我が国のマスコミは頼りにならない:
山上徹也の安倍晋三元総理の殺害以来、我が国の報道機関は申し合わせたかのように統一教会関連の情報と、言うなれば旧悪を詳細に報道し始めたのだった。お陰様でこの組織がカルトなのか邪教なのかすら良く知らない私等は、名称変更があったのだと知り得たし、その変更に自民党が絡んだのかと疑いがあった事も教えられた。過去の騒動を知らない方が初めて「世界平和統一家庭連合」と聞けば、統一教会のことだったとは気付かないかも知れないと思った。
私は既に指摘してあったように、山上徹也が安倍晋三元総理を殺害して、パンドラの箱を開けたのだと思わずにはいられなかった。彼らマスコミはあらためて、統一教会の実態と我が国で何をしたかったのかと何をしたかを詳細に世間に報じだしたのだった。
だが、同時に「何故か?」と痛感したことがあった。それは「我が親愛なるマスコミは山上徹也の件がなければ、家庭連合について取材してあったあれほどの膨大な(とでも言いたくなる)情報を流す意図が無かったのか」ということなのである。如何に無知な私であっても、合同結婚式とそれに伴う哀しい話や霊感商法や教会に吸い上げられる寄付のことくらいは承知していた。だが、今回報道し始めた政治との関連などは、関西風に言えば「聞き初めや」なのだった。
彼らが今更のようにあの当時教会に対抗して活動された紀藤弁護士等にテレビに出演願って、世界平和統一家庭連合という名称になるまでの経過と旧悪を報道し始めた姿勢には「一体全体、彼らは如何なる理由で統一教会の活動は決して消滅していた訳ではない事を、広く知らせようとしなかったのか」との疑問を感じた。こちらが不勉強だったと言われればそれまでだが、山上徹也があの暴挙に出るまでのような寄付金吸い上げがあったのならば、何故警鐘を鳴らす報道をしなかったのかと思った。
パンドラの箱の中身はここまでで終わらなかった。次に出てきたことは政治というか自民党との絡みだった。彼らは「アンケート」なる代物を自民党の議員に送りつけて「統一教会との関連」の調査を始めた。私は「彼らがそれ以前に自民党の議員たちと教会の関連の度合い」に関する取材をしていなかったとは到底考えられないのだ。彼らは安倍晋三元総理が凶弾に倒れられたことを奇貨として、一斉に更に取材し報道を開始したと疑っている。
彼らは昨12日には岸田内閣の新副大臣・政務官の中の16名だったかに関連があったと「人が犬を噛んだ」かのような報道振りだ。何もこの件に関してだけではなく、マスコミは何処の誰が祝電を打ったかとか会合に出席して祝辞を述べたとか等々を報じてあった。だが、不思議に感じたことは「だから大臣を辞せよ」とか「この職に就くな」とか「国民に謝罪せよ」という類いの責め方はしないのだ。
専門家やジャーナリストの中には「国会議員が彼ら教会を頼るのは公職選挙法という縛りがあるからだ。現行のこの法律がある限り、選挙運動に無料で奉仕してくれる組織があれば依存するのも無理はない」と肯定しているのか、教会を批判しているのかが良く解らない解説をする人もいた。「なるほど」と思って聞いた。
では、「何の為の報道か」なのだ。私は彼らが本気で攻め上げるべき対象は世界平和統一家庭連合だとしか考えられないのだ。教会との絡みがある議員は自民党に多い。だからこそ、マスコミは議員たちが如何にも悪いことをしているかのように思わせる報道をする。だが、「だから、こうせよ」という報道ではなくて、ただ単に過去にこういうことがあったと報じるだけ。
「自民党よ。反省して政権の座を降りなさい」とでも言う気かと思えば、そうではないようだ。彼らは「政治は責めても宗教団体(なのだろうか)は責められない」とでも言う姿勢なのだろうか。何事に関してもそうなのだが、彼らマスコミの言うことを聞いていても実態が良く解る訳でもなく、サッパリ役に立たないので困る。
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