新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

グラフィックデザイナーのデザイナーのぼやき

2019-12-21 08:12:48 | コラム
建築のデザイナーは:

隈研吾氏が設計された新国立競技場が無事に予定の工期内に完成したのは、大変結構なことだったと思う。この隈研吾氏について、旧制中学以来の級友から「なるほど」と思わせられる話を聞いた。それは彼の勤務先だった銀行が隈研吾氏と付き合いがあって、設計を依頼した建物があったそうだ。だが、同氏のデザインした建築物は兎角維持費がかかってしまう結果になったということだった。新国立競技場も維持費だけでも年間20億円超との報道があったと思う。

そこで思い出したのが、もう半世紀以上も前になる、私がアメリカの会社に移るよりも以前の経験だった。私はある興味ある仕事を受注した際に、今風に言うならばグラフィックデザイナーと「コラボ」したのだった。ところが、そのデザイナーのデザインは2度3度とやり直しを命じられて、大いに手こずったのだった。そのデザイナーと偶々通りかかった国立競技場(その昔の明治神宮競技場)を仰ぎ見た彼は「建築デザイナーは良いな。一度設計してそのままで作ってしまえば、やり直しなどしようもないのだから」とぼやいたのだった。

私には建築設計のことなど皆目わからないが、事この新国立競技場についてはマスメディアの報道はどちらかと言えば絶賛の嵐である。やれ「我が国独自の木材を多用した」とか「座席の色彩が散らしてあって、空席があっても満員の如き感を演出している」とかである。維持費の件は何処かに行ってしまったようだ。だが、何処かのテレビ局が報じていた新たな問題点が出てきたのだった。それは、あの斬新な外観の設計には鳥が巣を作る場所が沢山あり、既にその害に悩まされているのだという。なるほど、あの近隣には明治神宮も外苑の森もあって、鳥は無数にいるのである。

隈氏はそこまで配慮されたのだろうかと思った。そうなってみれば、現時点では設計は愚か僅かな手直しでも困難だろうと思ってしまう。しかも、我が国の法律では鳥類は無闇に殺傷できないのだ。これでは維持管理費に新たに「鳥害対策費」を書き加えねばならないのではないのかな。この様子を見たあの当時コラボしたグラフィックデザイナーは、何と言うだろうか。




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