ポルトガルワインの話題をもうひとつ。
数あるポルトガルワインの中で、私たち消費者が最も手に取りやすいのは、おそらく「ヴィーニョ・ヴェルデ」だと思います。
ヴィーニョ・ヴェルデ ーVinho Verde DOC(DOP)は、ポルトガル北西部ミーニョ地方の原産地呼称ワインです。
ポルトガルで最も古くから生産区域が定められた(1908年)ワイン産地のひとつで、スパークリング、白、赤、ロゼと、多彩なワインが生産されています。
ヴィーニョ・ヴェルデに関しては、ここで何度も紹介してきましたので、今さら、なのですが、昨秋にヴィーニョ・ヴェルデ生産者協会主催のプレゼンテーションが都内であり、皆さんにお知らせできる情報をひとつ得ましたので、紹介したいと思います。
ヴィーニョ・ヴェルデの原産地呼称で認められているブドウは45品種!
多く使われているのは、ロウレイロ(60%)、アリント(20%)、トラジャドゥーラ(20%)の3つ。
ヴィーニョ・ヴェルデには、西の海側のエリア、東の山岳地帯など、ヴィーニョ・ヴェルデ内の地形や土壌、気候はバラエティに富み、9つのサブリージョンがあります。
認定ブドウ品種は45ですが、サブリージョンによってテロワールに違いがありますので、各地の栽培推奨品種も違ってきます。
ヴィーニョ・ヴェルデのサブリージョンの中で、最も名前が知られているのが、最北部に位置する「モンサオン&メルガソ」でしょう。
白ブドウのアルバリーニョ種の生育にベストな条件が揃い、アルバリーニョに特化した高品質ワイン、高級ワインの生産者が集中している地域です。
昨日紹介した「ソアリェイロ」は、メルガソでアルバリーニョの生育に力を入れ、ヴィーニョ・ヴェルデのトップ生産者といわれています。
ヴィーニョ・ヴェルデは複数のブドウをブレンドしてつくるのが伝統ですが、上記の理由で、モンサオン&メルガソではアルバリーニョ100%のヴィーニョ・ヴェルデが多く見られます。
とはいえ、アルバリーニョは他のサブリージョンでも栽培されています。
複数品種のブレンドがヴィーニョ・ヴェルデの伝統ですが、近年は単一品種100%でつくる生産者も増え、品種による味わいの違いを楽しむのもトレンドになっています。
ロウレイロ100%のヴィーニョ・ヴェルデ
そうなると、アルバリーニョ100%のヴィーニョ・ヴェルデをモンサオン&メルガソ以外でもつくりたい、と思う生産者も出てきます。
モンサオン&メルガソ以外でアルバリーニョ100%のワインをつくることはできますが、その場合、「ヴィーニョ・ヴェルデ」の原産地呼称を名乗れず、地理的表示名「IGT(IGP)Minho ミーニョ」になってしまう、というのがこれまででした。
アルバリーニョ100%でヴィーニョ・ヴルデを他でも名乗れないのはおかしい!
モンサオン&メルガソがあまりにも優遇されているんじゃ?
という声が当然出てきます。
ということで、他のサブリージョンのアルバリーニョ100%のワインも2021年ヴィンテージからヴィーニョ・ヴェルデを名乗れる、ということになりました。
Vinho Verde POUCO COMUM Alvarinho 2021 Quinta da Lixa
同じワインを遡って調べると、2019年ヴィンテージはIGTミーニョでした。
これは2021年なので、ヴィーニョ・ヴェルデを名乗ることができました。
バックラベルにも「VINHO VERDE ヴィーニョ・ヴェルデ」であることを証明するグリーンのシール(下部)が貼られています。
こうなってくると、本家のモンサオン&メルガソは、面白くありません(笑)
そこで、ヴィーニョ・ヴェルデのシールにモンサオン&メルガソの地名を入れる、ということをしてきたのが下記です。
「ソアリェイロ」のバックラベルシールですが、二つの山の絵と「Monção & Melgaço」が記されています。
アルバリーニョ100%のヴィーニョ・ヴェルデで、モンサオン&メルガソのものを飲みたい人には、このシールが目印になってきます。
ヴィーニョ・ヴェルデはスーパーなどでも1000円前後から売っているので、デイリーに楽しめるのが嬉しいワインです。
また、泡もあり、ロゼもあり、赤もあり、樽熟させたワインもあります。
エスパデイロ100%の辛口ロゼワインのヴィーニョ・ヴェルデ
ヴィニャオン100%の辛口赤ワインのヴィーニョヴェルデ
ヴィーニョ・ヴェルデだけで食事のコースの最初から最後まで通すのも楽しいかもしれません。
旅行には行きたいです
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