新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

盛者必衰

2022-07-07 08:15:58 | コラム
スワローズが二連敗:

去る3日にTBSの「天晴れ」と「喝」の時間に登場した落合博満と中畑清が異口同音に「スワローズがこのまま優勝するとは思わない。過去に10ゲーム差をひっくり返した例もあった」と指摘していた。中畑清がジャイアンツ寄りのことを言うのは毎度のことなので迫力はないが、落合博満が言えばそれなりの重みを感じさせる。それを聞いていて思いだしたことが「盛者必衰」だった。

私は何十年も前から「今好調な会社は、遠からぬ将来不振に陥る。好調が永遠に続くなどあり得ない。好景気だった同様だ。盛者必衰と言うではないか」と主張してきた。古い例を持ち出せば、1950年代初頭には「三白景気」と言って、紙、砂糖、セメント会社が全盛を誇っていた。

だが、1955年に私が紙パルプメーカーの販売部門の会社に新卒で雇って頂いた頃には、「紙」はほぼ没落していた。砂糖とセメントの好景気も長続きはしなかった。こんな古い例を持ち出すまでもなく、今日までにどれほど多くの産業と会社が「盛者必衰」の実例を示してきたことかを考えて見れば解ること。

海外の例を見ても、中国が世界第2の経済大国とやらに大成長を遂げる間に唱えてきた「保八」(GDPの成長率8%を維持する)などを持て囃してきた媚中派がどれほどいたかを考えて貰いたい。21世紀も22年にもなった現在では、中国の経済の破綻を唱える者がどれだけ増えたことか。尤も、この国には「驕る平家は久しからず」の方が当て嵌まるのかも知れないが。

そこで、スワローズである。マスコミなどは気楽なもので「2勝1敗の勝ち越しが14回も続いている」と騒ぎ立て、マジック点灯と明日にもスワローズが優勝するかのようなことを言っていた。高津監督にした所で「話はそんなに甘くはない」と解っているだろうと思う。

私は5日から始まったジャイアンツとの3連戦の全敗もあるだろうと見ていた。それは対抗戦中からホームランを打ちまくっていた村上宗隆の調子が明らかに下降線であり、山田哲人は「ここぞ」ではない時でも打てないし、中村悠平は9回でなければ打たないし、5番打者にしようかと新規に雇った外国人はまるで役立たずだったし、3年目の長岡が頼りのようでは、昨夜の延長戦でのサヨナラ負けも止むを得まいと思う。好調期は終わったと見ている。

投げる方では小川が通用しなかったが、そういう時もあるくらいに割り切っておくべきだろう。今夜は恐らく石川だろうが、息を吹き返してきたかの感があるジャイアンツの打者と、原監督が敢えて使っているのだろう育成上がりを含めた若手には、石川の練達熟練の技巧は通じないかも知れないと思う。

昨夜も、スワローズが長岡のヒットで同点に追い付いて延長に持ち込んだ所まで見て、スワローズの勝ちはあるまいと割り切って寝てしまった。ジャイアンツの三連勝もあるかも知れない。だが、その好調を維持してスワローズを追い落とせるかどうかなどは「神のみぞ知る」ではないか。

話はガラッと変わるが、昨夜のPrime Newsに出演された真田教授と鈴置氏はアメリカを中心とする西側勢力とロシア対中国連合軍に追随する諸国との間の軋轢を尻目に、旗幟を鮮明にせず巧みに立ち回るインドとトルコの強かさと抜け目の無さを取り上げておられたのが印象的だった。この間の遣り取りでは、何処かの総理大臣の生真面目な姿勢に対する不安感が滲み出ていた。

回りくどいことを言ってきたが、私は一歩先のことを見通すのだって難しいのに、数十歩もの先を読めるのかということだと思っている。業界のある長老は「新卒で就職する会社を選ぶのは至難の業である。それは言うなれば、株式市場に打って出て不見点で信用買いをするのにも等しいこと。良い会社だと思っても、今が絶頂期で後は下がっていくだけかも知れないじゃないか」と言っておられた。



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