先週来、2月23日富士山の日にちなんだ取材を続けていますが、中でも個人的にトピックスだったのが、富士宮本宮浅間大社でふだんは複製画しか展示していない「富士曼荼羅図」(室町期・重要文化財)のホンモノが観られたこと!
昨年5月から中日新聞で月1回連載している富士山特集で、再三記事で紹介し、浅間大社からお借りした画像データを眺めるだけだった作品が、3月11日まで、静岡県立美術館で開催中の「富士山の絵画2012」で展示されているんです。思わず「ホンモノだ~」っと興奮してしまいました・・・
この絵の文化的価値は、こちらの記事で紹介しましたが、静岡大学の増沢先生に取材したときは、自然科学の点からも貴重な史料だということがわかりました(こちらを参照)。
ふだんは目にすることのできない静岡県民の宝ともいうべき文化財です。「富士山の絵画2012」では、富士山と三保松原を組み合わせた現存最古の「富士三保松原図屏風」や、司馬江漢が油絵で描いた富士山など、見応えのある作品が並んでいます。
作品の紹介コピーも凝っていて、
○じっくり味わいたい探幽富士の最高峰
○風景マニアが描かせた富士山オタクの絵
○富士山麓で起きたドラマチックな一日
○登山記録?現実と虚構の融合
○富士山デザインの源泉、和歌イメージも
というように、興味をそそられる言葉で紹介しています。少しでも親しみやすく、関心を持ってもらおうと、学芸員さんが頭をひねって考えたそうです。
来年、世界文化遺産登録がかなった折には、静岡県立美術館は、富士山のお膝元にある県立の美の殿堂として、もっともっとコレクションを増やす、あるいは企画展に力を入れて、ぜひとも富士山芸術の殿堂になってほしいなあと思います。ロダン館並みに富士山専門の別館が欲しいと思うのは県民の欲張りでしょうか・・・。