オーストラリアの新聞がウィキリークスによって公開された、在日アメリカ大使館の秘密公電を掲載したところによれば、日本では第二次世界大戦以後、初めてとなる対外情報機関が設けられているとのことだ。
今回のウィキリークスの資料を掲載した、オーストラリアのシドニー・モーニング・ヘラルド紙が伝えるところによると、その対外情報機関は、内閣情報調査室、いわゆる内調(
※こんな言葉あったっけ???)を土台に作られたものだということだ。
内閣情報調査室の活動に付いては、今までよく批判の対象となってきた。特に専門家らは、少ない人員では海外での諜報活動が出来ないと指摘していた。
内閣情報調査室の人数は175名以下であり、主に警察出身者が占めている。主要な活動内容としては、外国の出版物の翻訳のほか、アメリカなどの同盟国から提供される情報の分析を行っていた。
つまり自立的で効率的な活動ではなかった訳だ。
新しく設立された対外情報機関の関係者らが、アメリカの外交官らに話しているところによると、今まで日本政府は重要な諸問題に付いて、情報を集めることが出来なかったとしている。
例えば北朝鮮の指導部をめぐる状況などに付いての情報が不足していた。
特に金正日氏に付いての情報は、かつて彼の下で勤務した日本の料理人が書いた回想録によるところがほとんどだった。
1998年までロシア連邦保安庁長官を務めたコワレフ氏は、日本で新しく設立された情報機関の優先課題として、北朝鮮のほかに、中国に付いての軍事政治情報の収集を挙げている。
「日本の専門家らは、中国の軍事費が増大し続けていると考えている。その一方で多くの点で、分からないことが残っている。
それは技術および兵器の発展状況であり、どのような方向性を持ったものであるか、ということだ。
日本政府は中国の増大する軍事ポテンシャルを警戒しており、透明性を示すよう中国に求めている。
そのような情報を手に入れるためには、対外情報機関の設立以外に方法はないだろう。日本政府は、その情報機関が人を通じた情報収集、つまり諜報活動に重点が置かれると述べている」
コワレフ氏は、このようにコメントしている。
アメリカの外交公電で判断する限り、日本はアメリカのCIAやイギリスのMI6などに例をとっているようだ。
ウィキリークスに公開された資料によると、日本での対外情報機関の設立は、
2007年から2008年の福田康夫政権の時期に決定されたもので、その後、麻生太郎政権によっても支持されたという。
コワレフ氏の話では、今回のことが地域の状況緊張下に繋がることはないとのことだ。さらに日本政府が、海外からの軍事的脅威をよりよく分析しようとしていることは、十分に説明可能な行動だ。その他にもテロなどの新しい脅威への対応も、重要な課題となると思われる。
2月22日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル