喉元に何本もの魚の骨が刺さっているようだが:
「パワーハラスメント」を離れることにしたので、マスコミ報道から学んだ情報を基にして、岸田内閣にとっては「眼前に迫っているかのような危機」と「総理が如何に対処されるのか」を語ってみようかと思う。私には総理の喉元には複数の魚の骨が刺さっているかのように見える気がする。
岸田総理が外遊から戻られるとJNNの直近の調査では内閣支持率が27.9%に上昇し、自民党内部でも「そんなはずがない」という声が上がっていると報じられている。一方では、立憲民主党は自民党の遅れたままの政治資金規正法改正案を取り上げて非難し、今こそが攻め時とばかりに意気込んでいるようだ。
先日のPrime Newsでは某大学教授は“所謂「連座制」や「調査研究広報滞在費報告の義務化」や「政治資金パーティの制約」等を自民党が自発的に真っ向から掲げては来ないだろう。それは自民党の重大な資金源を自ら断つ訳にはいくまいから”と皮肉たっぷりに指摘しておられた。その教授は「岸田総理は何としても政権を維持する為には、何としても改正案に盛り込まないようにして乗り切るしか手段がないのでは」とまで言われた。
総理は外遊から帰国された直後から鈴木馨祐座長を呼ばれて、公明党と調整して何とか練り上げるようにと指示されたとも報じられた。だが、世論調査では政権交代を望む声が岸田内閣支持を上回ったとも出ている。通俗的な言い方をすれば「正念場」である事は変わっていないし、調査の結果だけを見ても事態は好転しているとは思えないのだ。
だが、外遊中でも帰国されてからでも、総理の表情からは全く悲壮感も目立った緊張感も見えてこない。寧ろ表情には明るいとすら感じさせられている。何方だったかジャーナリストは「総理はこの事態を持ち前の鈍感力で切り抜けられるだろう」とまで言ってのけた。私には「総理は一切を呑み込まれて、動揺は顔には出さずに、平然と事に当たっておられるのかも知れない」とも見える。
または、田崎史郎氏が指摘されたように「岸田総理は自分が良いことをやってきたので、何も批判されるようなことない」という自信に満ちておられるのかとも見える。だが、喉元に刺さっている魚の骨は上記の政治資金規正法改正の他に無数にあるとしか見えない。
そのような時期にグローバルサウスとの関係を強化している場合なのかとの疑問に感じてしまう。矢張り、岸田総理は対処すべき重要な案件への優先度の付け方が不正確ではないのかと見えて仕方がないのだ。足下に燻っている火種の処理を優先された方が良いような気がするのは誤りだろうか。