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ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

ワイン(1)@オーガニックEXPO

2007-10-14 15:32:50 | ワイン&酒
先日、東京ビッグサイトで開催された
「オーガニック EXPO」(BioFach Japan 2007)に行ってきました。

これは、世界最大のオーガニック食品&関連製品の専門トレードショーの日本版で、ドイツや中国、アメリカなどでも開催されています。

関連する他のイベントとの同時開催だったので、食品以外に化粧品やら衣料品やらもありましたが、まずはワインを紹介したいと思います。



そもそも、このイベントはオーストリア大使館からの案内で知ったのですが、今回のエキスポでオーストリアワインはかなり力を入れていて、オーガニックワインパビリオンの中でも大々的に紹介されていました。

オーストリアワインの生産者数は21で、ワイン数は約90もありましたが、輸入業者が決まっていないところがほとんどでした。

テイスティングするにはあまりに数が多いので、ブースにいらした
ユルゲン・シュムッキングさん(オーストリービオ協会 ワイン&嗜好品部長)に選んでいただきながら行いました。


 ユルゲン・シュムッキングさん


まずは白ワイン



(右)Gruner Veltliner Wartberg 2006 Weingut Mrozowski
(中)Gruner Veltliner Felser Berg 2005 Weingut Wimmer-Czerny
(左)Gruner Veltliner Weelfell Alte Reben 2006  同上




(左)Gruner Veltliner Juwel 2006 Biohof Pratsch
(中)Graf Morillon 2005 Weingut Muster  (シャルドネ100%)
(右)Welschriesling Beerenauslese 2005 (sweet) Weingut Schonberger




(左)Gruner Veltliner Smaragd 2006 Nikolaifoh
(右)Riesling Smaragd 2005  同上


グリュナー・フェルトリナーは、爽やかなもの、アロマティックなもの、ミネラル感たっぷりのもの、とろみを感じるほど濃厚なものetc...と色々なタイプがありますが、どれも骨格がはっきりとして、しかもきれいに感じます
グリュナー以外の白ワインも同様で、厚み、アルコールの感じが共通しています。

アロマティックなものもありますが、香りは穏やかでやさしいものが多いので、料理の風味をジャマせずにマリアージュを楽しめるタイプのワインだと思います。

白には魚、というイメージが強いですが、ボリュームのあるタイプのオーストリアの白ワインはチキンやポークなどの肉料理にも負けません。



次は赤ワイン



(左)Zweigelt 2005 Weingut Mrozowski
(左中)Blauer Zweigelt 2005 Weingut Karl Schnabel
(右中)Zweigelt 2005 Bioweingartnerei Artner
(右)Blauer Zweigelt 2005 Weingut Muster


オーストリアの赤ワイン用品種では「ツヴァイゲルト」が最も広く栽培されていますが、私の中の今までのイメージは、「ちょっとザラザラして、やや青っぽさを感じる赤ワイン」でした。

つまり、熟し方が足りなくて凝縮感に欠ける、やや水っぽいようなワインだったわけですが、
今回のワインを飲んでみると、果実がよく熟し、タンニンの骨格がきっちりと感じられ、口当たりもなめらかで、明らかに今までのイメージと違います


今回はすべてビオの生産者のワインですが、ビオだからそのように変化したのか、なにか他の要素が関係しているのか?
ビオでない生産者のものとその場で飲み比べてみないとなんとも言えませんが、ビオがマイナスの方向には一切働いていないということだけはわかりました。



オーストリアのビオワインの歴史は浅く、1993年当時の有機栽培のブドウ畑はわずか200haだったそうですが、現在は10倍近くに広がり、「変わり者」とされていたビオの生産者も500軒近くに増えています。



「食の安全」が世界中で叫ばれている現在、食品はもちろんのこと、ワインにおいても環境に配慮した生産方法が選ばれる傾向は続くでしょう。

だからといって、「おいしさ」を二の次にされては困るわけですが、今回のテイスティングをした限りでは、ビオでないワインに比べて味わいの点で劣るところは一切なく、果実のピュアな味わいを感じながらおいしく飲めました 

消費者の立場からいうと、こういったワインが増えるのは嬉しいことで、ビオがごく当たり前という時代(昔々の時代がそうだったように)の再到来を期待したいものです。


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