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アジアにおけるミサイル防衛システム

2007-12-27 | ラジオ
日本の防衛省は日本のミサイル防衛の基盤となるであろう、初めての迎撃ミサ
イル発射実験を、歴史的な出来事であると評した。
これに関連してロシアの声の評論委員は、次のようにコメントしている。
この実験では海上配備型迎撃ミサイル(SM3)が搭載された、イージス護衛艦
「こんごう」が、太平洋のハワイ諸島カウアイ島で、アメリカ軍基地から発射され
た、中距離弾道ミサイルを迎撃させた。
高度100キロメートル以上の大気圏内で迎撃された。

これは北朝鮮の軍隊が持つミサイルのデータと一致したと伝えられている。
日本の自衛隊は来年はじめに、朝鮮半島沿岸の日本海沿岸の軍事パトロール
用に イージス護衛艦「こんごう」を常駐することにしている。
また2011年春までに迎撃ミサイル(SM3)は、4つの日本の護衛艦に搭載される
ことになっている。
これはミサイル防衛システムの第一段階となるものだ。
ミサイル防衛の第二編隊は、アメリカ製の対空ミサイルパトリオットから構成され
ており、すでに東京の東方と北方にある二つの軍事基地で実施されている。

ミサイル防衛分野での実際のアメリカ、日本間の協力は、1998年8月に北朝鮮が
弾道ミサイル実験を開始した後から始まった。
その内ひとつは日本の領地を飛び越えて太平洋に落下した。2006年夏には北朝
鮮は再び、ミサイル発射実験を行い、それから数ヵ月後には地下核爆発が起こっ
た。
その後、日本アメリカ両政府は直ちにミサイル防衛システムは、見積りでは中距
離弾道ミサイル「ノドン」を約200個保有している、北朝鮮からの脅威に備えたもの
であるとの声明を出し始めた。
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多くの軍事分野の専門家らは、この様な声明を大げさなものであると考えている。
それは先ず北朝鮮の保持する弾道ミサイルの量と言う点において、そして2点目に
はもし日本に北朝鮮の弾道ミサイルプログラムに関して、何らかの根拠があるとす
れば、北朝鮮の弾道ミサイルは、今後数年間はアメリカの領土には到達することは
出来ないのだという点。
ですからこのミサイル防衛システムを、本当は何のために設けるのかと言う疑問が
沸き起こってくるのだ。
多くの人がアメリカの世界的なミサイル防衛関連設備の構成要素である、このような
ミサイル防衛システムは、ロシアと中国に対するものかもしれないとの見解を示し
ている。
このシステムにはアメリカの迎撃ミサイル「パトリオットⅡ」が含まれており、すでに台
湾に配置されているため、中国は自国の安全保障の脅威と捉えている。

そして3点目には軍事面で優勢であることを示す。ミサイル防衛システムの展開は、
世界の軍事競争を激化させるという点だ。
これによって世界の安定を保つと言う重要な背景の下に、予見不可能な成長を見せ
るアジア太平洋地域の戦略的、安定の基礎が損なわれるのだ。

ロシアの元駐中国副武官のサハロフ陸軍大佐は、この様に語っている。
「東アジアで日本とアメリカが、ミサイル防衛システムを構築することは、この地域の
緊張緩和には役立たない。数十年に亘って台湾海峡では、潜在的な軍事衝突の発
生が危ぶまれている。しかも中国では決まった条件の中で、台湾再統一の為に武力
行使をも辞さないと言う立場を明らかにしている。中国では何度もこのプロセスが、軍
隊の現在のバランスを乱し軍備競争を煽り、中国の安全保障に損害を及ぼすとしてい
る。ですから中国は強いて、対抗措置をとらねばならないのだ」
サハロフ陸軍大佐は、この様にコメントしている。

12月20日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル