旧ソ連の大統領でノーベル平和賞を受賞したミハエル・ゴルバチョフ氏は、ア
メリカの軍事化と軍縮の動きが停滞していることに憂慮の念を表わしている。
ゴルバチョフ氏はアメリカのハーバード大学において、旧ソ連とアメリカの交わ
した、中短距離核戦力撤廃条約の調印から20周年を記念し講演を行なった。
これに付いてロシアの声の評論委員は、次のようにコメントしている。
この条約は1987年12月8日に調印された。この条約が結ばれることで、この時
点からソ連とアメリカは核ミサイルの軍縮各分野でも数段先に進むことが出来
るはずだったが、実際にはそうした事態には至らなかった。
と言うのもこの20年の間に露米は、2002年にたった一度だけ戦略攻撃兵器削
減条約に調印を行なっただけに留まったからだ。
そのためゴルバチョフ氏の抱く憂慮は全く公平なものと言える。
ゴルバチョフ氏がその論拠としてあげたものは全て事実だ。
先ずアメリカは1972年に結ばれたMD条約から一方的に脱退することを決めた。
アメリカの軍事予算は冷戦時代のあらゆる費消を上回っており5000億ドルにま
で達している。
アメリカの国防総省は今や世界中に約120の基地を有している。
アメリカ政府は何処の国からも脅威を受けていないのにも関わらず、一体何処
の国と戦おうとしているのだろうか。
それどころかアメリカは、核兵器を使用する可能性に付いて公に声明まで行な
っている。
ゴルバチョフ氏の憂慮と心同じくしているのは、ロシアの指導部だ。
中短距離核戦略撤廃条約に付いてもプーチン大統領はアメリカに対し、これを
不変的なものとするよう提案した。
と言うのも今日すでに数十カ国が、この種の兵器を保有しているからだ。
アメリカ政府は当初この考えに同意していたし、国連もまた共同宣言を公布し、
アメリカと同じ姿勢であることを公に示していた。
ところが共同文書案が欧州安保協力機構とアメリカの理事会へ、審議にかけら
れることになり、これに付いて12月5日ラブロフ外相から声明が出されている。
アメリカのミサイル防衛システムに対するロシアの反対に対し、アメリカ政府の寄
せた態度は非常に憂慮するべきものだ。
この件に関しアメリカの提出した文書による提案は、それよりも前に口頭で述べ
ていたものとは全く異なるものだった。
ラブロフ外相はこれに対し失望を表わし、またロシア国防省はこれを非建設的な
ものと見なし、交渉の基礎としては役に立たないと非難している。
これ以外にもアメリカとNATOは欧州通常戦略の、修正条約に批准することを拒
否している。
ゴルバチョフ氏が語るように、アメリカが冷戦で勝たなければならないというコン
プレックスを抱え、一種の病んだ状態になり力を行使し、尊大な態度で臨もうとし
ていることは事実なのだ。
こうした姿勢はイラクに対する戦争に余日に現れた。このようなアメリカの路線に
従う国は他にあるだろうか。
アメリカ政府はその外交路線に従っていない諸国からの拒否に、ますます多く直
面することになるだろう。
12月7日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
メリカの軍事化と軍縮の動きが停滞していることに憂慮の念を表わしている。
ゴルバチョフ氏はアメリカのハーバード大学において、旧ソ連とアメリカの交わ
した、中短距離核戦力撤廃条約の調印から20周年を記念し講演を行なった。
これに付いてロシアの声の評論委員は、次のようにコメントしている。
この条約は1987年12月8日に調印された。この条約が結ばれることで、この時
点からソ連とアメリカは核ミサイルの軍縮各分野でも数段先に進むことが出来
るはずだったが、実際にはそうした事態には至らなかった。
と言うのもこの20年の間に露米は、2002年にたった一度だけ戦略攻撃兵器削
減条約に調印を行なっただけに留まったからだ。
そのためゴルバチョフ氏の抱く憂慮は全く公平なものと言える。
ゴルバチョフ氏がその論拠としてあげたものは全て事実だ。
先ずアメリカは1972年に結ばれたMD条約から一方的に脱退することを決めた。
アメリカの軍事予算は冷戦時代のあらゆる費消を上回っており5000億ドルにま
で達している。
アメリカの国防総省は今や世界中に約120の基地を有している。
アメリカ政府は何処の国からも脅威を受けていないのにも関わらず、一体何処
の国と戦おうとしているのだろうか。
それどころかアメリカは、核兵器を使用する可能性に付いて公に声明まで行な
っている。
ゴルバチョフ氏の憂慮と心同じくしているのは、ロシアの指導部だ。
中短距離核戦略撤廃条約に付いてもプーチン大統領はアメリカに対し、これを
不変的なものとするよう提案した。
と言うのも今日すでに数十カ国が、この種の兵器を保有しているからだ。
アメリカ政府は当初この考えに同意していたし、国連もまた共同宣言を公布し、
アメリカと同じ姿勢であることを公に示していた。
ところが共同文書案が欧州安保協力機構とアメリカの理事会へ、審議にかけら
れることになり、これに付いて12月5日ラブロフ外相から声明が出されている。
アメリカのミサイル防衛システムに対するロシアの反対に対し、アメリカ政府の寄
せた態度は非常に憂慮するべきものだ。
この件に関しアメリカの提出した文書による提案は、それよりも前に口頭で述べ
ていたものとは全く異なるものだった。
ラブロフ外相はこれに対し失望を表わし、またロシア国防省はこれを非建設的な
ものと見なし、交渉の基礎としては役に立たないと非難している。
これ以外にもアメリカとNATOは欧州通常戦略の、修正条約に批准することを拒
否している。
ゴルバチョフ氏が語るように、アメリカが冷戦で勝たなければならないというコン
プレックスを抱え、一種の病んだ状態になり力を行使し、尊大な態度で臨もうとし
ていることは事実なのだ。
こうした姿勢はイラクに対する戦争に余日に現れた。このようなアメリカの路線に
従う国は他にあるだろうか。
アメリカ政府はその外交路線に従っていない諸国からの拒否に、ますます多く直
面することになるだろう。
大国ロシアの漂流―ゴルバチョフとエリツィンの10年 ヴォルフガンク レオンハルト,Wolfgang Leonhard,村上 紀子 日本放送出版協会このアイテムの詳細を見る |
12月7日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル