2013年4月2日発行の朝日新聞紙の夕刊一面に、「シャープ、1000億円公募増資へ」という特ダネ記事が載っていました。
経営再建中のシャープが財務基盤を安定させて、事業再建に向けた、大きな一歩になりそうな動きを伝える見込み報道記事です。
朝日新聞紙の当該記者が、この「1000億円規模の公募増資に踏み切る方針を固めた」との推定した理由は、「シャープが近く公表する3カ年の中期経営計画に盛り込む。財務基盤を安定させ、市場での資金調達を再開する狙い。当初、実現性の面から難色を示していた主力取引銀行も業績回復の兆しが見えてきたことで容認する方向だ」と報じています。5月14日に中期経営計画を発表するとの憶測報道も流れています。
シャープは、2012年3月27日に台湾の鴻海精密工業(ホンハイセイミツコウギョウ、Hon Hai Precision Industry)からの670億円の第三者割当増資について、「関係当局からの許認可が得られなかったことなどを理由として払込期間の最終日である2013年3月26日までに払い込みが行われないことになった」と、2012年3月27日に発表しています。鴻海精密工業は、世界最大のEMS(電子機器の受託生産サービス)企業です。
こうした事情を受けて、シャープは市場での資金調達を行うことにするようです。逆にいえば、市場から資金調達できるとの見通しを持つところまで、シャープの敬遠再建が進んだとみることができます。
少し前までは。2年連続の巨額赤字によってシャープは「格付けが“投機的水準”に引き下げられて、新たな社債発行などができない状態」と報じた新聞記事もありました。
シャープは、ここ数カ月間に電機産業・IT(情報技術)分野のグローバル市場の主なプレーヤーである米国クアルコムや韓国サムソン電子と業務提携し、出資を受けています。
2012年12月4日に、シャープは米半導体大手のクアルコムとの資本・業務提携を発表しました。クアルコムは約100億円の出資を約束し、同年12月末にその半額を出資したとみられています。
さらに、2013年3月6日に、シャープはサムソン電子の日本法人であるサムスン電子ジャパンから約104 億円の出資を受け入れると発表しました。テレビ向けの液晶パネルやスマートフォンなどの中小携帯機器向けの小型液晶パネルを供給することを前提しにた提携・資本出資のようです。
実は、クアルコムとサムソン電子からのそれぞれの出資額は約100億円と少額であり、シャープの財務内容の改善にはほど遠い金額です(しかも、いろいろな出資条件があるとみられています)。しかし、グローバル市場で大きな影響力を持つ米クアルコムと韓国サムソン電子と手を結ぶことは、中国のことわざの遠交近攻(えんこうきんこう )のような戦略・戦術にもみえます。
約1年前の2012年3月にシャープと鴻海精密工業は資本・業務提携を締結し、その具体的な中身を協議してきました。シャープが鴻海精密工業を業務提携先に選んだ理由は、米アップル社のスマートフォン「iPhone」の生産を鴻海精密工業グループが委託されており、シャープが「iPhone」向けの小型液晶パネルを供給していることと推定されています。これによって、スマートフォンのライバルである韓国サムソン電子に対抗するとの見立てがささやかれました。
シャープはその見立てを超して、韓国サムソン電子とも分野を考えて手を結ぶ戦略をとりました。まるで、したたかな小国が、強国と戦うために、その時の局面を打破する権謀術数(けんぼうじゅっすう)を巡らしている感じです。
研究開発成果を基に技術力で業績を伸ばしてきたシャープは、本当の意味で事業戦略を練り、実行しています。つぶれる前にやるべきことはすべて実行する感じです。やっと、事業戦略と知的財産戦略を練り上げる力がついてきた感じです。
1980年代に成長著しい日本企業は、主に米国で、先輩企業の事業収支を悩まし、いくつかは破綻したり、別の事業分野に逃げ出す契機をつくりました。その逆の立場に、日本企業はなっています。シャープが手練手管の戦術によって一皮も二皮もむけて真のグローバル企業として復活する日を待っています。
米インテル社は対象製品を切り替えることで、成長路線に乗り成長し始め、復活しました。日本のパナソニックもシャープも今は踏ん張りどころです。
