今週は世界最優秀ソムリエ コンクールに出場する日本代表選考会があり、先日はアジア・オセアニア最優秀ソムリエ コンクールがあり、前者は現場での取材を、後者はオンラインでの取材をしました。
このところ色々なイベントが頻繁に行なわれるようになってきたので、ワイン生産地のアンバサダー迎えてのプレゼンテーションやセミナーにもいくつか参加しました。
プレゼンテーションは食事とのペアリングで行なわれることも多いのですが、最近参加した中で、素晴らしい!と思ったものと、残念!と思ったものがあり、その差が大きかったので、残念な方が特に印象に残りました。
どちらもソムリエがアンバサダーで、産地を実際に訪問し、その経験を活かしてのプレゼンテーションが行なわれました。
良かった方は、産地の説明は当然として、その日に取り上げたワインのことももれなく説明し、合わせる料理とのペアリングのポイントも紹介しました。
これは、こうしたプレゼンテーションではごく普通のことで、基本の基本です。
その後、頻繁に各テーブルを回り、参加者の質問に答え、ホスピタリティを感じました。
プロモーターの用意した資料類もまずまずでした。
方や、うーん…と思った方のソムリエは、ザッとした説明の後、少し離れた関係者のテーブルに座りっぱなし。
説明の大事な肝の部分の説明が間違っていたり、それを確認しようにも遠く離れたところで関係者で会食しているため、業を煮やした知人が席を立って何度も聞きに行く始末。
ソムリエ&アンバサダーとしての仕事をしているとは思えず、かなりもやもやしたプレゼンテーションでした。
世界最優秀ソムリエ コンクール 日本代表選考会 (11月22日)
優勝は岩田渉さん(中央)
上述したコンクールの審査にもサービス実技があります。
これまでも色々な選手のパフォーマンスを見てきましたが、ホスピタリティを感じるサービスは見ていて気持ちよく、ちょっとしたユーモアにクスッとさせられたりします。
知識はないよりあった方がいい。でも、後から学んで補えるものです。
ですが、ホスピタリティは学ぶこともできるかもしれませんが、その人の資質に左右されるように思います。
ソムリエなら、お客さまに喜んでもらいたい、と思いながら接しているか?
客によっても、求めることが違います。
私なら、キビキビしているけれどせわしなくて落ち着きのないサービス、客のことを考えていない自己満足なサービスは苦手です。
かといって、やたら時間をかけてモタモタされるのも困ります。
まあ、客はわがままですよね(笑)
前回の世界最優秀ソムリエになったドイツのマルク・アルメルトは、ユーモアがあって親しみやすく、それでいてスマートにサービスをこなしていました。
3名のファイナリストの中で最も優勝に近いと目されていた中堅選手は、見るからにピリピリして余裕がなく、3位にとどまりました。
コンクールは観戦していると面白く、客観的に見られますが、レストランでサービスを受ける客の立場だとシビアに見てしまいますよね。
そうした客の気持ちに寄り添うサービスができるのが、ソムリエの資質の肝になるんじゃないかと、私としては思っています。