今週はブルゴーニュワインの話題をお届けしてきました。
本日は、昨年来日したブルゴーニュワイン委員会(BIVB)の会長に単独インタビューした時の話を紹介します。
Claude Chevalier BIVB President (2017年時点)
クロードさんは、Domaine Chevalier の当主でもあります。
会長への単独インタビューのお話をいただいた時、私には色々言いたいことがありました。
とはいえ、気難しい人だったらどうしよう…という懸念はあったのですが、クロード会長に挨拶した際に、この方なら聞いてくれそう、と思いました。
実は、BIVBの会長は12年前から2人体制だそうです。会長の任期は4年。
ネゴシアンから一人、栽培者から一人の会長を出すことで、偏らない判断、運営ができ、両者がうまく共存できているとのこと。これは納得ですね。
※2018年1月25日にクロードさんの会長任期が終了し、新会長には、François Labet氏(ワイングローワー代表)、Fabrice Latour(ネゴシアン代表)の2人が着任しています。
さて、まずは、クロードさんから、ブルゴーニュの現状の話がありました。
ブロゴーニュの畑は非常に価格高騰しているため、新たに畑を購入することが非常に難しくなってきています。
これはすでに今週の2つのリポートでも紹介しています。
ただし、外国の投資家が何人か入ってきているところもあるようです。
外国の投資家というと、ボルドーの例を思い出してしまいますが…
なにかと話題になる「ネゴシアン」ですが、かつてはネゴシアンはマーケットでは難しかったのですが(ワインの品質が良くないと思われていた)、今週のリポート記事でも書いたように、ドメーヌのネゴシアン部門が増え、品質の高いネゴシアンワインが市場に出てくるようになり、ネゴシアンのポジション、イメージも変わってきています。
「日本では、ブルゴーニュの有名なアペラシオンは人気だが、小さなアペラシオンまでもっと深く知ってもらい、もっとコストパフォーマンスのいいワインだってブルゴーニュにはあるよ、ということを伝えたい」と、会長。
“もっとコストパフォーマンスのいいワイン”の中には、ネゴシアンのワインや協同組合(コーペラティブ)のワインも入ってきますね。
私は、常々、日本でのブルゴーニュワインの扱いに疑問を感じてきました。
ロマネ・コンティを頂点に、グランクリュ信仰や特定の生産者信仰が強く、とにかく名前の知られたアペラシオンや畑、生産者のワインにこだわり、追い求めます。
マイナーなアペラシオンには見向きもせず、そうしたワインを買う、飲むのは論外、と考える人もいます。
昨年、久しぶりにブルゴーニュを訪問した際、ヴォーヌ・ロマネの“ロマネ・コンティ”の畑では、ワゴンカーでやってきていた外国からの観光客グループが写真を撮っていました。やっぱり、記念撮影必須スポットですかね。
しかし、著名ワインは、ほんの一握りです。
価格だって、とんでもない値段が付けられています。
素晴らしいワインには違いないと思いますが、それって、本当にブルゴーニュらしいブルゴーニュワインを飲んでいるといえるんでしょうか?
それぞれの地元でつくられ、地元の人の普段の生活の中で楽しまれているワインを、私なら飲みたいなぁと思います。
そのテーブルには、どんな料理が載っているでしょうか?
ワイン初心者の人や、ブルゴーニュワインを普段からあまり飲まないような人だと、
ブルゴーニュワインは高い、知らないとバカにされそうで怖い、と、敬遠してしまうかもしれません。
でも、ブルゴーニュには、気軽に楽しめる魅力的なワインがたくさんあります。
たとえば、ラドワ Ladoix。
クロード会長のドメーヌ・シュヴァリエは、このラドワにあります。
「ラドワは、有名なアペラシオン(アロース・コルトン)の傍なのに、知られていない」と会長。
アペラシオンの半分がグラン・クリュというAloxe-Cortonを象徴する“コルトンの丘”。
我々は、どうしても、そのグラン・クリュに目が行きがちですが、この丘の周辺のアペラシオンは、超狙い目です。
他にも、ブルゴーニュには知られざるアペラシオンが色々あります。
昨年、ブルゴーニュのマイナーアペラシオンを回ってきたのですが、試飲しておいしいと思い、値段を聞くと、え?そんなに安くていいんですか?
もちろん、グランクリュではありません。単なる村名ワインだったり、AOCブルゴーニュだったりします。でも、おいしいし、何本も買いたくなる値段です。
「ブルゴーニュワイン全体の品質が向上しているので、今まで知られていなかったワインも知られるようになってくるはず。無名なアペラシオンは、いい意味でおお互いに競い合い、いい村、いいアペラシオンになるよう、切磋琢磨してほしい」。
個人的には、マイナーアペラシオンはヒミツにしておきたい、というのが本音です(笑)
ですが、その魅力を伝えることが私の仕事でもあります。
会長曰く「ブルゴーニュワインは飲みやすく、何杯飲んでもまだ飲みたくなるワイン。
だから飲みすぎるけれど(笑)
おいしくて、バランスが取れ、コスパがよく、皆で飲むことを楽しむ、シェアすることが楽しいワインですよ」
「シンプルな料理によく合い、アジアの料理にもオススメ。
花見に、ピクニックに、アウトドアに。暑い時は冷やして。どんなシーンにも合わせられるワイン」と会長。
普段からよく飲んでいる人の発言ですね(笑)
名前の知られていないところに珠玉のブルゴーニュワインが隠れています。
皆さんも、ぜひ、隠れたお宝ブルゴーニュを探してみてください。
私はまた来月、ブルゴーニュに行く予定なので、お宝探しをしてきたいと思います。
新AOC Vezelay のテイスティングもできるかもしれないので、色々楽しみです。
クロード会長、ありがとうございました
[参考]
■ 大橋MWが語るブルゴーニュワインの現状 → コチラ
■ ブルゴーニュ2016年ヴィンテージのバレルテイスティング&現況 → コチラ
■ ピュアなChablisを楽しもう@ブルゴーニュワイン → コチラ
本日は、昨年来日したブルゴーニュワイン委員会(BIVB)の会長に単独インタビューした時の話を紹介します。
Claude Chevalier BIVB President (2017年時点)
クロードさんは、Domaine Chevalier の当主でもあります。
会長への単独インタビューのお話をいただいた時、私には色々言いたいことがありました。
とはいえ、気難しい人だったらどうしよう…という懸念はあったのですが、クロード会長に挨拶した際に、この方なら聞いてくれそう、と思いました。
実は、BIVBの会長は12年前から2人体制だそうです。会長の任期は4年。
ネゴシアンから一人、栽培者から一人の会長を出すことで、偏らない判断、運営ができ、両者がうまく共存できているとのこと。これは納得ですね。
※2018年1月25日にクロードさんの会長任期が終了し、新会長には、François Labet氏(ワイングローワー代表)、Fabrice Latour(ネゴシアン代表)の2人が着任しています。
さて、まずは、クロードさんから、ブルゴーニュの現状の話がありました。
ブロゴーニュの畑は非常に価格高騰しているため、新たに畑を購入することが非常に難しくなってきています。
これはすでに今週の2つのリポートでも紹介しています。
ただし、外国の投資家が何人か入ってきているところもあるようです。
外国の投資家というと、ボルドーの例を思い出してしまいますが…
なにかと話題になる「ネゴシアン」ですが、かつてはネゴシアンはマーケットでは難しかったのですが(ワインの品質が良くないと思われていた)、今週のリポート記事でも書いたように、ドメーヌのネゴシアン部門が増え、品質の高いネゴシアンワインが市場に出てくるようになり、ネゴシアンのポジション、イメージも変わってきています。
「日本では、ブルゴーニュの有名なアペラシオンは人気だが、小さなアペラシオンまでもっと深く知ってもらい、もっとコストパフォーマンスのいいワインだってブルゴーニュにはあるよ、ということを伝えたい」と、会長。
“もっとコストパフォーマンスのいいワイン”の中には、ネゴシアンのワインや協同組合(コーペラティブ)のワインも入ってきますね。
私は、常々、日本でのブルゴーニュワインの扱いに疑問を感じてきました。
ロマネ・コンティを頂点に、グランクリュ信仰や特定の生産者信仰が強く、とにかく名前の知られたアペラシオンや畑、生産者のワインにこだわり、追い求めます。
マイナーなアペラシオンには見向きもせず、そうしたワインを買う、飲むのは論外、と考える人もいます。
昨年、久しぶりにブルゴーニュを訪問した際、ヴォーヌ・ロマネの“ロマネ・コンティ”の畑では、ワゴンカーでやってきていた外国からの観光客グループが写真を撮っていました。やっぱり、記念撮影必須スポットですかね。
しかし、著名ワインは、ほんの一握りです。
価格だって、とんでもない値段が付けられています。
素晴らしいワインには違いないと思いますが、それって、本当にブルゴーニュらしいブルゴーニュワインを飲んでいるといえるんでしょうか?
