「横浜市長選が政局左右“菅離れ”で総裁選は」:
これがPrime Newsのタイトルだった。橋本徹氏と橋本五郎氏の対談形式のようだったが、実際には反町も論戦に参加していた印象があった。私の深読みでは「流石にこれだけの経験も知識も豊富な練達熟練の論者が揃えば、直接的な表現で菅義偉内閣総理大臣・自民党総裁を貶しはしていなかったものの、裏に流れていた論調は悲観的だし、菅義偉氏の危機を語っていたのだった」としか聞こえてこなかった。
横浜市長選挙の敗北の原因を、今更IR推進派の菅首相が非推薦派の小此木氏を全力で推したなどという分かりきった矛盾を採り上げても詮無いことだったと思う。だが、それに触れないことには惨敗の原因の分析にはならなかったのだろう。両橋下氏は山中竹春氏の若さを挙げておられたが、私には小此木氏の年齢と何となく(山中氏との対比で)服装も含めて垢抜けしていない印象があったのも、無政党派の支持を得られなかった一因のように思えてならなかった。極端に言えば「小此木氏と菅首相でなければ誰でも良い」だったのかとすら感じたときもあった。
両橋下氏は「菅首相と菅内閣は公約として掲げたことも、バイデン大統領に代わったアメリカとの関係強化にしても、巧みにこなしてこられたにも拘わらず、中途半端な印象しか一般大衆に素直に認識させ受け止めさせておられなかったことを遺憾である」と主張していたのは、誠に尤もだと思って聞いていた。私には今でも「官房長官」時代のような総理大臣の補佐役だった事の控え目な姿勢から脱却できていないようにしか見えない。
更に感じたことは「外交(の分野での成果)は票にならない」が画に描いたように現れていると感じている。菅氏自身も閣僚も二階幹事長もこの点を一向に吹聴していないのだ。現在、茂木外相が何処で一生懸命にやっておられるかなどは、大向こうには受けないのか。
両氏の発言の中で印象的だった点を挙げておこう。橋本五郎氏が菅首相に欠けている残念な点であるとして「橋本徹氏のように」とまでは言って口籠もったのを受けて、橋下徹氏が引き取って「口八丁手八丁と言いたいのでしょう」と指摘して3人で大爆笑になったことがあった。余りにも、所謂「言えている」(余計なことだが、英語では“well put”となる)ので面白かった。菅さんには自己顕示欲の持ち合わせがないようだし、実績を華々しく自己宣伝をすることもされない辺りは「スタンドプレイ」のみの名手・小池百合子東京都知事と非常に対照的である。
また、政治取材の権威者である「五郎氏」は自民党内に「菅首相では選挙の顔に出来ない。菅首相・総裁の下では選挙を戦えない」との声があることを厳しく批判したのは良かったと思う。「選挙は総理・総裁の顔でするものではない。永年当選を続けている議員は自分の力で努力して実績を積み重ね、地元を回ってきたことの成果だと知るべし」と強調していた。尤もだとは思って聞いたが、ANNの世論調査のように25.8%の支持率でどうすると、私でさえも懸念してしまう。
私には菅義偉氏の宣伝広報の拙さは今に始まったことではないと思ってはいる。何方の発言だったか失念したが、その点をイヤと言うほど指摘した一言があった。それは、横浜市での出口調査で、山中竹春氏に一票を投じたという人が、調査員に「ところで、山中って何をしている人」と逆に尋ねたということ。作り話か笑い話だったとしても、強烈すぎる菅陣営の選挙下手に対する皮肉だった。私は精一杯自民党の肩を持てば「立憲民主党の山中氏に負けたのではなく、内部分裂していた自民党側のオウンゴールだった」となる。
昨夜の鼎談?の興味深かった点は、マスコミ界の「永年にわたって政界を取材してきた伝聞の権威者の橋本五郎氏」とテレビタレントだった弁護士が「選挙を経験して大都会の大阪で首長だった、今ではコメンテーターを自称される橋下徹氏」の論戦だったということ。徹氏は煎じ詰めれば「経験談」に立脚しておられるので、五郎氏とは合わない点があったともう。だが、流石に両氏は大人であり、興味深い論じ合いにして見せてくれた。
私自身が経験からしか論じないので、屡々未経験の知識だけ豊富な方には私の主張が受けない事があったので、両氏の主張にも、それと同じような感があったと思う。結論として両氏の論調からは「菅氏危うし。可及的速やかに何とかすべし」の感は払拭できなかった。正直なところ「今になってそう言われても、菅氏に打つ手があるのだろうか」と懸念するのだが。
