少し残念な話:
*ビクトル・スタルヒン投手:
本当の昔の話。「もう、その存在を知っていた職業野球ファンがいるとは思えないし、巨人軍のビクトル・スタルヒン(白系ロシア人だったが、日本生まれで日本育ち)投手がいたことなど知っている人が何人いるだろうか。私は幸運にも戦前に母親に連れられて、箱庭のような後楽園球場で彼の投球を見る機会があった。
「昭和初期にその巨人軍がアメリカに遠征した時、スタルヒン投手は何処に行っても、現地人たちから英語で話しかけられて困った」という話があった。アメリカに来て野球をやっている白人を、現地ではアメリカ人だろうと思ったのは当たり前のことだっただろう。
だから、先ほど取り上げたことで、1972年にEastern航空で私の隣に座った少年が私に話しかけてきたのも、アメリカではごく普通の現象だったのだと思う。陳腐な言い方になるが、屡々ニューヨークは「人種のるつぼ」と形容されるが、現在のアメリカ合衆国は何処に行ってもその「るつぼ現象」状態なのだ。
*Two Chinese are walking downstairs.
私が1975年にシアトル市内のNordstromという評判が高いデパートの1階を、三菱商事の駐在だった従兄弟と歩いていた時のこと。それを2階から見下ろしていた(当然「白人」)少年が“、Mammy. Look at that. Two Chinese are walking downstairs.”と叫んだのだった。我々にも解ったことで、母親は慌てて制止した。
この時、従兄弟は少しも慌てず驚かず「こちらでは良くあること。アメリカ人はアジア系が皆中国人だと思うのです」と言うのだった。我が社の東京事務所の日系人BJ氏にこの話をした。彼は笑って「中国人に間違えられたのは寧ろ名誉だと思った方が。それほど日本人という存在は海外では知られていないのです」と教えてくれたのだった。
この翌年、カナダのBC州ヴァンクーヴァーの裏通りで「カレーライスあり」(という英語の)看板が出ていた店に入って、食べたカレーライスは日本式ではなく本場のインド式だった。会計となってレジ行くと、会計係の女性に“Are you a Chinese?”と訊かれたので否定。すると“Are you a Korean?”と来た。勿論“No!”だ。
すると突如として日本語に切り替わって「じゃー、日本人だったの。珍しいわね。こんな裏通りにまで日本人が一人で入ってきて英語で注文するなんて殆どないの。だからてっきり中国人か韓国人だと思ったわ」と言われてしまった。彼女は日系カナダ人だったが、この遣り取りで感じたことは「残念ながら、日本と日本人は未だ海外では殆ど知られていないというか認識されていない存在なのでは」だった。
視点を変えれば、それほど中国人や韓国人は数多くアメリカやオーストラリアに合法/非合法で移住しているのだということだろう。現に東南アジアの諸国では経済を抑えているのは華僑だ。習近平率いる中国は我が国にも着々と華僑の卵を無数に送り込んでいるではないか。善意の我が政府はその留学生を援助しようと資金を出している。
また、去りし東京オリンピックのゴルフで稲見萌寧と第1位を争ったオーストラリアのリディア・コ(Lydia Ko)さんは「高寶環」と言う韓国系オーストラリア人だった。また、テレビが日本に観光に来て食を楽しんでいるオーストラリア人を取り上げると、殆どの場合アジア系なのだ。
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