杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

新聞記事に想う

2012-02-22 20:46:10 | 国際・政治

 今日(2月22日)夕方、仕事から帰ってきて静岡新聞夕刊を開いたら、『満寿一酒造り断念、また消える県内老舗酒蔵』という記事が社会面トップに載っていました。ああ、本当に増井浩二さんは亡くなったんだなあと胸が痛くなりました。

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 私がこのブログで増井さんの訃報を伝えた直後に静岡新聞社会部の小林記者から問合せがあり、「記事にするなら、彼が、志太杜氏の伝承に功績があったことをぜひ書いて。葬儀で弔辞を読んだ喜久醉の青島さんにも取材してみて」と伝えたのですが、その後、新聞社内で“新しい展望が見いだせるストーリーでなければ掲載にしにくい”と言われたとか。

 確かに、「蔵元の意志を継ぐ後継者誕生」とか、「生前最期に搾った酒が金賞受賞」な~んて話ならニュースバリューも高いだろうけど、「蔵元が亡くなって酒造の灯が消える」では難しいのかもしれません。期待薄だっただけに、今日の夕刊はとても感慨深かったです。

 

 

 

 新たな展望が見いだせる内容ではなかったものの、記事は、増井さんの父で満寿一酒造社長の増井成美さんが「他の酒蔵は我々の分まで頑張って」とエールを送ったと締めくくられていました。

 ご家族としての思いは、いかばかりだろう・・・と辛くなりますが、増井さんが亡くなったことが新聞記事として取り上げられたのは意義があると思います。酒造りを断念したことが、こんなにデカい記事になるなんて、満寿一という酒がいかにスゴいかってことですよね。何か、天国からの増井さんのメッセージのような気もします。それをきちんとキャッチしてくれた小林記者と、掲載してくれた新聞社にも感謝です!。

 

 

 ・・・なんか部外者のくせに横から裏ネタを晒すようで申し訳ないんですが、静岡新聞を直接読めない県外の静岡酒ファンの方のために、満寿一という酒の価値を伝える意味で、紹介させてもらいました。

 

 

 

 ここからは当事者として。明日2月23日は富士山の日記念で、2ヶ月ぶりに中日新聞に世界文化遺産特集が掲載されます。今回は富士山の日掲載ということで、紙面も広く、かなり力が入ってます!! こちらで紹介した岩槻邦男先生へのインタビュー記事も載りますので、ぜひご覧ください。