まじめな話
日本の保護観察制度をご存知でしょうか?
国家公務員である法務省の保護観察官約1000人と民間ボランテァである保護司約5万人が更生保護活動を地道に行っています。ご隠居もその保護司を拝命しています。
いつものように寝転んで酒飲みながら旅行記書いているような気軽な案件ではなく真面目な話です。
更生保護の目的は犯罪をした人及び非行のある少年に対して再犯を防ぐことと改善更生を助けることです。全犯罪者の約3割を占める再犯者(何回も犯罪をくり返す人)が、全体の約6割の犯罪を起こしているという現状があります。
保護観察の種類と期間
1.保護観察決定を受けた少年 20歳までまたは2年間
2.少年院を仮退院した少年 仮退院期間(通常20歳まで)
3.刑務所を仮釈放した人 本来の刑の終了日まで
4.保護観察付執行猶予の人 執行猶予期間
上記の人が右の期間中保護司の指導を受けることになります。一般的には月2回保護司の自宅あるいは事務所を訪問することになります。仕事を持っている成人ですと夜あるいは休、祝日になることもあります。3人ぐらい対象者を抱えていると結構週末がつぶれてしまいます。
保護司はその人がきちんと勤務についているか学校に行っているか生活の資金面はどうなっているかなど質問します。特に少年は交友面や酒タバコはやっていないかそれとなく観察します。(規則正しい生活の指導に力を入れます)
面接結果を保護観察所に各人ごとに経過報告書を送ります。
また刑務所に収監されるとすぐに本人に出所後の引受人の希望を聞きます。(例えば両親の家)これは単に本人の希望です。そこで刑務所から引受人の住所地にいる保護司に対して調査の依頼が届きます。たとえば両親が引受人であれば訪問して「息子さんが出所後ここに戻りたいと希望していますがどうでしょうか」
「あいつとは親子の縁を切っているから困る」などと言われることもあります。
この報告書を見たら収監されている人はどう思うかなと考えます。
その他保護司は地域での犯罪予防の啓蒙活動。学校との連携
協力雇用主(犯罪や非行をした少年を雇用してくれる)を探す。ハローワークに更生した人と出かけ職を探す手伝いをするなど多岐にわたっています。
先日美浜区保護司会では赤城少年院に視察に行ってきました。赤城山の麓で東京ドームより一回り大きな広大な敷地です。初等少年院送致の決定を受けたおおむね16歳未満の少年約60人が生活しています。刑務所ではないのでいくつかの教室に分かれて勉強が主体です。ここから高校受験する子もいるそうです。
感想はあえて書きません。広い世界にはこういう場所もあるのです。
赤城山神社の絵馬