新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

世相雑感

2025-02-23 07:53:05 | コラム
由無し事を:

デフレ、インフレ、それとも物余り:
高田馬場駅前で驚安の殿堂・ドン・キホーテが繁盛している。一昨日も何処の国から来たのかも分からないインバウンドの若者風が「大きなトローリーケースお買い上げ」で、嬉しそうに引っ張っていった。だが、わざわざここまで来てまで買う訳が解らない気がした。

その直ぐ近くに昨年だったかに開店したOドラッグがある。出始めは素性が解らなくて、さして繁盛していなかった。その売値の安さが徐々に認識され始めるや、かなりの賑わいになった。その安さは多くの品種で近所の「殿堂」をも凌いでいるほど。物によっては20~30%もご近所を下回ることがある。大まかな捉え方では、兎角の評判がある殿堂以上に巧みに仕入しているようなのだし、現金のみしか受け付けない。

殿堂のやや新宿寄りのところには衣料品の「しまむら」がある。女性用の衣類が主力だと思っていたが、どうやら男性用にも注力している模様。私は下着の在庫補填に何点か買ってみたが、品質・価格とも申し分なかった。「なるほど。繁盛している訳だ」と納得した。先週末に入ってみたが、ここでもセルフレジが導入されていた。

これらの3店から思う事は「我が国(または東京)では、未だ品物によっては供給過多で処分せざるを得ない状態が続いているようだし、インフレと物価高を憂うる声があるとはいえ、店の選び方と買い方次第では、経済的な値段で入手できるということのように思えてならない。ならばデフレが続いているのか。

だからこそ、郊外に立地する「アウトレット」に人気があるのかもしれないが、これらの3店は東京の真っただ中だ。

スモールホテルと民宿:
ここ新宿区百人町界隈にもG7(8にしようと提案した大統領もおられたが)以外からのインバウンド様が数多く訪れている。彼らの人品骨柄から見ても、財務省が喜ぶ8兆円だか9兆円の国庫の収入に貢献して下さるとも思えない。

我が家と新大久保駅の中間に、てっきりアパートだと思っていた低層の集合住宅がある。最近はそこから多くの外国人が大きなトローリーケースを引きずって出てくるし、時にはアルファードが迎えに来ていることもある。ここにはホテルという標識も出ていないし、アパート風の外見は変わっていない。ということは民宿に転換したのだろうか。

その通りの反対側の路地の奥の小さな2階建てには、外壁に新宿XXホテルと書かれている。リチャード・ロジャースが1936年だったかに作った“There’s a small hotel”を思い出させてくれた、将に「スモールホテル」だ。先週、ここから英語ではない言葉を話す白人が3人出てきたのに出会った。

言いたい事は「インバウンド様が増えた結果、オリンピック以来の出来事で、このような場末にまで宿泊する以外に、日本探訪の機会が得られなくなったという事態か」のようなのである。石破さんは「オーバーツーリズムを生じさせてまで外国人を呼び込む政策が適切なのかどうか」の検討を始めても遅くないような気がしてならない。

宮嶋茂樹氏の「直球&曲球」から:
この兵庫県出身のカメラマンの関西風の言葉で表現される直言は、いつも楽しく読んでいる。去る20日にもウクライナ問題を論じて「不肖・宮嶋、最近体調を崩し(中略)侵攻直後から4度訪れ、前線から人々の暮らしまで、そこいらの学者センセイ方よりも、身近に、つぶさに現場を見てきた」と言っていた。私はこういう表現が好きだし、現場を見て経験してから語ることが重要だと思っている。

何が言いたいのかといえば、ここから先は我田引水だろうし、手間味噌と批判されそうなことなのだ。即ち、私はアメリカの製造業界、そのアメリカの企業社会の文化と我が国との相違点等々をリタイア以来、機会あるごとに語ってきたし、書いてきた。

だが、その主張と見解は、22年にも及んだアメリカの大手企業に勤務し、彼らの家庭にも招かれて家族とも交流した実体験に基づいているので、宮嶋氏風に言えば「学者センセイや有名なジャーナリストの方々とは趣を異にしている」ので、多くの場合に「変わったことを言う人」風に解釈されてしまうようだと、少し僻みたくもなっている。

換言すれば、取材するとか、資料・統計を見るとか等の伝聞ではなく、「百聞は一見に如かず」なのだから、自分から入って行って現地の市民とまで交流し、文化に奥深く触れようよ」ということ。アメリカの家の台所に入って、依頼されたすき焼きをやって見せたところ、「美味い」と喜ばれはしたが「二度とこれほど台所を汚す料理をしようとは思わない」と言われたことがあるから言うのだ。


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