それぞれの地元でつくられ、地元の人の普段の生活の中で楽しまれているワインを、私なら飲みたいなぁと思います。
そのテーブルには、どんな料理が載っているでしょうか?
ワイン初心者の人や、ブルゴーニュワインを普段からあまり飲まないような人だと、
ブルゴーニュワインは高い、知らないとバカにされそうで怖い、と、敬遠してしまうかもしれません。
でも、ブルゴーニュには、気軽に楽しめる魅力的なワインがたくさんあります。
たとえば、ラドワ Ladoix。
クロード会長のドメーヌ・シュヴァリエは、このラドワにあります。
「ラドワは、有名なアペラシオン(アロース・コルトン)の傍なのに、知られていない」と会長。
アペラシオンの半分がグラン・クリュというAloxe-Cortonを象徴する“コルトンの丘”。
我々は、どうしても、そのグラン・クリュに目が行きがちですが、この丘の周辺のアペラシオンは、超狙い目です。
他にも、ブルゴーニュには知られざるアペラシオンが色々あります。
昨年、ブルゴーニュのマイナーアペラシオンを回ってきたのですが、試飲しておいしいと思い、値段を聞くと、え?そんなに安くていいんですか?
もちろん、グランクリュではありません。単なる村名ワインだったり、AOCブルゴーニュだったりします。でも、おいしいし、何本も買いたくなる値段です。
「ブルゴーニュワイン全体の品質が向上しているので、今まで知られていなかったワインも知られるようになってくるはず。無名なアペラシオンは、いい意味でおお互いに競い合い、いい村、いいアペラシオンになるよう、切磋琢磨してほしい」。
個人的には、マイナーアペラシオンはヒミツにしておきたい、というのが本音です(笑)
ですが、その魅力を伝えることが私の仕事でもあります。
会長曰く「ブルゴーニュワインは飲みやすく、何杯飲んでもまだ飲みたくなるワイン。
だから飲みすぎるけれど(笑)
おいしくて、バランスが取れ、コスパがよく、皆で飲むことを楽しむ、シェアすることが楽しいワインですよ」
「シンプルな料理によく合い、アジアの料理にもオススメ。
花見に、ピクニックに、アウトドアに。暑い時は冷やして。どんなシーンにも合わせられるワイン」と会長。
普段からよく飲んでいる人の発言ですね(笑)
名前の知られていないところに珠玉のブルゴーニュワインが隠れています。
皆さんも、ぜひ、隠れたお宝ブルゴーニュを探してみてください。
私はまた来月、ブルゴーニュに行く予定なので、お宝探しをしてきたいと思います。
新AOC Vezelay のテイスティングもできるかもしれないので、色々楽しみです。
クロード会長、ありがとうございました
[参考]
■ 大橋MWが語るブルゴーニュワインの現状 → コチラ
■ ブルゴーニュ2016年ヴィンテージのバレルテイスティング&現況 → コチラ
■ ピュアなChablisを楽しもう@ブルゴーニュワイン → コチラ
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