善光寺の御開帳だけに日帰りで行くのはもったいないので前日松本経由で篠ノ井線(塩尻~篠ノ井・66.7km)に乗車して姨捨駅で途中下車しました。
さてご隠居の好きな三大何とかです。三大車窓と言えば(列車からの眺めのいい所)どこでしょうか。
根室本線・狩勝峠越え(北海道)、肥薩線・矢岳越え(九州)そして姨捨駅からの車窓です。もっとも根室本線は新線になってからは景色が良くなくなったとの評判もあります。
姨捨駅
姨捨駅はスイッチバックになっています。乗っていて時間はかかりますが鉄道ファンにとっては結構楽しい場所です。
左側奥が姨捨駅です。我々が乗車している下りはこのまま駅に進入します。右側に本線を登り松本行き普通列車が来ました。
この列車はもう少し走って引き上げ線に入ったのちバックで姨捨駅のホームに向かいます。
そして下り列車は一度引上げ線に入り今度は逆向きに走って篠ノ井方面向かいます。
姨捨駅で上下線が交換になります。
反対側は終点です。貨物など長い編成の列車は一番奥まで行きます。
140円で記念入場券が販売されていました。
名古屋行きのワイドビューしなのは姨捨駅には停車しないので谷間に轟音を響かせて本線を疾走していきました。
ホームからの善光寺平の眺め
さて駅を出て少し散策してみました。
昔年寄りの大嫌いな殿様がいて「60歳になった年寄りは山に捨てること」というおふれを出しました。
ある日のこと、一人の若い男が年老いた母親を背負って山道を登って来ました。深い悲しみを振り払うようにただ夢中で。
ふと気づくと、背中で母親が「ボキッ、ボキッ」と木の枝を折っては道端に捨てています。男は不思議に思いましたが何も聞かずにそのまま歩いて行きました。
年寄りを捨てるのは深い深い山奥です。男は母親を残して一人帰るころには日がどっぷり暮れて、あたりは真っ暗闇、すぐさま道に迷い母親の所に引き返しました。
母親は静かに言いました。
「さっき木の枝を折ってきた、それをたどってお帰り」子を思う親の深い愛情を今更ながら知った男は、ついに殿様の命令にそむく覚悟を決めて、母親を家に連れて帰りました。
そのご紆余曲折があり殿様は自分の考えが間違っていたことに気づき年寄りを捨てることをやめさせました。
これが「姨捨山伝説」です。詳しくはネットで調べてね!しかしお爺捨山といわないから昔から女性の方が長寿だったんですかね。
もっとも年金機構の理事長が聞いたら喜びそうな話ですね。金を集めておいて年金支給しようと思ったら年寄りは山の中で行方不明。掛け金だけが残ります。
夜景が綺麗みたいですね。夜までいられないのが残念です。
長楽寺にやってきました。
長楽寺は天台宗の名刹で境内にはいくつもの句碑が並んでいて月の名所です。
本殿
こちらも御開帳が行われていました。参拝客はボチボチでしたがお寺の家族総出で接待していて感じが良かった。
奥まで上がって聖観音菩薩を拝むことが出来ました。また雄大な善光寺平を望みながら抹茶をいただくこともできます。
観音堂と姥岩
テレビのサスペンスドラマの舞台に良く出てきます。月の輝いている深夜殺人事件なんかが起こります。
月が綺麗だと余計淋しくてミステリアスな感じがするのでしょうか?
知り合いの行政書士でも殺されていて死骸でもないかと観音堂の裏山の方まで登っていましたが何もなかったのでがっかりしました。
月見堂
おもかげや 姥ひとりなく 月の友 松尾芭蕉
そして名勝 棚田です。
「田毎の月」として月見の名所です。
本当に昔の人は大変だったと思います。毎日毎日稲の世話をして崩れた畦を直して水を管理して秋に黄金色に一面なるころはヘトヘトだったでしょう。
やっぱりなんだかんだ言っても幸せな時代に生活しているという実感がこみ上げてきます。