンゼッティ/音楽:ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
ディアナ・ヴィシニョーワ マルセロ・ゴメス
登場した瞬間からため息ものの2人。
暗闇の背景にそこだけスポットの当たる黒髪・引きしまったマッチョボディの美男美女。
黒ショーツのゴメス、透けた部分がグラフィカルな模様になる黒レオタードのヴィシニョ―ワが繰り広げる緊迫感とその造形美にただただ酔いしれる一幕。
この強さと強烈な女性性を持ち合わせる濃い芸風のヴィシニョ―ワとがっぷり四つに組める相手は今はゴメス一択だと言わざるを得ませんが、その一対をこれほどまでに味わえる演目を観られて・・・それこそありがたくて眩暈がしそうです^^;
◆「ギリシャの踊り」
振付:モーリス・ベジャール/音楽:ミキス・テオドラキス
オスカー・シャコン
プログラムに並ぶ大御所の名前に紛れているように見えてしまった、ベジャールバレエ団唯一の参加者。
オスカー・シャコンは ベジャール作品が持つ、民族的なものを時代も地域も越えてグローバルな祝祭性を持たせる機能を、最大限にみせることのできる表現者であるということを証明しました。
暗闇の中に浮かび上がるドレッドヘア、褐色の肌、緩やかなひざ下の裾をちょっと絞った絶妙なシルエットの白いパンツ。ギリシャの民族舞踊のようでありながら、海を、祭りを、人間を賛美し愛したベジャールの魂が蘇ったような気がしました。
第2部終わった時点でもう・・・満足です。
<休憩15分>
■第 3 部■
◆「ロミオとジュリエット」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
ヤーナ・サレンコ スティーヴン・マックレー
薄物のジュリエット衣装をまとったサレンコが素晴らしい。バルコニー登場からロミオが忍んで来たのを発見2人で気持ちを伝えあい、別れを惜しむまで・・・の名場面ですが、オペラを使わなくても初々しい少女のトキメキが踊りに現れていて。マックレーも登場から颯爽として彼一流のロミオ。
ジュリエットが踊るのを座って眺めるときに、以前とはちがってやや落ち付いた風情が・・と思うのはハードルあげすぎ?
◆「伝説」
振付:ジョン・クランコ/音楽:ヘンリク・ヴィエニャフスキ
アリシア・アマトリアン フリーデマン・フォーゲル
淡いピンクのスカート付きレオタードのアマトリアンと薄い控えめなフリル付きの白いぺザントブラウスに淡グレータイツと言うシンプルなスタイルの長身の2人。思えば2003年のバレフェス初登場の若々しく愛らしい2人から結構な歳月が・・・。未だ若手に見える2人。灯台か蝋燭のように直立するアリシアを高々と掲げたリフトが印象的。
◆「椿姫」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン
タマラ・ロホ アルバン・レンドルフ
タマラの髪は地毛?定番の黒髪アップ耳隠しのマルグリットヘアがボリューミーで意外と似合わない・・・。
別れを告げたマルグリットのもとに納得がいかず尋ねてきたアルマンと再び激情が湧きあがり・・・という情熱的な名場面なのですが、レンドルフ、途中で5列目センター席に聞こえるレベルで激しい息遣いに・・・。
熱中症で倒れでもしたらどうしよう!と気が気でなかったのですが、彼は最後まで激しく踊り切りホッとしました。
レンドルフ、体型はガッチリ目でありつつひざ下はスッとしてお顔はパーツがセンターに集まっているせいか横幅のある気の良い青年、という感じなので、ロホが思いのほかたくましくて死病に侵されている感がないことと相まってなかなか作品世界に入り込めませんでした・・・。
この場面はなんといっても、2006年ジョエル・ブーローニュとアレクサンドル・リアブコのバレフェスAプロでの演技がMyBEST。すでに揺るぎないテクニックで日本ではまだ無名ながら注目を集めたリアブコの情熱と高いリフト、ブーローニュの作品世界にピッタリの枯れてなお色香のある女性という風情が素敵でした・・・。となぜか遠い眼。
13日、タマラのヘアスタイルが改善されていました!TOPのボリュームを押さえてルネサンスの婦人のようにしとやかなイメージに。それだけでもずいぶんと受ける印象が違います・・・。レンドルフはご本人のせいではありませんが、アルマンという役と持ち味はやはり異なるかも?