経営再建中のシャープが財務基盤を安定させて、事業再建に向けた、大きな一歩になりそうな動きを伝える見込み報道記事です。
朝日新聞紙の当該記者が、この「1000億円規模の公募増資に踏み切る方針を固めた」との推定した理由は、「シャープが近く公表する3カ年の中期経営計画に盛り込む。財務基盤を安定させ、市場での資金調達を再開する狙い。当初、実現性の面から難色を示していた主力取引銀行も業績回復の兆しが見えてきたことで容認する方向だ」と報じています。5月14日に中期経営計画を発表するとの憶測報道も流れています。
シャープは、2012年3月27日に台湾の鴻海精密工業(ホンハイセイミツコウギョウ、Hon Hai Precision Industry)からの670億円の第三者割当増資について、「関係当局からの許認可が得られなかったことなどを理由として払込期間の最終日である2013年3月26日までに払い込みが行われないことになった」と、2012年3月27日に発表しています。鴻海精密工業は、世界最大のEMS(電子機器の受託生産サービス)企業です。
こうした事情を受けて、シャープは市場での資金調達を行うことにするようです。逆にいえば、市場から資金調達できるとの見通しを持つところまで、シャープの敬遠再建が進んだとみることができます。
少し前までは。2年連続の巨額赤字によってシャープは「格付けが“投機的水準”に引き下げられて、新たな社債発行などができない状態」と報じた新聞記事もありました。
シャープは、ここ数カ月間に電機産業・IT(情報技術)分野のグローバル市場の主なプレーヤーである米国クアルコムや韓国サムソン電子と業務提携し、出資を受けています。
2012年12月4日に、シャープは米半導体大手のクアルコムとの資本・業務提携を発表しました。クアルコムは約100億円の出資を約束し、同年12月末にその半額を出資したとみられています。
さらに、2013年3月6日に、シャープはサムソン電子の日本法人であるサムスン電子ジャパンから約104 億円の出資を受け入れると発表しました。テレビ向けの液晶パネルやスマートフォンなどの中小携帯機器向けの小型液晶パネルを供給することを前提しにた提携・資本出資のようです。
実は、クアルコムとサムソン電子からのそれぞれの出資額は約100億円と少額であり、シャープの財務内容の改善にはほど遠い金額です(しかも、いろいろな出資条件があるとみられています)。しかし、グローバル市場で大きな影響力を持つ米クアルコムと韓国サムソン電子と手を結ぶことは、中国のことわざの遠交近攻(えんこうきんこう )のような戦略・戦術にもみえます。
約1年前の2012年3月にシャープと鴻海精密工業は資本・業務提携を締結し、その具体的な中身を協議してきました。シャープが鴻海精密工業を業務提携先に選んだ理由は、米アップル社のスマートフォン「iPhone」の生産を鴻海精密工業グループが委託されており、シャープが「iPhone」向けの小型液晶パネルを供給していることと推定されています。これによって、スマートフォンのライバルである韓国サムソン電子に対抗するとの見立てがささやかれました。
シャープはその見立てを超して、韓国サムソン電子とも分野を考えて手を結ぶ戦略をとりました。まるで、したたかな小国が、強国と戦うために、その時の局面を打破する権謀術数(けんぼうじゅっすう)を巡らしている感じです。
研究開発成果を基に技術力で業績を伸ばしてきたシャープは、本当の意味で事業戦略を練り、実行しています。つぶれる前にやるべきことはすべて実行する感じです。やっと、事業戦略と知的財産戦略を練り上げる力がついてきた感じです。
1980年代に成長著しい日本企業は、主に米国で、先輩企業の事業収支を悩まし、いくつかは破綻したり、別の事業分野に逃げ出す契機をつくりました。その逆の立場に、日本企業はなっています。シャープが手練手管の戦術によって一皮も二皮もむけて真のグローバル企業として復活する日を待っています。
米インテル社は対象製品を切り替えることで、成長路線に乗り成長し始め、復活しました。日本のパナソニックもシャープも今は踏ん張りどころです。