新型ウイルスが世界規模で感染拡大しているため、海外の新規顧客を探したいけれど、営業に行くことができない、というケースがここ2年続いています。
ワインの場合もまさにそうです。
日本に直接行けないけれど、オンラインなどで、というのが、コロナ時代の当たり前になってきました。
今回紹介するのは、日本の輸入元を求めているイタリアのワイナリーです。
日本のプロモーターを通じて、リアルでのプレスへのプレゼンテーションがあり、参加してきました。
都内にまん延防止が出される前の、幸運なタイミングでした。
ということで、今回取り上げるのは、イタリアのワイナリーで、産地はシチリア。
ワイナリー名は「GROTTAROSSA/グロッタロッサ」
シチリア島といってもワイン産地は広いく、グロッタロッサはちょうど島のおへそくらいの位置で、山の中にあるそうです。
自社ラベルのワインを造り始めたのは1992年からで、それ以前はブランドを持たず、家業でワイン造りを行なっていたというファミリー経営のワイナリーです。
年間生産量は約500,000本。
輸出は生産量の約10%とわずかで、ヨーロッパが主な輸出先になります。
新しい輸出先として日本の輸入元を探しています。
今回紹介されたアイテムは5本でした。
ひとつずつ見ていきましょう。
Bianco degli Scudi Grillo Sicilia DOC 2020
グリッロ100%の白ワインで、ステンレスタンクで低温発酵、瓶内熟成3カ月、アルコール12%。
上品なアロマで、口当たりがとてもなめらか。透明感のあるキレイな果実味とテクスチャーで、清らか、という言葉がふさわしいフレッシュなワインでした。家で気軽に楽しむワインとして冷蔵庫に常備しておきたいタイプだと思います。
グリッロはシチリアでは酒精強化のマルサラ酒をつくるブドウでしたが、今はバランスの良い白ワインを造る生産者が多くなっています。
Rosso degli Scudi Nero d'Avola Sicilia DOC 2020
ネロ・ダヴォラ100%の赤ワインで、こちらもステンレンスタンク発酵(25℃、15日間)、瓶内熟成3カ月、アルコール度数12.5%。
軽く、甘酸っぱく、チャーミングな赤いフルーツがとても上品。
ネロ・ダヴォラと聞くと、濃厚でパワフルなイメージがありますが、このネロ・ダヴォラは、酸がジューシーで口当たりがいいので、色々なフードと合わせて楽しむのにもってこいだと思います。
ワイン名の中にある「Scudi」(スクーディ)はシリーズ名で、グロッタロッサの中ではカジュアルラインになります。
「Scudi」はシチリアの伝統芸能である「操り人形」に由来しているそうです。
人形はマントと甲冑を装備し、手には盾を持っています。
グロッタロッサのスクーディシリーズは、操り人形劇で語られる2人の若い男女の愛を表しているのだとか。
以前、シチリアに取材に行った時に、私も人形劇のシアターとミュージアムを訪問したことがあります。
そのときの写真が上記ですが、操り人形はシチリアの伝統文化のひとつで、色々なストーリーがあるということでした。
続いてのワインは、スクーディより上のシリーズになります。
ブドウの収量に違いがあるそうです。
Catarratto Sicilia DOC 2020
カタラット100%の白ワインで、ステンレスタンクで低温発酵、瓶内熟成3カ月、アルコール度数12.5%。
ミネラルの骨格、柑橘の皮のビターなニュアンスがあり、複雑味のあるタイプ。スモーキーな料理(マグロのスモークなど)と合いそうです。
スクーディシリーズはカジュアルに飲めるタイプですが、こちらはかなり上質で、クールなイメージもありました。
ワインを飲みなれていない友人と飲むならスクーディ、ワイン好きと飲むならこちら、という感じですね。
Merlot Sicilia DOC 2020
メルロ100%の赤ワインで、ステンレスタンクで28℃で発酵。年明けの3月中旬まで熟成後、瓶内熟成3カ月。アルコール度数13.%。
熟成に樽を使っているのか?、樽のニュアンスを感じる、モダンでキレイなスタイルの赤ワインです。
品種がメルロということもあると思いますが、洗練され、シチリアらしさは少なめかも。
Nero d'Avola Sicilia DOC 2020
ネロ・ダヴォラ100%の赤ワインで、ステンレスタンクで10日間発酵(28℃)、年明けの3月中旬まで熟成後、瓶内熟成3カ月。アルコール度数13.%。
メルロと造り方はほぼ同じようですが、シチリア土着品種のネロ・ダヴォラ。
深い香りが馨しく、飲む前から期待感が高まります。
スクーディのネロ・ダヴォラは軽やかでチャーミングでしたが、こちらは味わいが重層的で複雑味があります。果実味の凝縮度も高く、だからといってべた付く濃厚さではなく、フィネスのある凝縮感です。
しっかりした肉料理に合わせたくなりますが、このワインとチーズだけでも良さそう。
詳しい価格は書けませんが、価格を聞くと、非常にお買い得なプライスでした。
カジュアルラインのスクーディは価格も実にカジュアルで、冷蔵庫に常備したいと思ったと書きましたが、この希望は確実に叶えられそうです。
ワイナリーの近くに住んでいたら直接買いに行きたい!
魅力的なのは、価格だけではありません。
栽培ではナチュラルなブドウ造りを行なっており、ちょうどオーガニック申請を始めたところだということです。
キレイな果実味は、ブドウの良さから来ているのでしょう。
あと、気になったのが、あちこちに使われている「扇子」の意匠です。
ワイン文化同様、風を送る扇子は、自分自身をリフレッシュするために使用されるものとして生まれたものですが、シチリアでは扇子の歴史的文化があり、ワイン文化同様に、政治的コミュニケーションの強力なツールにもなったそうです。貴族または上層階級に属する女性たちは、扇子を使って男性と会話しました(声は出ていませんが)。
扇子には非常に高いコミュニケーション能力があったことから、グロッタロッサでは、扇子をシンボルとして使用しているそうです。
というワイナリーです。
輸入業者の方でご興味のある方は、SOLO ITALIAにお問い合わせください。
SOLO ITALIA http://soloitalia.co.jp/
個人的には、ぜひ輸入していただけると嬉しい!と思っています
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