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バレフェスAプロ⑪

2006-08-08 05:23:59 | BALLET
★「マノン」より ”沼地のパ・ド・ドゥ”
KIROVバレエのディアナ・ヴィシニョーワとベルリン国立バレエ団の芸術監督ウラジーミル・マラーホフ

「マノン・レスコー」の最後のシーン。贅沢にあこがれて恋人を捨てて金持ちの愛人となるも追いかけてきた恋人のために愛人を裏切りいかさま博打と売春の罪で訴えられ流刑地であるルイジアナで恋人に助けられて脱獄するも、力尽きて命を落とす、壮絶なラスト。
ジュール・マスネのドラマチックな音楽とケネス・マクミランの超絶技巧を駆使したリフトの連続で構成される振付。
しっかり踊ると美しいリフトの回転技もヴィシニョーワはテクニックを前面に押し出すことなく、あくまでマノンとして息絶える直前の女性の最後の輝きとして演じ、持ち前の女性的な艶やかな美しさがボロきれとぼさぼさのきりっぱなしの髪、という衣装にもかかわらず滲み出てしまうところなど、正にマノンそのもの!
金髪が風に流れ、トランスセクシュアルな少年っぽさがいつまでも残る重力を感じさせない個性のマラーホフも、近年は”純真で誠実な恋人”としての役どころに新境地を開いており、ロマンチックな彼の役作りは時として過剰なまでにドラマ性を感じさせるヴィシと相性抜群。

この演目、前回はギエムとル・リッシュで見て、これぞ決定版、と思ったものでしたが。
マクミラン振付のフォルムの美しさではギエムが上だが、ドラマに即した役作り、という面では今回のペアに軍配が上がるかも・・・。


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