ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

アルバリーニョ100%の[ヴィーニョ・ヴェルデ]で新展開

2023-01-31 16:30:00 | ワイン&酒

ポルトガルワインの話題をもうひとつ。

数あるポルトガルワインの中で、私たち消費者が最も手に取りやすいのは、おそらく「ヴィーニョ・ヴェルデ」だと思います。

 

ヴィーニョ・ヴェルデ Vinho Verde DOC(DOP)は、ポルトガル北西部ミーニョ地方の原産地呼称ワインです。

ポルトガルで最も古くから生産区域が定められた(1908年)ワイン産地のひとつで、スパークリング、白、赤、ロゼと、多彩なワインが生産されています。

 

 

ヴィーニョ・ヴェルデに関しては、ここで何度も紹介してきましたので、今さら、なのですが、昨秋にヴィーニョ・ヴェルデ生産者協会主催のプレゼンテーションが都内であり、皆さんにお知らせできる情報をひとつ得ましたので、紹介したいと思います。

 

 

ヴィーニョ・ヴェルデの原産地呼称で認められているブドウは45品種

多く使われているのは、ロウレイロ(60%)、アリント(20%)、トラジャドゥーラ(20%)の3つ。

 

ヴィーニョ・ヴェルデには、西の海側のエリア、東の山岳地帯など、ヴィーニョ・ヴェルデ内の地形や土壌、気候はバラエティに富み、9つのサブリージョンがあります。

認定ブドウ品種は45ですが、サブリージョンによってテロワールに違いがありますので、各地の栽培推奨品種も違ってきます。

 

ヴィーニョ・ヴェルデのサブリージョンの中で、最も名前が知られているのが、最北部に位置する「モンサオン&メルガソ」でしょう。

白ブドウのアルバリーニョ種の生育にベストな条件が揃い、アルバリーニョに特化した高品質ワイン、高級ワインの生産者が集中している地域です。

 

昨日紹介した「ソアリェイロ」は、メルガソでアルバリーニョの生育に力を入れ、ヴィーニョ・ヴェルデのトップ生産者といわれています。

 

ヴィーニョ・ヴェルデは複数のブドウをブレンドしてつくるのが伝統ですが、上記の理由で、モンサオン&メルガソではアルバリーニョ100%のヴィーニョ・ヴェルデが多く見られます。

 

とはいえ、アルバリーニョは他のサブリージョンでも栽培されています。

複数品種のブレンドがヴィーニョ・ヴェルデの伝統ですが、近年は単一品種100%でつくる生産者も増え、品種による味わいの違いを楽しむのもトレンドになっています。

 

ロウレイロ100%のヴィーニョ・ヴェルデ

 

そうなると、アルバリーニョ100%のヴィーニョ・ヴェルデをモンサオン&メルガソ以外でもつくりたい、と思う生産者も出てきます。

 

モンサオン&メルガソ以外でアルバリーニョ100%のワインをつくることはできますが、その場合、「ヴィーニョ・ヴェルデ」の原産地呼称を名乗れず、地理的表示名「IGT(IGP)Minho ミーニョ」になってしまう、というのがこれまででした。

 

アルバリーニョ100%でヴィーニョ・ヴルデを他でも名乗れないのはおかしい!

モンサオン&メルガソがあまりにも優遇されているんじゃ?

という声が当然出てきます。

 

ということで、他のサブリージョンのアルバリーニョ100%のワインも2021年ヴィンテージからヴィーニョ・ヴェルデを名乗れる、ということになりました。

 

Vinho Verde  POUCO COMUM Alvarinho 2021 Quinta da Lixa

 

同じワインを遡って調べると、2019年ヴィンテージはIGTミーニョでした。

これは2021年なので、ヴィーニョ・ヴェルデを名乗ることができました。

 

バックラベルにも「VINHO VERDE ヴィーニョ・ヴェルデ」であることを証明するグリーンのシール(下部)が貼られています。

 

こうなってくると、本家のモンサオン&メルガソは、面白くありません(笑)

そこで、ヴィーニョ・ヴェルデのシールにモンサオン&メルガソの地名を入れる、ということをしてきたのが下記です。

 

「ソアリェイロ」のバックラベルシールですが、二つの山の絵と「Monção & Melgaço」が記されています。

 

アルバリーニョ100%のヴィーニョ・ヴェルデで、モンサオン&メルガソのものを飲みたい人には、このシールが目印になってきます。

 

 

 

ヴィーニョ・ヴェルデはスーパーなどでも1000円前後から売っているので、デイリーに楽しめるのが嬉しいワインです。

 

また、泡もあり、ロゼもあり、赤もあり、樽熟させたワインもあります。

 

エスパデイロ100%の辛口ロゼワインのヴィーニョ・ヴェルデ

 

ヴィニャオン100%の辛口赤ワインのヴィーニョヴェルデ

 

ヴィーニョ・ヴェルデだけで食事のコースの最初から最後まで通すのも楽しいかもしれません。

 


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1 コメント

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Unknown (genkidase)
2023-01-31 17:42:08
こんにちは😃 ポルトガルは物価が安いから住みたいって昔旦那が言うてました。私も住んで見たかった。
旅行には行きたいです
フォローしました。ポルトガル情報楽しみ
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