◆「レ・ブルジョワ」
振付:ベン・ファン・コーウェンベルク /音楽:ジャック・ブレル
ダニール・シムキン
童顔シムキンくんのもう一つの顔、「くしゃおじさん」バージョンの「レ・ブルジョワ」。
白シャツ黒ネクタイの中年男?がタバコ片手にひたすらヤサグレながら超絶技巧を見せる、という1人舞台。
昔話が止まらなくて申し訳ないのデスが、2003年、2006年のバレフェスで、シュツットガルトのフィリップ・バランキエヴィッチが無精ひげがセクシーな大人の男の魅力たっぷりに見せた演目で、きゃーステキ!

シムキンくんはこれをもうすでに何度も踊っていて、シムキンくんの「レ・ブルジョワ」はきっちりと作り上げられている感があるのですが・・・・。
童顔小柄金髪超絶技巧の持ち主の彼を活かす演目って「パリの炎」「レ・ブルジョワ」この真逆な2路線しかないのかしら・・・。
会場を沸かせる素晴らしいテクニックと緩急完璧に掌握したパフォーマーとしての資質、ディカプリオ系の狆顔(失礼!)の彼を打ち眺めながら、このままでいいのかしら・・となぜかプロデューサー目線に^^;
◆「マノン」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:ジュール・マスネ
オレリー・デュポン エルヴェ・モロー
演目発表からとても楽しみにしていたデュポンのマノン。
手紙を書くデグリューをコルセット姿のマノンがいたずらっぽく邪魔して・・からの愛のPDD.
マクミランらしい超絶技巧リフトを多用しながら若い恋人たちの疾走感を楽しむピースです。
美男美女のマノンとデグリュー。とても素敵ではあったのですが・・・。
リフトされて脚を小刻みにハサミのように動かす振りとか、この作品の振付のデフォルトがギエムになってしまっている自分を発見。もっと高い位置で・・・もっと素早く・・もっとダイナミックに・・・・。
ギエム全盛期には見過ぎて勿体なくも「またか」的な感情を持たないでもなかったのに(こら)そのパフォーマンスが如何に貴重であったかを改めて。
オペラ座卒業時にはかなわなかったデュポン・モローペアでマノンを観ると言うこれまた貴重な機会を得ていると言うのに勿体ない。
ちょっとこの第3部、観る側の自分が疲れていたのかも。
13日、デュポンのマノンヘア(くるくる巻き毛のアップ)の具合が良い感じに結いあげられていて、11日より一層美しく見えました。そして踊りも2人の息がますます合ってきて、本当に2人の世界に入り込めました。
Bプロ初日を観た友人が、デュポンの差し出した手にモローがすぐに合わせることができなかったりちぐはくなところが随所気になった、と言っていたので、だんだんと練り上げられてくる部分もあるのでしょうね。
<休憩 10 分>
■第 4 部■ 21:25~22:15
◆「シンデレラ」
振付:ウラジーミル・マラーホフ/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
ヤーナ・サレンコ ウラジーミル・マラーホフ
さて、シンデレラ。サレンコのお衣装、彼女お気に入りのカット(ややアメリカンスリーブ気味のノースリーブにやや詰まった襟もとの胴着)にセンターがやや短い凝ったフォルムのラメやスパンやオ―ガンジーが上手に仕込まれた一見とてもシンプルなお衣装のサレンコが、丁寧なマラーホフのサポートを受けて輝いていました。
後ろから見るとちょっとアンドロイドっぽい?シ―ムが入った王子のお衣装はやはりノースリーブの胴着とタイツの組合せで、着こなしとしての難易度が高いタイプなのをマラーホフが気合で(ダイエットも頑張ったのでしょうね!)で着こなしていました。
マラーホフ自身はご自分のHPを立ち上げられた時に「TRUE PRINCE」というタイトルをつけていらしたことからも、やはり王子役に踊り甲斐を感じるタイプでいらっしゃるのでしょうね。
前回はこれが最後かも・・と思ったことを想うと感慨深いです。
◆「瀕死の白鳥」
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:カミーユ・サン=サーンス
ウリヤーナ・ロパートキナ
ロシアバレエの伝統を継ぐのはあなたです!