これがPrime Newsのタイトルだった。橋本徹氏と橋本五郎氏の対談形式のようだったが、実際には反町も論戦に参加していた印象があった。私の深読みでは「流石にこれだけの経験も知識も豊富な練達熟練の論者が揃えば、直接的な表現で菅義偉内閣総理大臣・自民党総裁を貶しはしていなかったものの、裏に流れていた論調は悲観的だし、菅義偉氏の危機を語っていたのだった」としか聞こえてこなかった。
横浜市長選挙の敗北の原因を、今更IR推進派の菅首相が非推薦派の小此木氏を全力で推したなどという分かりきった矛盾を採り上げても詮無いことだったと思う。だが、それに触れないことには惨敗の原因の分析にはならなかったのだろう。両橋下氏は山中竹春氏の若さを挙げておられたが、私には小此木氏の年齢と何となく(山中氏との対比で)服装も含めて垢抜けしていない印象があったのも、無政党派の支持を得られなかった一因のように思えてならなかった。極端に言えば「小此木氏と菅首相でなければ誰でも良い」だったのかとすら感じたときもあった。
両橋下氏は「菅首相と菅内閣は公約として掲げたことも、バイデン大統領に代わったアメリカとの関係強化にしても、巧みにこなしてこられたにも拘わらず、中途半端な印象しか一般大衆に素直に認識させ受け止めさせておられなかったことを遺憾である」と主張していたのは、誠に尤もだと思って聞いていた。私には今でも「官房長官」時代のような総理大臣の補佐役だった事の控え目な姿勢から脱却できていないようにしか見えない。
更に感じたことは「外交(の分野での成果)は票にならない」が画に描いたように現れていると感じている。菅氏自身も閣僚も二階幹事長もこの点を一向に吹聴していないのだ。現在、茂木外相が何処で一生懸命にやっておられるかなどは、大向こうには受けないのか。
両氏の発言の中で印象的だった点を挙げておこう。橋本五郎氏が菅首相に欠けている残念な点であるとして「橋本徹氏のように」とまでは言って口籠もったのを受けて、橋下徹氏が引き取って「口八丁手八丁と言いたいのでしょう」と指摘して3人で大爆笑になったことがあった。余りにも、所謂「言えている」(余計なことだが、英語では“well put”となる)ので面白かった。菅さんには自己顕示欲の持ち合わせがないようだし、実績を華々しく自己宣伝をすることもされない辺りは「スタンドプレイ」のみの名手・小池百合子東京都知事と非常に対照的である。
また、政治取材の権威者である「五郎氏」は自民党内に「菅首相では選挙の顔に出来ない。菅首相・総裁の下では選挙を戦えない」との声があることを厳しく批判したのは良かったと思う。「選挙は総理・総裁の顔でするものではない。永年当選を続けている議員は自分の力で努力して実績を積み重ね、地元を回ってきたことの成果だと知るべし」と強調していた。尤もだとは思って聞いたが、ANNの世論調査のように25.8%の支持率でどうすると、私でさえも懸念してしまう。
私には菅義偉氏の宣伝広報の拙さは今に始まったことではないと思ってはいる。何方の発言だったか失念したが、その点をイヤと言うほど指摘した一言があった。それは、横浜市での出口調査で、山中竹春氏に一票を投じたという人が、調査員に「ところで、山中って何をしている人」と逆に尋ねたということ。作り話か笑い話だったとしても、強烈すぎる菅陣営の選挙下手に対する皮肉だった。私は精一杯自民党の肩を持てば「立憲民主党の山中氏に負けたのではなく、内部分裂していた自民党側のオウンゴールだった」となる。
昨夜の鼎談?の興味深かった点は、マスコミ界の「永年にわたって政界を取材してきた伝聞の権威者の橋本五郎氏」とテレビタレントだった弁護士が「選挙を経験して大都会の大阪で首長だった、今ではコメンテーターを自称される橋下徹氏」の論戦だったということ。徹氏は煎じ詰めれば「経験談」に立脚しておられるので、五郎氏とは合わない点があったともう。だが、流石に両氏は大人であり、興味深い論じ合いにして見せてくれた。
私自身が経験からしか論じないので、屡々未経験の知識だけ豊富な方には私の主張が受けない事があったので、両氏の主張にも、それと同じような感があったと思う。結論として両氏の論調からは「菅氏危うし。可及的速やかに何とかすべし」の感は払拭できなかった。正直なところ「今になってそう言われても、菅氏に打つ手があるのだろうか」と懸念するのだが。
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