2013年4月23日に発行された朝日新聞紙の朝刊一面に掲載された「ユニクロ、世界で賃金統一 柳井会長表明 人材確保狙い」という記事を読んで、理解できない部分に悩んでいます。
衣装チェーン店のユニクロを展開しているファーストリティーリングの会長兼社長をお務めの柳井正さんは、朝日新聞の記者に「ユニクロの店長候補の社員と役員を“グローバル総合職”とし、この内の執行役員や上級部長は、どの国でも同じ人事評価ならば、報酬と給与を同額とする」という構想を明らかにしたと、この記事は伝えます。
世界で12カ国に展開するユニクロは、執行役員や上級部長の賃金はどの国でも同じにするという構想は興味深いですが、為替レートの変動をどのように処理するのだろうかなどと思いました。「世界どこでも、やる仕事が同じだったら、同じ賃金にするというのが基本的な考え方」だそうです。できそうで、実際にはそう簡単ではなく、できないのではないかと思います。
この記事を読むと、現在、実体賃金が高い日本や欧米などの先進国のユニクロで働く“グローバル総合職”の幹部は、どこの国で働こうと、賃金は同じになるそうです。つまり、賃金が下がる可能性が高いようです。実際にはどうやって統一するのか、社員が納得するのかよく分かりません。この記事に書かれた「世界で賃金統一」を目指す真意がよく理解できません。
同日の朝日新聞紙の2面には、コラム「限界にっぽん 第3部『超国家企業』と雇傭」の見出しが「両刃の同一賃金 社員選別」という記事が掲載されています。この記事の内容はなかなか複雑です。そして深刻です。
記事に登場する、転職してきた、現在38歳の日本人・男性本部長は、今年3月に平均年収2000万円のランクに昇給したそうです。「世界中どこに行っても、すぐに同じ能力を発揮することを求められているから」といって、納得しているようです。入社2年でスター店長に抜擢(ばってき)された24歳の女性店長も「ものすごくしんどいけど、ちゃんと報われる」といっています。
この記事は後半になると、トーンが変わります。ユニクロの新卒社員が3年後に退社する割合の離職率は、2006年入社組が22%だったが、2007年入社組は37%になり、2008年から2010年のそれぞれの入社組は46~53%に高まっているそうです。直近の同年入社組は約半数が会社を去っています。さらに、休業している社員の42%がうつ病などの精神疾患になっているそうです。
この数字に対して、ファーストリティーリングの人事部部長は「さすがに半分が辞めるのは問題と認識している」といいます。この当時は、入社して半年で店長に育てようとした時期だったと、異常な時期だったことを示します。一面の記事は、二面の記事を読ませるための導入部だったのかと感じました。
2013年4月15日号の「日経ビジネス」誌の特集は「それをやったら『ブラック企業』」です。中身が関連しています。
この記事の最後の部分で、ファーストリティーリングの会長兼社長の柳井さんは「若いうちは甘やかされず、厳しく育てた方が幸せ」といい、社員を鍛え続けると宣言します。「ハングリー精神を持って挑戦し、数1000万円や数億円を稼ぐことを目指してほしい」と続けます。
ファーストリティーリングの経営陣は猛烈に働く人を求めていますが、それに対応できない社員は求めないそうです。ユニクロが求める社員像と、現在のユニクロ入社希望者の考え方の違いがどの程度、食い違っているのかなど、興味は尽きません。なかなかの難問です。ある種の、年配の日本人の考え方と、現在の若者の価値観の違いが根底にあると感じました。
衣装チェーン店のユニクロを展開しているファーストリティーリングの会長兼社長をお務めの柳井正さんは、朝日新聞の記者に「ユニクロの店長候補の社員と役員を“グローバル総合職”とし、この内の執行役員や上級部長は、どの国でも同じ人事評価ならば、報酬と給与を同額とする」という構想を明らかにしたと、この記事は伝えます。
世界で12カ国に展開するユニクロは、執行役員や上級部長の賃金はどの国でも同じにするという構想は興味深いですが、為替レートの変動をどのように処理するのだろうかなどと思いました。「世界どこでも、やる仕事が同じだったら、同じ賃金にするというのが基本的な考え方」だそうです。できそうで、実際にはそう簡単ではなく、できないのではないかと思います。
この記事を読むと、現在、実体賃金が高い日本や欧米などの先進国のユニクロで働く“グローバル総合職”の幹部は、どこの国で働こうと、賃金は同じになるそうです。つまり、賃金が下がる可能性が高いようです。実際にはどうやって統一するのか、社員が納得するのかよく分かりません。この記事に書かれた「世界で賃金統一」を目指す真意がよく理解できません。
同日の朝日新聞紙の2面には、コラム「限界にっぽん 第3部『超国家企業』と雇傭」の見出しが「両刃の同一賃金 社員選別」という記事が掲載されています。この記事の内容はなかなか複雑です。そして深刻です。
記事に登場する、転職してきた、現在38歳の日本人・男性本部長は、今年3月に平均年収2000万円のランクに昇給したそうです。「世界中どこに行っても、すぐに同じ能力を発揮することを求められているから」といって、納得しているようです。入社2年でスター店長に抜擢(ばってき)された24歳の女性店長も「ものすごくしんどいけど、ちゃんと報われる」といっています。
この記事は後半になると、トーンが変わります。ユニクロの新卒社員が3年後に退社する割合の離職率は、2006年入社組が22%だったが、2007年入社組は37%になり、2008年から2010年のそれぞれの入社組は46~53%に高まっているそうです。直近の同年入社組は約半数が会社を去っています。さらに、休業している社員の42%がうつ病などの精神疾患になっているそうです。
この数字に対して、ファーストリティーリングの人事部部長は「さすがに半分が辞めるのは問題と認識している」といいます。この当時は、入社して半年で店長に育てようとした時期だったと、異常な時期だったことを示します。一面の記事は、二面の記事を読ませるための導入部だったのかと感じました。
2013年4月15日号の「日経ビジネス」誌の特集は「それをやったら『ブラック企業』」です。中身が関連しています。
この記事の最後の部分で、ファーストリティーリングの会長兼社長の柳井さんは「若いうちは甘やかされず、厳しく育てた方が幸せ」といい、社員を鍛え続けると宣言します。「ハングリー精神を持って挑戦し、数1000万円や数億円を稼ぐことを目指してほしい」と続けます。
ファーストリティーリングの経営陣は猛烈に働く人を求めていますが、それに対応できない社員は求めないそうです。ユニクロが求める社員像と、現在のユニクロ入社希望者の考え方の違いがどの程度、食い違っているのかなど、興味は尽きません。なかなかの難問です。ある種の、年配の日本人の考え方と、現在の若者の価値観の違いが根底にあると感じました。