ロパートキナ様がプリセツカヤの伝説を受け継がれるのだなぁと。
ひそやかに、ひそやかに息絶える白鳥の麗しい姿。
これだけ幽玄の世界のヴェールをまとってなお優美さに客席が沸くパフォーマンスができるのは、やはり今はロパートキナだけなのかもしれませんね。
◆「シルヴィア」
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:レオ・ドリーブ
シルヴィア・アッツォーニ アレクサンドル・リアブコ
グリーンの背景に大きな三日月。ブルーグレーのレトロなスーツ姿のアッツォー二にグレーのスーツのインはTシャツ?のリアブコが神話をベースにした古典を現代的な男女のドラマに置き換えたノイマイヤーワールドを踊ります・・・と聞けばどれだけ素晴らしいのか、心ときめくところなのですが・・・。
どこがどうしてダメなのかわからないのですが、これを2003年にデュポン・ルグリで観た時も、作品が意味するところもパフォーマンスも素晴らしいのになぜか・・・。
こんなこともあります。作品と自分との相性でしょう。
◆「こうもり」よりパ・ド・ドゥ
振付:ローラン・プティ/音楽:ヨハン・シュトラウス2世
イザベル・ゲラン マニュエル・ルグリ
ゲランが白い室内着で(簡単なロングのワンピース)あたふたしている。電話を小間使いが持ってきてゲランが電話の相手(ウルリック)と色々と相談しているのですが、電話線に引っ張られる小間使いとあたふたするゲランの小芝居にドラマティックバレリーナはドラマ(悲劇)だけでなくコメディ(喜劇)もお得意なのねと頬が緩みます。
夜な夜な出かける夫の浮気を疑う妻がウルリック男爵の入れ知恵で艶やかな女性に変身して夫を誘惑する・・・ために出かけるまで、の一幕。
颯爽と現れてコミカルに入れ知恵しつつも素晴らしく音楽にフィットした素早いフェッテなど、踊りも演技も円熟味を増したことが嬉しく素直に受け入れられるルグリ先生の作品選びは「若さの芸術」と言われるバレエ界で、プロデューサー的な視点を若い頃から持っていた彼ならでは。
さて、お着替えして登場!のゲランのふくいくとした艶やかさも含め、幸せな気持ちでヨハン・シュトラウス2世の音楽と洒脱な舞台進行をたっぷりと楽しんだ演目でした。
この2人の楽しさ、美しさ、達者な芝居心をみるにつけ、もはやバレエは「若さの芸術」とばかりは言っていられないかも。これからは「大人の芸術」というジャンルを是非ルグリ先生中心に掘り下げて極めていただきたいと切に望みます。
ルグリ先生のどこまでも高揚する音楽にぴったりの生き生きとした表情、素早いスピンとステップ、ゲランと小間使いの矢島まいさんとの掛け合いが素晴らしく、ヒロインゲランともども、会場を大いに沸かせました!
◆「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
マリーヤ・アレクサンドロワ ウラディスラフ・ラントラートフ
来た!サービス精神の塊のようなボリショイペアが大トリを飾ります。
まってましたといわんばかりの笑顔の登場から、片手の大リフトの連続、フェッテ合戦。・・に釣られるように、オケがかなり走ってましたので合わせるのが大変だったはず・・・。
実際アレクサンドロワのサポート付きのフェッテは珍しく何度か軸が傾いてひやっとしましたがそれを気どらせないサポートと決めポーズや笑顔やキスの応酬の華やかさ。
コ―ダでのキトリのフェッテはほぼオールシングル。ダブル入れたら大変なことになりそうなオケのスピードでしたから・・・。
それにしても、PDDからそれぞれのソロに移るために掃けるときでさえ、キュッと扇を使ってポージングを決めてから大きなジュテで幕の向こうに消えるマ―シャの客席を幸せにしようと発するエネルギーはスゴイ。
ラントラ―トフさんもほっそりとした体型のどこにあのエネルギーが?と思わせるボリショイ男子ならではのダイナミズムを存分に披露してくれました。
カーテンコール、この日は第一部の途中で2回になってから大御所続きだったこともあり、2回を通常運行で進み、ロパ―トキナの「瀕死」とゲラン・ルグリの「こうもり」で3回に。
ラストも?と思いましたが一回当たりのファンサが濃く尺をとったせいか(笑)オケが早々にフィナーレの音楽を鳴らし始めての2回、でした^^この流れは13日も変わらず^^
それにしても・・・4時間半がアッという間。さすがバレフェス

Bプロをあと一回、そしてGALAで最後とは・・・。早いものです^^;
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