【人工股関節置換】手術までの経緯 から続きます
手術が決まると、手術に向けた準備に入ります。
今回の手術は、変形している股関節と、それにつながる骨の一部を切除し、人工関節に置き換えます。
切除するということは、ある程度の出血が予想されます。
想像したくありませんが、もし手術中に大量出血が起こり、止まらなかったら…という最悪のシナリオを考えると、この手術を受けることが怖くなりました。
手術誓約書にも、この手術により死に至る場合がある、と書かれていました。
予想外の大量出血の恐怖と、麻酔から覚めないかもしれないという恐怖。
医師を信頼し、この恐怖を乗り越えることが、手術に備えた真の一歩でしょうか。
この出血に備え、輸血の準備が行なわれます。
医療ドラマを見ると、他の人が提供した血液を輸血していますが、それは緊急手術の場合が多く、手術までの日数に余裕がある場合は、自分の血を抜いて貯血し、輸血に備えます。
それが「自己血」(じこけつ)です。
他人の血液を輸血すると、体内で拒否反応を起こす場合があります。
しかし、自分の血「自己血」であれば、拒否反応を起こすことはありません。
そこで、手術日の1カ月前を切った頃から、自己血の採取が始まりました。
採取する自己血の量は800mlで、400mlずつ2週にかけて抜きました。
1回の採血量が400mlというのは、けっこう多いです。
日本赤十字社の輸血の採血規準を見ると、400mlの全血献血をできるのは、男性は17~69歳、女性は18~69歳で、男女とも体重50kg以上です。
私は体重が40㎏台なので、この規定だと400mlの全血献血はできません。
ですが、自己血の採血は例外なのか、体重40kg台でも容赦なく、400ml採られました。。
とはいえ、さすがに体重40㎏未満の人は、体重に応じて調整されるようです。
また、日本赤十字社の規定では、女性が400mlの全血献血をした場合、次に献血できるのは16週間後の同じ曜日からですが、私の自己血は、翌週の同じ曜日に400ml抜かれました。
つまり、8日間で800ml。
このスケジュールでこんな量抜くの?!
採血の前には、検査のための採血と医師の簡単な問診がありました。
ここで血液のヘモグロビン量(血色素量)などが規定値より低いと、採血できません。
血液の成分に問題ないことを医師が確認すると、特別な処置室に移動し、ベッドに横になった状態で、採血が行なわれました。
これは必ず医師が行ないます。
針を刺す予定の場所周辺に広い範囲でヨードチンキを塗り、その上に、医療用の大きな水色の不織布シートをかけ、清潔に保ちます。
採血の前後には、反対の腕で血圧測定も行なわれます。
最高血圧値がある数値以上でないと、採血できないからです。
すべてをクリアして臨んだ1回目は、血圧の数値も高めで、すんなり採血できました。
400mlで15分くらいだったでしょうか。
その後、同じ個所から点滴(水分だそうです)を入れます。
この点滴の方が時間がかかりましたが、1時間以内に完了です。
その翌週、2回目の採血は、いろいろとつまずきがありました。
前の週に400ml抜いているので、血色素量の数値がやや低めでした。
が、貧血という状態というほど低くはありませんでした。
採血前の血圧も低め(私のいつもと同じレベルの数値)でしたが、これも問題なし。
ですが、針を刺しても採血できず、針を変え、別の場所でやり直し(ヨードチンキの塗り直しも)、なんとか成功しました。
それでも採血できたことは良かったそうで、色々準備してベッドに横になって針を刺しても、まったく採れない人もよくいるそうです。
採血&点滴を終えた後は、ヨードチンキを塗った部分をきれいに拭いてもらいますが、多少、色が残る可能性がありますので、採血の日には、白い袖の服は避けた方がいいと思います。
採血する前には、前夜はアルコールは控えるのはもちろん、風邪を引いたりしないよう、体調を整えることが必要になります。
また、採血後は口からの水分補給もしっかり行ない、晩酌のアルコールも飲まず、入浴は浴槽を避け、シャワーのみにしました。
特に新型コロナ感染拡大の時期でしたから、とにかくコロナに感染しないように注意しました。
コロナにかかったら手術は中止になります。
採血後は、貧血になることが予想されるため、採血の1週間前から鉄材を飲むように処方されました。
この薬は、入院し、手術が終わったくらいまで飲んでいました。
1回目の採血後から、やたらと眠気を感じるようになったのですが、軽い貧血から来る症状だったみたいです。
また、お通じの色が黒くなるのも鉄材の影響でした。
自己血は規定の保存期間があり、保存期間を過ぎたものは使用できません。
ですから、採血した後で手術予定が延期されると、せっかくの苦労が水の泡になってしまいます。
手術の時に輸血が必要でなかった場合、自己血は他の人に使われることはなく、適正に処分されます。
廃棄されるのかしら?と疑問でしたが、私の自己血は、手術後に「点滴」という形で自分に戻ってきました。
手術に際し、大量出血を起こしたら…と、非常に心配していましたが、幸いにも私の手術中の出血は100mlほどとかなり少なかったと医師から聞き、本当にほっとしました。
(続く)
[手術前日の昼ごはん]
きつねそば 春雨ときゅうりのサラダ オレンジ
きつねそばは、豚肉とちくわ入り。油揚げが厚みがあって美味でした
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