鳴子温泉駅に到着しました。
駅を降りると早速温泉地特有の硫黄のにおいがします。
駅前には旅館の送迎バスが何台も止まっていて東北有数の温泉地だなと思いました。
駅の待合室も映画館みたいに階段状になっています。ちょっとお洒落ですがなんといっても列車の本数が少ないので人はまばらなようです。
外に出るとすぐに足湯がありました。
「ペット」はご遠慮くださいと注意が書いてあります。当たり前ですよね。
最近の若い人で朝っぱらから「犬が死んだんで忌引き休暇取れますか」と冗談でなく普通の声で言ってくるんで怒るよりたまげてしまうと知人が言っていました。
奥州三名湯とはどこでしょう。鳴子温泉、飯坂温泉、秋保温泉です。
下駄ばきで温泉街を廻る「下駄も鳴子」というキャッチフレーズで売り出しています。
湯元の夜はいつだって カラッコカラコ下駄の音 ふたり三人通っている お湯から帰る誰かです。
昔からある日本の温泉街のノスタルジックの雰囲気が良く残っているようです。
温泉に入った後はほろ酔い気分でお土産屋さんでこけしでも見て回るのも楽しいですね。
手湯もありました。この中にこじんまりと温泉が流れていましたが人もいませんでした。
「湯めぐりチケット」を買うとか各旅館内の温泉や共同浴場にも浸かることができます。
駅前通り。反対側がこけし通り。
こけし屋さんが何軒か並んでいました。
いつもならビジネスホテルですが鳴子に来たので温泉旅館に泊まりました。
鳴子温泉幸雲閣です。
お盆やお正月以外は観光バスツアーのバスが何台も連ねてやってくるホテルらしくて収容人数はすごいようです。
朝の食事はバイキングでワァワァやっていました。
翌日鳴子峡までタクシーに乗ったら運転手さんが鳴子温泉は小さな宿に泊まった方が鳴子の良さがわかるよと言っていました。
今回はお盆で小さな旅館ほど予約が取りにくくて早く計画立てないとだめだなと思いました。
さて奥の細道では なるごの湯より尿前の関にかかりて・・・・
としか書いてありません。
曾良さんの日記でも シトマエへ取付左ノ方、川向ニ鳴子ノ湯有。とだけの記述です。
想像するしかありません。
「翁、鳴子の湯にやって来ましたね」
「なるほど。温泉の湯煙が旅情をかきたててくれるね」
「さすがに賑やかでほっと(ホット)します」
「つまらない冗談言っていないで先を急ぎます」
「こけし通りなんて言うのがありますよ。深川の愛人に器量のいいこけしでも買っていくと喜びますよ」
「何を言っているんだね。君は。僕はねそんなに経費がかかるような代物は持っていませんよ」
「それじゃ気の利いた旅館に泊まってコンパニオンでも呼んでみちのく二人旅を盛り上げはしゃぎましょう。旅も1/3ぐらいも過ぎたのを記念して」
「かさねがさね馬鹿者。寂しさやはかなさを追求しているものはそんなことしては良いものが書けないのです」
「またまた。懐がさびしいのでかっこいいこと言ってごまかしているんじゃないですか」
「なにがまたまたですか。股広くとってどんどん歩きなさい」
鉄道で奥の細道を旅している
ななきたのご隠居(右)と おぎくぼのうっかり八兵衛(左)
これから一杯気分で温泉街に繰り出すか!