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ガスを巡る対立が新たな自由貿易協定の芽を摘む

2013-07-21 | ラジオ
アジアの虎の3大国である中国、日本、韓国は、自由貿易地域の結成に関する新たな試みを行なう。上海で7月30日から8月2日にかけて、中国、日本、韓国の自由貿易協定に関する第2回交渉が開かれる予定だ。第1回交渉は3月にソウルで行なわれたが成果なく終了した。
極東研究所のベルゲル専門家は、中国と日本の東シナ海のガス田を巡る論争が、自由貿易地域の結成を、より複雑にする恐れがあるとの見方を示している。
自由貿易協定は、関税撤廃などの貿易障壁を取り除くことを目的としている。ですが交渉では今のところ、いわゆる経済的なエゴが優先されている。
日本は農産物に対する関税引き下げに関して、韓国に譲歩する用意がない。これは保護貿易主義に反対する共通の立場を妨げている。加えて3カ国の間には、島の領有権問題に関する深刻な対立がある。

ベルゲル専門家は、領有権問題は政治的な枷となっており、自由貿易地域の結成という、共通の関心よりも優先されているとの考えを表し、次のように語っている。
「自由貿易地域の結成は、ずいぶん前から提案されていた。しかし地域の結成に向けて大きく前進しているとは言えない。なぜなら東シナ海の島々を巡る領有権争いが存在しているからだ。日本は中国が領有権を主張している東シナ海の海域で、中国がガスの採掘を始めるのではないかと懸念している。3カ国の政治的な関係は非常に複雑だ。そのため、新たな交渉が大きく進展することはないと思っている」
専門家の見解だ。

日本は東シナ海の係争海域におけるガス田開発に関する、中国の一方的な行動を一切認めない意向だ。日本の菅官房長官は、中国の国有石油会社が東シナ海で、新たに7ヶ所のガス田開発を目指しているという報道を受け、この海域で中国が一方的な開発を進めることは認められないとの立場を表した。
極東研究所のキスタノフ専門家は、次のように語っている。
「これは非常に緊迫した問題だ。日中間の緊張の高まりを背景に、この問題に火がついたのだ。両国の政権交代も、緊張緩和に役立つことはなかった。緊張は収まることなく高まり続けている。日本では日曜日、21日、参議院選挙が投票日となっている。
安倍首相が総裁を務める自民党が恐らく勝利して、国会を完全にコントロールするだろう。これによつ自由に外交政策を実施することが可能となり、さらにここは厳格な外交政策がとられるようになるかもしれない。これはもちろん、中国と韓国側からの反発を買うだろう。日本と韓国の関係も、竹島、韓国名でいうトクトを巡る問題によって複雑化し困難な状態になっている」
専門家の話だ。

中国、日本、韓国の自由貿易協定は、世界最大規模の自由貿易地域の結成を目指す野心的なプロジェクトだ。日本、中国、、韓国が世界全体のGDPに占める割合は20%。世界全体の貿易取引量に占める割合は17.5%。世界の人口に占める割合は22%となっている。
3カ国の間では領土と自由貿易、どちらが優先されるのだろうか。領有権や領土問題は、政治的な利益をもたらすだけだ。自由貿易は経済的利益のほか、国際貿易における立場を強化する、またとないチャンスを与える。現在は政治が優先されている。この傾向は上海で開かれる第2回交渉でも恐らく変わることはないだろう。

「参議院選挙が投票日」ここは「参議院選挙投票日」と言うべきでしょうね
「これによつ自由に」って何???

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7月19日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル